AMEFURASHI 召喚された異世界で俺様祭司に溺愛されています

東院さち

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一緒に見る世界

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「碧?」
「陽王、お帰り」
「涙が――、何か……」

 陽王は、ソッと碧の涙を吸い取った。

「涙なんて出てないよ、ちょっと面倒くさい人の夢を見ただけだから」
「そうか。起きられるか? 眠るか?」

 夜も更けている。

「陽王、疲れてるだろう?」

 碧はご飯を食べて寝てたから平気だけど、陽王はそうじゃない。

「我を心配しているのか。もう、部屋だから私でいいな」

 起き上がると果物が用意されていた。

「カリナが用意してくれたのかな」
「いや、これは美海の侍女……」
「サナかな?」
「ああ、碧に詫びたいと言っていた」

 陽王にそう言ったのなら、きっとサナは陽王に謝りたかったんじゃないかなと思った。碧は謝ってもらうようなことをされたことはない。

「陽王、一緒に食べよう」

 いくつもある果物を二人で食べた。陽王は酸味のある果物が好きみたいだ。

「どうする?」
「……どうするって、どういう意味?」
「食事のデザートは碧がいい」

 ブホッと碧は噴き出した。

「子供のようだな」

 手を拭く布で顔を拭われた。

「いや、だって。あんた明日も忙しいだろ? 眠いだろ」
「そなた以上に大事なことはない。いや、抱きたい。今まで、雨を降らしすぎると文句を言われるから加減していたのだから」

 加減していてアレなのかと思って、碧は驚いた。

「あんた、本当に俺が初めてなのかよ。嘘だろ」
「勉強はさせられるがな。初めてで、巫女(アメフラシ)を快楽で涙を流させるなんて高等なことできるわけがないだろう」

 なるほどと納得した。確かに無茶振りだ。

「じゃあ、あんたの子供とかいるのか? 先に言っといてくれ。急にぞろぞろと息子や娘がでてきたら、俺はとっさに呪文を唱えて自分の世界に帰りたくなるかもしれない」
「碧! もし私に愛想を尽かして帰りたいと思ったら、呪文を唱える前に話してくれ。私はあまり話すことが得意ではないから、そなたに誤解させることもあると思う。だが、私はそなたを愛している。わかり合えると思っている」

