ふたりの愛らぶyou

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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泣かせてしまうんだ。

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俺は、あの日星(ひかる)を泣かせた。

いつも泣かせてしまう。

「俺は、いつも星(ひかる)を泣かせてばかりだよ。」

美咲さんのパーティーで再会した晴海君と華君に話していた。

「月(るい)君だって、泣いてばかりだよね」

「そうだけど、すぐ傷つけるんだよ。泣かせてしまう。」

「仕方ないよね。化け物を飼ってる以上、向こうと会えば泣いてしまうんだよね。」

華君が、優しく俺に笑いかけた。

「俺、星と養子縁組しようと思ってるんだ。結婚って形とは違うけど、形になるだけで心配したり不安になる気持ちが減る気がして」

「いいんじゃないの。」

「兄貴も、話してたな。そんな事」

そう言って、二人は俺を見つめた。

「どんな形でも、安心材料がある事は二人にとって凄くいいことだと思うよ。」

華君は、ワインを飲みながら笑ってくれた。

「口約束だけじゃ、無理なんだよな。信じるって」

晴海君が、そう言いながら美咲さんを見つめてる。

「そうなんだよ。口約束だけじゃもう無理なんだよ。俺は、流星を殺そうとしたから」

「やっぱりね」

華君が、俺を見つめて言った。

「ここだけ、上手く食べれなかったみたいだよ。」

おでこの辺りをポンポンって、叩かれた。

「まだ、日が経ってないから月君はかなり化け物に食べられてる。それでも、ゆっくり吐き出してるけどね。」

そう言って、笑ってくれた。

「結婚式には、呼ぶのか?お兄さん」

「いや、傷つけたくないんだ。きっと、俺が星(ひかる)と一緒になるってハッキリ見ちゃったら。流星は、傷つきそうだから」

「確かにね。向こうにとっての安心材料をなくすわけにはいかないよね。」

「まあ、そうだよな」

華君と晴海君は、そう言って笑ってくれる。

「合同で、結婚式が出来る式場を見つけたんだよ」

「この街にあるの?」

「いや、ない。あるのは、隣の市だった。」

「空市(そらし)って事?」

「うん」

「へぇー。落ち着いたらみんなで見に行こうよ。」

「うん、行こう。俺、星のところに行くね」

そう言って、俺は二人から離れた。

「ビュフェスタイルにしたのは、当たりだよな。詩音が、従業員とゆっくり話せるから」

「そうだよね」

「どうした?ボッーとして」

「うん、月(るい)が見せてる顔はいくつ目かなって思って。ごめん。知らない顔があってもいいって思ったのに」

「いくつあるのかな?俺だって知らないよ。でも、星(ひかる)といる時は人生で一番穏やかな顔をしてるんじゃないか。はい、これ」

「ありがとう」

俺と星は、椅子に座った。

「いただきます。」

「やっぱり、このパンうまいな」

「うん、美味しい」

俺は、星が笑ってくれるだけでいいんだよ。

隣にいるだけで、いいんだよ。


「長生きする為に、運動しようかな」

「一緒に歩くか、タクシー率高いから。電車にかえようか」

「そうだね。それだけでも違うよね。」

「そうだよな」

俺と星の傍に、栞がやってきた。

「ねー。星さん」

「はい」

「私の家で働いてくれない?」

「片付けですか?」

「うん、そんな感じ。戻ってくるまで、お金払うから」

「是非、やりたいです。」

「じゃあ、お願いね」

そう言って、栞が笑った。

「行くのか?」

「うん、明日から」

「どこに行くの?」

「さぁー。いろいろ旅行でもするよ」

「あのさ、栞。俺、星と養子縁組しようと思ってるんだ。結婚式終わったら」

「それ、いいね。私も麻美としようかな」

「やっぱり、そう思うか」

「口約束だけじゃね。それなら、親も納得させれるかもな。でも、姉妹になるのか。嫌、ちゃんと法でも認められるって事だよな」

栞は、考えてる。

「僕も、そうする。麻美に話してみるよ。じゃあ」

そう言って、栞は麻ちゃんの元に走って行った。

「台風か竜巻みたいなやつだよな。しお。また、泣かせちゃったか俺」

「違うの、嬉しいんだよ。月と本当にそうなれるんだって思って嬉しいんだよ。もう、口約束だけじゃ不安だったから」

「そうだよな。待たせてごめんな。」

俺は、星の手を握りしめた。

星は、俺に笑いかける。

泣いてる顔が好きだったけど、俺は今笑ってる顔の方が好きだよ。


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