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第6話 可愛い女の子に迫られたらたまらないよね。
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「待たせたな、マリア・・・」
音速を超え、空気を震わせ超音波を生み出す。それはそこにいた二人に頭痛を引き起こす。マリアはそれで気を失ってしまい、ダリに抱きかかえられる。その時ダリの目にマリアの服装が映る。
「なんでマリア、胸元がはだけて・・・」
頭を押さえながら大男がダリの方へ攻撃を加えようとする。
「オラアアァァ!!!」
「いつもならこのくらいで許してたんだけど、僕もさ仲間にこういう事されるときついんだよね。」
静かにそう言うと、ダリは右の掌を開き相手の方へ向ける。
「タンマってか?なんだ?ビビってんのか?」
そして、ゆっくりと閉じていき、それと同時に相手も潰れていく。
「あ゛あ゛あああぁぁ!!!」
男が断末魔のような声を上げて、潰されていく。やがて、掌は閉じられ、それは瓦礫のように撤去されてしまった。
次の朝、マリアは見知らぬベッドの上で目を覚まし、大きな伸びをする。
「ん、んーー。」
その部屋にいた大柄なおばさんに声をかけられる。
「やっと起きたかい?アンタ。メシはこっちだよ。お腹すいてるでしょ。食べな。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
マリアは何も知らない人の言う事をこんなにも素直に聞いても大丈夫かと思いながらも、空腹に耐えられる訳もなくテーブルについた。
食パンの上に目玉焼きとベーコン、レタス、チーズの乗ったものを食べる。チーズが口の中でとろけてマリアは思わず笑みがこぼれる。
「おいひぃ。」
「おやおや、嬉しいねぇ。そんなに気に入ったかい?」
「は、はい。ありがとうございます!ところでここは?」
「ここは、ギルドに隣接してる宿だよ。特に名前も付いてやしないさ。昨日、アンタよりは大きいが小柄な男の子がおぶって来たんだよ。」
「え、それって、黒髪の?」
ダリは、気を失ったマリアをこの宿に連れてきていた。そして、現在は別の部屋にて眠っている。
マリアは感謝を言おうと、ダリの部屋を訪れる。
(ダリさん、まだ眠ってらっしゃるのね。)
マリアはゆっくりと寝床に近ずいて行く。
(少しくらいなら、大丈夫よね。)
そして、マリアがダリの顔に自分の唇を近ずけたその時だった。
「何してる、マリア。」
ダリが目を開いて、マリアに言う。ぴょんっと跳ねてマリアは距離をとる。
「は、はい!大丈夫です!もう元気です!」
「そんな事は聞いてないんだが、まあいい、それは良かった。」
ダリは起き上がろうとすると、マリアにベッドに押し倒される。マリアの服装はこの宿の女将にラフな格好に着替えさせられていたので、ダリにとっては刺激が強かった。
「な、何をしているんだ、マリア。」
(ん、手が解けない。コイツ魔力をここで使ってやがる。)
「わたし、攫われている時に手を出されそうになったんです。」
「へ、へー。」
「なんですかその反応は。とても怖かったのですよ。私、初めては好きな人とが良いと思っていたので、」
ゴクリとダリは唾を飲んだ。
目のトロンとしたマリアは馬乗りになってまたがる。
「ダリさん今勇気を出して言ったのですよ。分かりますか。心音を聞いてください。」
ダリの手を取り、マリアは自分の胸に当てる。
「ま、まぁ、一旦落ち着こう、マリア」
マリアは止まらない。
「マリアじゃなくてマリーです。」
「わ、分かったよ、マリー落ち着こう。ほら、まだ朝だし。そこに、誰か見ているし。」
マリアはハッとして、振り向くとそこにはニヤニヤとしている先程の大柄な女将が覗いていた。
「いいよ、いいよ、気にしないで、後は若いお二人さんで。」
「気にします!!もういいです!ダリさんは私の事嫌いなんですね!このバカ!」
マリアはソファに掛かっていた上着を取ると、怒って外へと出ていってしまった。
「あらあら。」
「あらあらじゃありません。何してるんですか。」
ダリは着替えて外に探しに行く。マリアの居る場所は検討がついていた。
ダリは壁外の馬車へと足を運ぶ。
「マリア、居るか?」