 陽王は愛してると照れずに言うことができて、すごいなと違うところに感心してしまった。

「陽王……、うん。わかった」
「子供などいない。身体に挿入したのはそなたが初めてで、がっついて貪った覚えがある」

 手とか、口とかでやってもらってたのかなと思った。陽王は二十代半ばだ。性欲は旺盛な年代だ。

「貪った……って」
「そなたの目を見ていると情動が抑えられなくなるのだ」

 碧もそのつもりがあると、陽王に手を伸ばした。簡単に抱き上げられて、寝台に下ろされた。

「俺だって、そうだ。あんたは二人きりの時は感情をあまり隠さないから、ドキドキする」
「本当だ」

 陽王は碧の胸に耳を当て、心音を聞く。

「くすぐったい」
「碧はどこも敏感だからな」
「仕方ないよ、あんたが触ると、期待する、から……」
「期待されていたのか」

 頬を撫でられて、碧は目を瞑った。キスは一年間で沢山した。弾力のある、碧よりも長くて厚みのある舌を受け入れ、腰の辺りにしびれるようなゾクゾクに身を委ねた。

「小さな口だ」

 舌が絡むと唾液が溢れて、飲み込めなかったそれが唇の端から零れる。

「んぅ――、んんっ」

 陽王はキスをしながら、ゆっくりと身体を愛撫していった。

「そなたの胸は慎ましやかで可愛い」
「女じゃないからしかたないだろ」

 胸が豊満のほうがヤバい。碧の乳が腫れていたら病気だろうとムッと頬を膨らませた。

「そうか?」
「……あんたは胸あるもんな」

 硬いけれどボリュームはある。胸が筋肉でできているのは、陽王の胸で知った。

「そなたのように華奢な男はこの国にはいない」
「どうせ貧相だよ」

 唇が胸の合間をなぞっていく。

「貧相とは違う、美しいと言ってるんだ」

 美しい……、それが碧へ向けられた言葉には思えない。思わず顔を背けると笑う気配がして、胸の頂を咥えられた。

「あ……っ、陽王! や、吸うな――。ああっ! 陽王、やだ」

 舌で転がした後、陽王は乳輪ごと吸い込んだ。
 それだけで碧の陰茎は元気よく跳ね上がった。

「そこも吸って欲しいのか」
「ちがっ!」

 慌てて、碧は陰茎を手で隠した。

「ムキになられるとやりたくなるんだが――」
「もうっ、あんたは」

 チュッチュッと胸を嬲りながら、陽王は碧の手に自分の手を重ねて動かした。

「自分でわかるだろう? ん、どこが気持ちいい?」
「ん……、ここ……かな」
「そこも良さそうだが、そなたはここが好きだ」

 撫でるように陽王が指の腹で入り口を擦ると、碧の腰がビクビクと震えた。

「んんっ! ああっ! 両方したら……出る」

 胸と陰茎両方を同時に弄られるとすぐに達きそうになって碧は訴えた。

「今日は好きなだけ達かせてやるぞ」
「呪いを解いた記念日だから?」
「何を言ってる。両想いになった記念日だ」

 あ、駄目だ、と碧は降参した。ただでさえイケメンなのに、色気をダダ漏れにして口説いてくる陽王に勝てるわけがなかった。

「あ……、そうだな」
「真っ赤になって、恥ずかしいのか?」
「慣れてないもので……」
「もう隠す必要などないからな。私の番となったのだから」

 つがいと聞こえるけれど文字として頭に浮かんだのは伴侶だった。

「あ……駄目だ。やっぱり達く」

 話してたら緩めてくれるかなと思ったけれど、陽王は手を緩めてくれない。

「何故我慢してるのかわからないが……」
「クッ……ん……ああっ!」

 カリッと胸を囓られて、呆気なく達ってしまった。碧は力の抜けた身体をベッドに横たえられた。

「巫女(アメフラシ)はさ、快楽で雨を降らすってすぐ悦くされるじゃないか。もっとほら、なんていうか普通にしたい」
「難しいな。私は普通にしてるつもりなんだが」

 陽王は宥めるように碧の額にキスをした。

「俺もしたい。してもらうばっかりじゃなくて」
「挿れたいのか? まぁそなたなら私もやぶさかではないが――」

 何だか違う方向に悩まれている。

「違うっ! あんたを組み敷くってどうやっても無理じゃないか……?」

 碧の日本人サイズじゃ奥まで届かないような気もする。好奇心で他の人にいかれても困るのだ。

「違うのか。なら?」
「俺もあんたを悦くしてやりたいってことだよ」

 起き上がって、陽王の服を脱がせたいと言うと笑いながら協力してくれた。ここの服は布が多い。ボタンはあるけれど、紐を使う方が一般的だ。

「これでいいのか?」
「あんたは服を脱がされるだけで悦いのかよ」

 侮られている、と碧は思った。

「一生懸命服を脱がしてくれるそなたを見てると、満足だが」
「……馬鹿にしてるな」

 碧は十分にそそり立つソレに手を伸ばしてゴクリと唾を飲み込んだ。

「どうするつもりだ?」

 期待されていると思う。

「慣れてないから、気持ちいいかわからないけど」

 そう前置きしてから、碧は口を開いて陽王の陰茎を含んだ。

「ッ!」

 陽王が息を飲む。

「ん、ふ……っ」

 鼻で息をしないと口の中は一杯だ。美味しくないな、と碧は思った。でも、陽王が少しづつ息を上げていくのを見ていると、自分の中の雄が陽王のことを可愛いと思い始める。これなら、頑張ればいつか抱けるかもと僅かに思った。

「碧、苦しくないか?」

 デカいから苦しい。長くて、喉の奥を突きそうだ。

「んん、ふぇいき……」

 平気だと答えると、陽王は耐えるように顔を背けた。
 口だけだと満足してもらえないと思って、手を使ってサワサワと握ったりしてみると段々と口の中の汁が増えていく。

「碧っ――駄目だ」

 え、と思った。もう達くの? 早くない?

