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凛の話2

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龍ちゃんは、私の背中に手を入れてくる。

「駄目だよ!朝から」

「朝が、いいらしいって聞いた?」

「うん、知ってる」

「空腹で朝!最高じゃない?」

「でも…」

「わかってるしないから、でも少しだけ」

そう言われて、龍ちゃんは私の背中を撫でながらキスをしてくる。龍ちゃんとのキスは好きだから、下半身はそれ相応の反応を示す。でも、いざそうなればやめて欲しくなるのだ。いれるまでの行為は好きだけれど…。

「朝御飯するね」

唇が離れてそう言うと、洗面台に押し付けられる。

「龍ちゃん」

「最後までしないから」

そう言って、下半身に手を滑らされる。

「待って、待って」

「そう言いながら、凛。ヤバイよ」

耳元で囁かれて恥ずかしくなる。敏感な場所を刺激され。このまま放置で私は、癒しさんに会いに行くのか!!

「龍ちゃん、ご飯」

「待って」

龍ちゃんは、やめてくれなくて…。

「んんっ、もう駄目だよ」

「凛、可愛い」

指を入れられてしまった。
暫く刺激を繰り返される。
一番いいところで、止められた。

「凛、帰ってくるまで我慢してね!おしまい」

そう言って、キスをされる。

「いじわる」

「約束守ってよ」

「わかった」

私は、龍ちゃんから離れてご飯を作りにキッチンに行く。このまま、放置された状態で癒しさんに会いに行かねばならないとは…。明日なら、拓夢だったのに…。気持ちを切り替えよう

目玉焼きを焼きながら、ウィンナーも並べて焼いた。豆腐とワカメの味噌汁を作った。レタスをちぎりながらお皿に盛り付けていく。

「凛、可愛いね」

龍ちゃんは、珈琲をいれる為に近づいてきた。

「お弁当は?」

「今日は、いらない」

「わかった」

火を止めたら、引き寄せられる。

「どうしたの?」

「今日1日、俺とするのだけ考えてて」

「えっ?」

「どうせ、家にいるだろ?買い物行く以外は…」

「そうだけど」

「帰ってきたらしよう!凛」

「わかった」

何故かわからないけれど、治療が終わったら求めてくるのはどうしてなのだろうか?解放感?子供がいないと繋ぎ止めるものがないから?

私は、トレーに朝御飯を乗っけてダイニングテーブルに持ってきた。

『いただきます』

向かい合わせで、ご飯を食べる。不満なんかない。13年間、専業主婦をやらせてもらってるし!お小遣いだってある!私専用のクレジットカードもある!だけど…。頭の中にこびりついた呪いの言葉である妊活と赤ちゃん…それが消せないせいで、私は不倫をしてる。最低なのは、わかっている。だけど、それ以外絶望を変えるすべが見つからなかった。
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