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18 乱入
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「思い出した? お兄ちゃん」
「ああ、なんとなく。これからどうなるんだ?」
「プリメリア様は大丈夫だと思うよ。お兄ちゃんがヤバイけど」
俺がヤバいのか。そうか、それならまだ安心だ。
「お前の漫画はどんな話だったんだ」
「えっと、BLなのよ! でも大丈夫! 初めての漫画だからヤバいシーンは描けなかったし! キスしたくらいかなぁ」
「アルフォンスと?」
ごめんねと謝るミリアに、俺はため息を吐いた。
「キスくらいなら、まぁ犬に舐められたと思えば」
「それですむとも思えないけどなー。兄ちゃん、気楽すぎ」
二人が眉間に皺を寄せて、俺に詰め寄る。
「だが、リアが断罪や追放になるより気が楽だ」
「お兄ちゃんてほんと貧乏くじを自分で引きに行くよね」
「それがいいところでもあるんだけどな。多分、他の攻略対象も皆サイラスのことが好きだと思うぞ」
「お兄ちゃん、無自覚にフラグ立てまくってるのか……」
「他の攻略対象って……」
「僕と青の騎士、黒の魔法使い。本命の赤の王太子だよね。そこは変わってない?」
「私の本じゃ、赤の王太子一択だけどね」
胸を張ってミリアがどや顔をしている。
「道理で僕はともかく、皆が見守ってるわけか」
「乙女ゲームだから一年で終わりだ。それまでの我慢だ。ていうか、なんで年齢は一つ違いなんだ? 二つ違いだったらアルの卒業式で、断罪なのに。三年の卒業のパーティに関係ない二年や一年が出るのは不自然だと思うんだが」
今更だが、『花咲き誇るフラワーガーデン物語』にケチをつけてみた。
「そんなの、自分たちの卒業式じゃ駄目よ。悪役令嬢であるプリメリアがいなくなった後、両想いになった二人がイチャイチャするための期間なのよ。そして、王太子が卒業した後、立ち塞がる困難を二人で超えていく。その課程で愛を育てて、ヒロインの卒業と同時に結婚よ!」
「……イチャイチャ……結婚……」
アルフォンスとイチャイチャしている自分を想像して、俺は思わず顔を覆った。
「まんざらでもない、という感じでは? お兄ちゃん」
「何を言って――」
「だって、図書館でも凄く親密だったわよ。私は女神様のご厚意で、姿を隠したり違う姿に見える魔法を使えるのよ。だからまさかのアルフォンス×サイラスのA班で、そっと見ようと思って魔法を使っていたのに、イチャイチャに興奮して思わず魔法が解けちゃったのよね」
朗らかに笑うけれど、妹のスキルがストーカーのようで少し嫌だ。
「それで見つからなかったわけか」
どうしようかと悩む。もはや俺の知る『花咲き誇るフラワーガーデン物語』ではない。今までしてきたことを思い出して、俺はため息をついた。
俺がやってきたことってなんだったんだろう。
「ごめんね、お兄ちゃん」
しょんぼりしたミリアの頭を撫でて、首を振る。
「なるようになるさ」
明日からアルフォンスにどう接すればいいか迷う。
「お嬢様、王太子殿下がいらっしゃいました! どうすれば――、え……」
トントンとドアが鳴ったのと同時にアルフォンスを連れたメイドが入ってきた。
「アル……殿下!」
どうすればいいかと振り向くと、二人がいない。
「っ!」
魔法で姿をくらましたことは明白だが、せめて俺にもかけて欲しかった。部屋の主もいなくてどうすればいいんだ……。
「サイラス、お前につけている護衛は店の前にいるのに、どうしてお前はここにいるんだ?」
目が怖い。アルフォンスの目の色が濃い。どうしてそんな設定なんだよと制作チームに文句をいれつつ、俺は言い訳を探した。
「ああ、なんとなく。これからどうなるんだ?」
「プリメリア様は大丈夫だと思うよ。お兄ちゃんがヤバイけど」
俺がヤバいのか。そうか、それならまだ安心だ。
「お前の漫画はどんな話だったんだ」
「えっと、BLなのよ! でも大丈夫! 初めての漫画だからヤバいシーンは描けなかったし! キスしたくらいかなぁ」
「アルフォンスと?」
ごめんねと謝るミリアに、俺はため息を吐いた。
「キスくらいなら、まぁ犬に舐められたと思えば」
「それですむとも思えないけどなー。兄ちゃん、気楽すぎ」
二人が眉間に皺を寄せて、俺に詰め寄る。
「だが、リアが断罪や追放になるより気が楽だ」
「お兄ちゃんてほんと貧乏くじを自分で引きに行くよね」
「それがいいところでもあるんだけどな。多分、他の攻略対象も皆サイラスのことが好きだと思うぞ」
「お兄ちゃん、無自覚にフラグ立てまくってるのか……」
「他の攻略対象って……」
「僕と青の騎士、黒の魔法使い。本命の赤の王太子だよね。そこは変わってない?」
「私の本じゃ、赤の王太子一択だけどね」
胸を張ってミリアがどや顔をしている。
「道理で僕はともかく、皆が見守ってるわけか」
「乙女ゲームだから一年で終わりだ。それまでの我慢だ。ていうか、なんで年齢は一つ違いなんだ? 二つ違いだったらアルの卒業式で、断罪なのに。三年の卒業のパーティに関係ない二年や一年が出るのは不自然だと思うんだが」
今更だが、『花咲き誇るフラワーガーデン物語』にケチをつけてみた。
「そんなの、自分たちの卒業式じゃ駄目よ。悪役令嬢であるプリメリアがいなくなった後、両想いになった二人がイチャイチャするための期間なのよ。そして、王太子が卒業した後、立ち塞がる困難を二人で超えていく。その課程で愛を育てて、ヒロインの卒業と同時に結婚よ!」
「……イチャイチャ……結婚……」
アルフォンスとイチャイチャしている自分を想像して、俺は思わず顔を覆った。
「まんざらでもない、という感じでは? お兄ちゃん」
「何を言って――」
「だって、図書館でも凄く親密だったわよ。私は女神様のご厚意で、姿を隠したり違う姿に見える魔法を使えるのよ。だからまさかのアルフォンス×サイラスのA班で、そっと見ようと思って魔法を使っていたのに、イチャイチャに興奮して思わず魔法が解けちゃったのよね」
朗らかに笑うけれど、妹のスキルがストーカーのようで少し嫌だ。
「それで見つからなかったわけか」
どうしようかと悩む。もはや俺の知る『花咲き誇るフラワーガーデン物語』ではない。今までしてきたことを思い出して、俺はため息をついた。
俺がやってきたことってなんだったんだろう。
「ごめんね、お兄ちゃん」
しょんぼりしたミリアの頭を撫でて、首を振る。
「なるようになるさ」
明日からアルフォンスにどう接すればいいか迷う。
「お嬢様、王太子殿下がいらっしゃいました! どうすれば――、え……」
トントンとドアが鳴ったのと同時にアルフォンスを連れたメイドが入ってきた。
「アル……殿下!」
どうすればいいかと振り向くと、二人がいない。
「っ!」
魔法で姿をくらましたことは明白だが、せめて俺にもかけて欲しかった。部屋の主もいなくてどうすればいいんだ……。
「サイラス、お前につけている護衛は店の前にいるのに、どうしてお前はここにいるんだ?」
目が怖い。アルフォンスの目の色が濃い。どうしてそんな設定なんだよと制作チームに文句をいれつつ、俺は言い訳を探した。
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