ふたりの愛らぶyou

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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バラバラなんだよね。

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「うーん」

真夜中、月(るい)が目覚めた。

「誰?」

「忘れちゃったの?」

怯えた目をしてる。

震えてる。

「大丈夫?」

意識を失ったのかな?

僕は、少し疲れてた。

「駄目だよ」

その声に目を覚ました。

「華君、晴海君、何してるの?」

「月君が…」

「それ、危ないからやめて」

握りしめたメスを離させた。

お兄さんから、預かっていた薬を飲ませた。

「危ない。」

「ベッドに寝かせよう」

「うん」

三人で、ベッドに寝かせた。

「月(るい)、どうなってるの?僕を覚えてなかった。」

「月(るい)君が、バラバラになったのを感じるんだ。」

華君は、月を見つめてる。

「元にもどるかな?」

「大丈夫だと思う。でも、1日ってわけにはいかないよ。お婆さんとお爺さん、大丈夫かな?さっき話してたでしょ」

「そうだよね。月(るい)のスマホから明日お兄さんにかけてみるよ。」

「痛みのせいだと思うんだよね。バラバラになったの…。体と心の痛みだと思うんだよ。」

華君は、考えてる。

「ちょっと、晴海と相談するから星君は待っていて」

「うん」

僕は、月を見つめていた。

月がくれた時計。

お婆さんとお爺さんの元にも連れて行ってあげたい。

「月、愛してるよ」

涙が、ポタポタって月の顔に落ちた。

「くわよーくわよー。」

小さな子供みたいに泣いてる。

起きてるの?

目は、開いて僕を見てる。

「たい?ミーミーだー。」

何故か、僕の涙を拭ってくれる。

「たいろうふ?」

大丈夫って、言われてるのかな?

「うん」

僕は、笑って見せる。

「星(ひかる)、俺を見つけて」

えっ?

月は、眠ってしまった。


見つけるって、どうやって?

「星君、大丈夫だった?」

華君と晴海君が、もどってきた。

さっきの話をした。

「やっぱり、頭の中にちゃんといるんだよ。ただ、バラバラなんだよね。その中心が誰なのかわからない。」

「中心って?」

「全部の月(るい)君の心を1つにしていた人格だよね。何歳の月君かわからないんだよね。」

華君は、考えている。

「また、出てきてくれないかな?」

「待つしかないよね。たぶん、こっちに出てきてくれるはずだから」

「それしかないんだよね。」

お婆さんとお爺さんに会いに行けますように…。

「とにかく、交代で眠ろう。俺達が起きてるから星(ひかる)君は眠っておいで。リビングにソファーがあったから」

「わかった。」

僕は、華君と晴海君に月(るい)を任せてリビングに行った。

月のスマホを持っていく。

ソファーに横になる。

もう、3時か…。

ブー、ブー。

「はい」

『月(るい)は、大丈夫?』

「いえ、僕を誰だかわかってませんでした。」

『やっぱり、痛みでそうなったのかな…。小さい頃に、母親(あのひと)と宇宙(そら)兄さんから同じ事をされていたから…。』

「戻らないと、話しができないです。」

『そうだね。俺が動く事は、出来ないから…。朝にでも、宇宙(そら)兄さんにお願いして行ってもらうよ』

「わかりました。あの、お婆さんとお爺さんは?」

『今のところ、かわりない。』

「何かあったら、またこちらにかけてもらえますか?」

『わかった。すぐに、連絡するよ』

「連絡していただき、ありがとうございました。」

『全然。月(るい)をよろしく頼みます。』

「はい」

プー、プー。

流星さんからの電話が切れた。

月(るい)の記憶。

一番の中心は、誰?

小さな月(るい)では、なかった。

その後に、出てきたのはきっと今の月(るい)だ。

10歳の頃の月かな?

高校生?

それとも、二十歳の頃?

二十三歳の頃?

わからない。

いくつあるのかな…。

バラバラになった月の人格。

僕に、ただいまってまた言ってくれる?

愛してくれる?

誰って言わないでよ。

あんな目をしないでよ。

僕は、月(るい)がいないと生きていけないよ。

怖いよ。

いなくならないで…。

僕の傍から…。

眠たくなってきた、少し眠ろう。


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