「だから、マリーです。」
マリアは馬車の隅で毛布にくるまっていた。
「分かった分かった。じゃあマリー。」
拗ねた様子でマリアが答える。
「はい。」
「さっきはすまなかった。」
「別にいいですよ!」
マリアの機嫌はこの程度ではおさまらないようだ。
ダリは少し躊躇ったがとある事を言うことにした。
「こんな事言うの恥ずかしいんだけどな。マリアには僕が復讐のために動いていると言ったよな。僕は仲間に裏切られた。そして、農民という職業に変えられた。そのままでは僕は自暴自棄になって裏切られた悲しみから自殺していたかもしれない。」
マリアは顔を上げてダリの方へ向く。
「そんな所に君が現れた。あの時の僕は仲間への恨みよりも寂しさの方が大きかったんだと思う。大事な何かが外れてしまったんだ。そんな外れてしまったピースを埋めてくれたのは、君なんだ。マリー。」
マリーは大きな目を見開き目元に涙を浮かべる。
「僕にとって君は僕の目的と同じくらい大切な存在なんだ。君が僕を動かしてくれた。だから、さっきのは君を嫌っているからではなくて、君が大事だからこそなんだ。それに、これ以上、君を置いていくなんて事も言わないから。許してくれ。」
「目にゴミが、」
マリアは目元に服を持っていく。
終わるとマリアはダリの方へ素早く近ずいて行く。そして、潤んだ瞳を細める。
「許して欲しいのは私もです。さっきは勝手な行動をしてごめんなさい。それに、私も私を平凡な日常から出してくれたのも感謝してるんです。」
すると、マリアは急につま先を伸ばし、自分の唇をダリに重ねる。
「ん、んん?!」
「私、ダリさんが大好きです。」
スカートを翻し、マリアは走って外へと出ていってしまった。
(ズルいよ。そんなのされたら、僕だって、マリアのこと・・・)
外から小柄な少女が馬車へと笑みを浮かべて大声を出す。
「ダリさーん!早く来てくださーい!一緒に買い物行きますよ!デートですよ。デート!」
「や、やめろって!声が大きいよ!」
頬の染まった少年が駆けてその少女の方へと向かっていく。二人は新たな冒険へと踏み出していく。その手を繋いだ二人を見て包帯を巻いた傭兵達は笑みを浮かべるのだった。
そんな幸せに満ちた空間の少し離れた森の奥地にて。
「今、この国にはアレが無いらしいね。こっちの準備も整ってきたし、そろそろかねぇ。」
音速を超え、空気を震わせ超音波を生み出す。それはそこにいた二人に頭痛を引き起こす。マリアはそれで気を失ってしまい、ダリに抱きかかえられる。その時ダリの目にマリアの服装が映る。
「なんでマリア、胸元がはだけて・・・」
頭を押さえながら大男がダリの方へ攻撃を加えようとする。
「オラアアァァ!!!」
「いつもならこのくらいで許してたんだけど、僕もさ仲間にこういう事されるときついんだよね。」
静かにそう言うと、ダリは右の掌を開き相手の方へ向ける。
「タンマってか?なんだ?ビビってんのか?」
そして、ゆっくりと閉じていき、それと同時に相手も潰れていく。
「あ゛あ゛あああぁぁ!!!」
男が断末魔のような声を上げて、潰されていく。やがて、掌は閉じられ、それは瓦礫のように撤去されてしまった。
次の朝、マリアは見知らぬベッドの上で目を覚まし、大きな伸びをする。
「ん、んーー。」
その部屋にいた大柄なおばさんに声をかけられる。
「やっと起きたかい?アンタ。メシはこっちだよ。お腹すいてるでしょ。食べな。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
マリアは何も知らない人の言う事をこんなにも素直に聞いても大丈夫かと思いながらも、空腹に耐えられる訳もなくテーブルについた。
食パンの上に目玉焼きとベーコン、レタス、チーズの乗ったものを食べる。チーズが口の中でとろけてマリアは思わず笑みがこぼれる。
「おいひぃ。」
「おやおや、嬉しいねぇ。そんなに気に入ったかい?」
「は、はい。ありがとうございます!ところでここは?」
「ここは、ギルドに隣接してる宿だよ。特に名前も付いてやしないさ。昨日、アンタよりは大きいが小柄な男の子がおぶって来たんだよ。」
「え、それって、黒髪の?」
ダリは、気を失ったマリアをこの宿に連れてきていた。そして、現在は別の部屋にて眠っている。
マリアは感謝を言おうと、ダリの部屋を訪れる。
