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2.半年前のこと
しおりを挟む「学校はどう? ルリフィネ」
「はい。お勉強は少々苦手ですけれど、なんとか頑張っております」
「不得手なことに取りくんでいて偉いわね、ルリフィネ」
対面に座る妹に微笑みかける。
わたくしは良家の子女らが通う学校を去年卒業していて、最近は妹と同学年で一つ年下のロシャ殿下の伴侶となるために、勉強を重ねる日々だった。殿下の卒業後には結婚式を挙げることになっている。
お昼過ぎのお茶とおやつ、それから妹との会話をわたくしは楽しんだ。
「ん、いい香り……」
お茶を口に入れる。周りを見れば今日も家の庭は美しく整えられており、時折鳥の鳴き声が耳をくすぐる。
「あの、リロエラ姉様。こちらのお菓子も食べてみてください。私の侍女が作ったお菓子なのですが、とても美味しいのですよ!」
「まあ、お腹に入りきるかしら」
「小さいので大丈夫かと。ぜひ、お召し上がりくださいませ」
テーブルに寄ってきた侍女が、わたくしたちの前にそれぞれ焼き菓子の皿を置く。
「まあ、そうなの? じゃあ、いただこうかしら」
お菓子をフォークで一口大に切って口に運び、咀嚼する。
「ん、美味し――――ゴフッ、ゲホッゲホッ、カヒュッ」
いきなりの衝撃に咳きこむ。
あ……息が、できな………。
首を押さえ、椅子からずれ落ち地面に倒れこむ。苦しいっ。
「姉様っ!?」
わたくし、もう、死ぬの……?
意識は暗闇に落ちていった。
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