四天王最弱の闇の貴公子に転生した俺は器用貧乏を返上し、無限の手札と敵専用チート級最強最悪スキルで高笑いと共に全てを蹂躙し屈服させ覇道を征く!

ミオニチ

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第2部 〈世界制覇〉編

44、ダンジョン国家、魔王国エンデ。その歴史の表舞台への登場と、頭を垂れる両国。

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「ふ。この度は、この俺が新たに設立した魔王国エンデへの恭順。英断を感謝する。トーリラ王、フレト王。もういいぞ。両名とも、顔を上げよ」

 青い空の下。

 急拵えで調印式の会場に設えられた簡易的な玉座に座る俺は、書面への固有識別魔力による調印を終える。

 それから、目の前の赤い絨毯の上に臣下の如く、いやたったいま実質的に俺の臣下となって並んで跪く両国の王に声をかけた。

 ここは、両国のどちらが使っていたかすら定かでない遥か昔に国境沿いに位置する大きな湖に面して建てられた打ち捨てられた砦。

 急遽それを両国の総力を持って改修し、大急ぎでその屋上階に整えられたのがこの舞台。

 これからの世界戦略のために正式に俺が国として位置づけ、初代魔王の名前の一部と終焉を意味する言葉から名づけた魔族と魔物を国民とし、そして休眠中のものも含め各地のダンジョンを国土として利用する新国家たる魔王国エンデ。

 その魔王国エンデにトーリラとフレトの両王国が属国として恭順を誓い頭を垂れる儀式セレモニーだ。

 並んで跪く二人の男。白いあごひげを貯えた温和そうな老齢のトーリラ王と無骨な壮年のフレト王が俺の許しに応え、揃って顔を上げる。

「こちらこそ、我らの恭順を受け入れ、また長年の我らの争いを、それも無血で止めてくださったこと、心より感謝いたしておりますよ。類稀なる傑出した力をお持ちの魔王殿」

「右に同じである。正直、ある意味では憑き物が落ちた気分だ。魔王殿の前では等しく造作もなく潰される蟻同士にすぎないと知ったいま、最早とてもではないが、両国間の争いを続ける気にはなれぬからな」

「「しかしまさか、それにしてもこのような日が来るとは……」」

 例えるならば、文官と武官。全くの正反対の印象を受ける二人の王は、だがしかしそっくりな疲れきったような表情で、長く長く息を吐き出した。

 ――まあ、その気持ちはよくわかる。

 いまから数日前。この両国の王は、ほとんど同時に受け取ったはずだ。

 それぞれ一万もの兵を任せたそれなりに信頼のおけるはずの、だがしかし見る影もなく這々の体で逃げ帰った指揮官たちから交戦結果を。

 いやはっきり言うならば、たった二人の魔族、現魔王の俺と前魔王のデスニアに交戦すら適わずに無血で敗北したという無様極まりない結果を。

 ――そして、俺の伝言。

 おそらくは両国指揮官ともに顔面蒼白のまま舌の根すら合わない恐怖に引き攣った様子で告げたはず。

 すなわち、恭順を示さない場合は、今度は両国の王都でスキルを放ち同様の事態を引き起こす、と。

 理不尽一歩手前と言えるほどの絶対的な力の差を見せつけられた上でそう脅されたのだ。頭を垂れる以外に両国に一体何ができる?

 ――だがまた、両国がただ屈服したわけではないことも俺は知っている。

 そう。先ほどフレト王が言ったとおり、造作もなく潰すこともできた両国約二万の兵をあのとき俺は無血で終わらせた。

 その事実が布石となり、俺をただ力だけが無為に強い暴虐無比の限りを尽くす暗愚な暴君ではなく、交渉の余地のある知恵と知略を持った一国の君主と見做す。

 その結果がこのいち早い両国の恭順なのだ。

 でなければ、たとえ敵わずとも最後まで両国共に抵抗を続けただろう。

 戦おうとも跪こうとも、どちらにせよその国土がもし俺という暴君によって焦土と化すならば。

 ――だが、だとしても人類の怨敵とさえレッテルを貼られた魔族に恭順を示すのは、並大抵の決意ではなかっただろう。

 おそらくは、両名とも自らが玉座を退く結果を招くことすら覚悟の上か。

 だが、せっかくの初めての属国。

 その治める君主がいきなり変わるのも俺にとっては面白くないし、何より面倒だ。

 だから俺は、いち早く恭順した両国に飴を、褒美をくれてやろうと思う。

「さて。トーリラ王、フレト王。一つ俺に提案がある。おまえたちの国に一つを作らないか? くく。何、悪いようにはしない」

 俺が心からの善意からそう告げると、跪く両国の王はそっくりな表情で驚愕に激しく目を瞬かせた。
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