(ダリさん、まだ眠ってらっしゃるのね。)
マリアはゆっくりと寝床に近ずいて行く。
(少しくらいなら、大丈夫よね。)
そして、マリアがダリの顔に自分の唇を近ずけたその時だった。
「何してる、マリア。」
ダリが目を開いて、マリアに言う。ぴょんっと跳ねてマリアは距離をとる。
「は、はい!大丈夫です!もう元気です!」
「そんな事は聞いてないんだが、まあいい、それは良かった。」
ダリは起き上がろうとすると、マリアにベッドに押し倒される。マリアの服装はこの宿の女将にラフな格好に着替えさせられていたので、ダリにとっては刺激が強かった。
「な、何をしているんだ、マリア。」
(ん、手が解けない。コイツ魔力をここで使ってやがる。)
「わたし、攫われている時に手を出されそうになったんです。」
「へ、へー。」
「なんですかその反応は。とても怖かったのですよ。私、初めては好きな人とが良いと思っていたので、」
ゴクリとダリは唾を飲んだ。
目のトロンとしたマリアは馬乗りになってまたがる。
「ダリさん今勇気を出して言ったのですよ。分かりますか。心音を聞いてください。」
ダリの手を取り、マリアは自分の胸に当てる。
「ま、まぁ、一旦落ち着こう、マリア」
マリアは止まらない。
「マリアじゃなくてマリーです。」
「わ、分かったよ、マリー落ち着こう。ほら、まだ朝だし。そこに、誰か見ているし。」
マリアはハッとして、振り向くとそこにはニヤニヤとしている先程の大柄な女将が覗いていた。
「いいよ、いいよ、気にしないで、後は若いお二人さんで。」
「気にします!!もういいです!ダリさんは私の事嫌いなんですね!このバカ!」
マリアはソファに掛かっていた上着を取ると、怒って外へと出ていってしまった。
「あらあら。」
「あらあらじゃありません。何してるんですか。」
ダリは着替えて外に探しに行く。マリアの居る場所は検討がついていた。
ダリは壁外の馬車へと足を運ぶ。
「マリア、居るか?」
「だから、マリーです。」
マリアは馬車の隅で毛布にくるまっていた。
「分かった分かった。じゃあマリー。」
拗ねた様子でマリアが答える。
「はい。」
「さっきはすまなかった。」
「別にいいですよ!」
マリアの機嫌はこの程度ではおさまらないようだ。
ダリは少し躊躇ったがとある事を言うことにした。
「こんな事言うの恥ずかしいんだけどな。マリアには僕が復讐のために動いていると言ったよな。僕は仲間に裏切られた。そして、農民という職業に変えられた。そのままでは僕は自暴自棄になって裏切られた悲しみから自殺していたかもしれない。」
マリアは顔を上げてダリの方へ向く。
「そんな所に君が現れた。あの時の僕は仲間への恨みよりも寂しさの方が大きかったんだと思う。大事な何かが外れてしまったんだ。そんな外れてしまったピースを埋めてくれたのは、君なんだ。マリー。」
マリーは大きな目を見開き目元に涙を浮かべる。
「僕にとって君は僕の目的と同じくらい大切な存在なんだ。君が僕を動かしてくれた。だから、さっきのは君を嫌っているからではなくて、君が大事だからこそなんだ。それに、これ以上、君を置いていくなんて事も言わないから。許してくれ。」
「目にゴミが、」
マリアは目元に服を持っていく。
終わるとマリアはダリの方へ素早く近ずいて行く。そして、潤んだ瞳を細める。
「許して欲しいのは私もです。さっきは勝手な行動をしてごめんなさい。それに、私も私を平凡な日常から出してくれたのも感謝してるんです。」
すると、マリアは急につま先を伸ばし、自分の唇をダリに重ねる。
「ん、んん?!」
「私、ダリさんが大好きです。」
スカートを翻し、マリアは走って外へと出ていってしまった。
(ズルいよ。そんなのされたら、僕だって、マリアのこと・・・)
外から小柄な少女が馬車へと笑みを浮かべて大声を出す。
「ダリさーん!早く来てくださーい!一緒に買い物行きますよ!デートですよ。デート!」
「や、やめろって!声が大きいよ!」
頬の染まった少年が駆けてその少女の方へと向かっていく。二人は新たな冒険へと踏み出していく。その手を繋いだ二人を見て包帯を巻いた傭兵達は笑みを浮かべるのだった。
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