「ん?」

「離せ――」
 引っこ抜かれた瞬間に陽王は白濁を飛ばした。慌てて目を瞑って正解だった。顔に飛んだものを慌てて陽王が拭ってくれた。

「……元気だね」

 拭ってくれている間にまた大きくなっていく陽王に碧は呆れような声で言った。

「そなたの顔が……可愛すぎて、我慢できなかった……」

 陽王、あなたは本当に陽王ですかと聞かなかった自分を碧は褒めたい。

「俺、可愛い?」
「そなたはいつも可愛いが、凶悪なほど愛らしかった。優しく、ゆっくり抱くつもりだったが、無理そうだ」
「……うん。挿れていいよ」

 自分も陽王が欲しい。後ろが陽王を欲している。四つ這いになり、尻を陽王に向けた。

「素直だな」

 こんな風に誘ったことなど一度もない。碧はずっと巫女(アメフラシ)だから大事にされていると思っていた。義務感で抱いているとは思っていなかったけれど、ただ身体の要求に素直な男なのだと信じていた。
 でも、違う。愛してるから抱きたいのだとわかる。

「だって、番なんだろう? 番のお願いは巫女(アメフラシ)のお願いより重要じゃないか?」
「碧なら、どっちでも変わらない。巫女(アメフラシ)でも、番でも。碧は碧だ」

