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凛の話3

凛君と龍ちゃん…

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「それ、美味しいやつ?」

「店員さんに聞いたから、多分そう」

龍ちゃんは、苺のパックを私から取って見つめてる。

「野菜買って帰ろうかな?」

「そうしたら」

「龍ちゃん」

「何?」

「何でもない」

「何だよ」

龍ちゃんは、ニコニコ笑ってる。私は、凛君を見つめていた。こちらをチラチラ気にしながら、野菜を整えている。きっと、凛君の心の中は複雑でどしゃ降りに違いなかった。

「すみません!見つかりました」

店員さんが現れた。

「じゃあ、もっかいラーメン見てくる」

「わかった」

「こちらです」

店員さんに連れられて、龍ちゃんはいなくなった。私は、手に戻ってきた苺を入れる為のカゴを探す。

「これ、どうぞ」

凛君にカゴを渡された。

「ありがとう」

「誰でもいいなら、僕でもいいよね」

「何の話?」

「セフレの話だよ!凛と旦那さんは、セックスレスってやつなんでしょ?」

その言葉に私は内心呆れていた。セックスレスって、凛君はいったいどこで覚えたのだろうか…。

「今日もセックスしてきたから」

私は、凛君を無視してキャベツを取る。

「レスじゃないの?」

「あのね、だから君には、わからないって言ってるの」

「じゃあ、あの人ならわかるの?」

「彼はちゃんとわかってるよ!私の気持ち」

半分になったキャベツをカゴに入れたら、取り出されて別のを入れられる。

「だったら、僕ともしてよ」

「そう言う話はもうしないんじゃなかったの?」

私は、きゅうりの袋をカゴに入れた。そしたら、凛君はまた取り出して別のを入れる。

「未成年なのが嫌なら、18歳になるまで待ってよ!それまでに、凛さんを虜に出来るぐらいのセックス覚えてくるから」

その真っ直ぐな目に、凛君はやっぱり子供なんだと思った。

「テクニックだけじゃないと思うし、人数でもない。私、そう言うのは違うと思うんだよ。愛して欲しいなら、別の誰かを当たるべきだよ」

私は、人参をカゴにいれた。凛君は、また取り出して別のをいれてくる。

「さっきから何?」

「こっちの方が美味しいから」

何故かイライラしてくる。癒しだったはずの凛君は、癒されない存在にかわった。

「あのさー。そんなに童貞捨てたいの?」

「違う、そんなんで凛さんに声をかけたんじゃない」

「じゃあ、何?」

「好きだからだよ!凛さんが、好きなんだよ」

その言葉に、私はどうしようもないぐらい汚れた人間に思えた。それに、さっきから小さな声で会話してる私達は、不自然だと思う。

「そっか」

「凛」

私は、その声に凛君から離れた。龍ちゃんがやってきて、カゴの中にラーメンを3つ入れてからカゴを持ってくれる。

「3つでよかったの?」

「あんまり食べすぎたら、太るだろ?」

龍ちゃんは、そう言いながらニコニコ笑ってくる。きっと凛君のような子にはわからない。私が龍ちゃんを好きな気持ちも、拓夢との関係も…。
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