 指先で蕾の硬さを確かめた陽王は、指先を潜り込ませた。

「あっ……、陽王っ、指じゃなくて――」
「大丈夫そうだな。待っていたのか?」

 欲しくて、眠る前に風呂で準備をしたのだ。嬉しそうに問われて、恥ずかしくて首を振った。

「忙しいから無理かなって思ったけど――」
「そなたも望んでくれて嬉しい」

 もう恥ずかしくて死ねる、と碧は思った。

「ん……んんっ……ぅ――」

 尻を掴まれて、ゆっくりと陽王が挿ってきた。ゴリゴリに大きくなったソレを飲み込むのは、準備していても容易ではなかった。

「碧、平気か?」

 一番大きなカリの部分を飲み込むと、陽王が尋ねた。

「……ん、大丈夫――、あっ」

 陽王の手が碧の陰茎を宥めるようにさする。気持ちよさと苦しさで、碧は首を何度も振った。

「碧、碧っ」

 グッグッと内臓を押されている感覚がある。しばらく違和感があるのは排泄器官だからしかたないのかもしれない。

「陽王っ」

 ちょうどいいところにおさまると、陽王は碧に覆い被さった。汗ばんで冷やされる身体を温めるように、陽王の身体は熱い。
 首筋に陽王の吐息がかかる。

「碧」

 碧を達かせようと陽王は手だけを動かした。自分も動きたいだろうに、ジッとそのままだ。

「ん……あ……っ、達く――」

 挿れられて達く時は、前だけで達くときと違って痙攣のように身体が震える。

「達け」

 押さえつけられるように首筋を噛まれて、碧はビクビクとまるで獲物が息絶えるように達った。

「んんっ……」

 噛まれたところを舐められて、くすぐったい。陽王は動かなくていいのだろうかと思っていたら、どうしてか碧は中の震えが止まらないことに気付いた。

「あ……、あれ?」
「どうした?」
「なんか、変だ。身体の中が――」
「蠢いているな。大丈夫だ。いつものことだから」

 陽王はそう言った。

「え、でも……。あ……んっ、だって――、あんたが動いてないのに。気持ちいいのが止まらない――」

 怖かった。いつものことだと言われても覚えがない。

「そなたは意識を失った後、いつもこんな風になる」

 意識を失った後のことなんて知るはずがなかった。

「今、失ってないけど――、んんぅ――」

 身体が一人で気持ち良くなることに違和感しかない。

「怖がらなくていい、大丈夫だ」
「ひぅ――」

 陽王は、一度陰茎を引き抜いた。その瞬間、ガクガクと身体が震えた。達ったのに終わらないのだ。

「感度が良すぎるだけだ」
「あ――、あ……あぅっ」

 後背位から、正面に場所を変えた陽王は碧の脚を抱え上げた。キュウと引き絞るように収縮した内部へ、陽王は一気に腰を進めた。

「ん……」

 陽王が顔を歪めて声を上げた。

「いやっ、ああっ! 陽王、ひおぅ――」

 陽王が緩やかに動き出すと、汗が噴き出した。尖った神経を擦られるように、痛みに似た強い快感に目の裏がバチバチと火花を散らした。

「碧――」
「あああっ!」

 恐ろしいくらいの快感に、碧は陽王の腕を握りしめた。
 宥めるようにキスされても、全く治まらない。

「碧、碧、締めすぎ、だ――」
「んっ、ん。そんなこと言われてもっ、うぅ――」

 陽王がグラインドする度に、グチュとか卑猥な音がして、興奮が収まるわけがない。

「まぁ気持ちがいいがな」
「あ、ああっ!」

 陽王が配慮していたというのは本当だったのだと、碧は思い知った。

「こっちも愛撫したらどうなる?」

 陽王は、こんなに感じすぎて駄目だと頭を振ってももっともっとと碧を求めてくる。

「いやっ、これ以上……、クッ……ん、うぁ――」
「碧、何を言っているのかわからないぞ」

 陽王は碧の陰茎をギュッと握ったまま、奥をトントンと突いてくる。

「こわぃ……、いやっ、奥、ひおぅ。ああぅああぁ!」
「碧、碧、愛してる」

 求められているのがわかる。身体も心も全てで陽王は碧を奪おうとしている。

「ヒッ! あああぁぁぁ――」

 喉から魂が飛び出るかと碧は思った。奥の先をこじ開けられて、陽王の精液が浸入していく。ガクガクと震える身体を抱きしめられて、碧は必死に縋り付いた。

「ひお……、愛してる」

 震える指先から少しずつ力が抜けていった。

「碧?」

 心配そうに顔を覗き込んでいる気配がするから、碧は少しだけ目を開けた。

「ひお……」

 喉が痛い。叫びすぎたと碧は思った。

「限界か?」

 陽王はまだ元気そうだけど、もう一ミリだって動けない。漏らした吐息だけで陽王もわかってくれたようだ。中から出ていってくれた。

「碧は、いつも私が欲しい言葉をくれる。……眠ったのか」

 陽王の意識は興奮で収まりそうもなかった。当然だ、この国を碧が救ったのだ。碧は暗くよどんだ陽王の世界を明るく染め変えてくれた。
 陽王は眠れないと碧の頬を撫ぜた。これが最後じゃない。これは始まりにすぎないのだとわかっていたから、眠る碧を我慢した。

「そなたはすぐに周りのものたちを虜にする」

 美海や夜都に笑いかける碧を見て、陽王は何度『見るな、微笑むな』と叫びたくなったことだろう。碧は、祭司と巫女(アメフラシ)としての絆がなければ碧の視界にすら入れてもらえないだろうと思っていた陽王を受け入れ愛していると言った。

「そなたは私の過去を知って、共感してくれていただけだとわかっている。それでもいい。そなたを得られるなら、私の過去などまっ暗でかまわない」

 まだ幼く素直で正直な碧を守りたい。陽王(じぶん)の結界に閉じ込めてしまいたいと思う。
 だが、それでは碧の輝くような笑顔を失ってしまうことがわかっていた。否定されてきた人生は同じでも、碧は誰よりも人を愛して愛されたいと望んでいる。
 碧と一緒に見る世界は、きっと美しくて優しいのだろう。
 その光景を夢見て、朝を迎えるために目を閉じた。

「おはよう、陽王」

 その言葉を聞くために。


 巫女(アメフラシ)はその世界に変革をもたらした。八家はゆっくりと血を薄め、その代わりに人を増やした。増えた人で補い、世界は変わっていった。
 メリルラシュ国に二度と巫女(アメフラシ)が召喚されることはなかったという。 
                     〈Fin〉
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