なろう110000PV☆不純異性行為～月と星が交わる場所へ～あの時の二人を救ってくれたのは紛れもなくこの愛でした～【皆月凛、星村拓夢編】

エピローグ【凛の話3】

何となくわかるよ

「言ってる意味わからないよね」

理沙ちゃんは、首を左右に振る。

「何となくわかるよ。たくむんは、凛ちゃんの絶望を拭うための何かを貸してくれたんでしょ？それは、心だったり、優しさだったり、一緒に泣いてくれたり…。だから、凛ちゃんにはたくむんが必要だったって事でしょ？」

私は、理沙ちゃんの言葉に大きく頷いていた。拓夢が、貸してくれたもののお陰で私は今こうして笑ってる。

「何かわかるよ！理沙も優太のお陰で生きれてるから！そっかー。何か凛ちゃんと話してよかった！」

「本当に？」

「うん。理沙、もう少し優太を信じてみる」

理沙ちゃんは、そう言っていつものようにニコニコ笑っていた。

「信じられたなら、よかった」

「違うよ！理沙にとって、優太が必要だってそんな簡単な事忘れてただけ…。でも、凛ちゃんの言葉で思い出した！」

理沙ちゃんは、そう言って珈琲を飲む。

「人間(ひと)って！簡単な事忘れちゃうでしょ？愛されたいって気持ちが強くなっちゃって」

「そうかもね」

「でもねー。大切なのは、自分がその人を必要かどうかだけだよね」

「それだけじゃ苦しいでしょ？」

理沙ちゃんは、私の言葉に右手の人差し指を立てて左右に揺らす。

「違うの？」

理沙ちゃんは、うんうんと頷いて話し出す。

「それは、見返りを求めるからでしょ？さっきまでの理沙は、優太をこんなに愛してるのに優太は答えてくれないって気持ちが強かった。だけど、凛ちゃんの話を聞いて変わったの。理沙が優太を必要だから、傍にいるだけなんだって！そう思ったら、答えは簡単だった。理沙は、優太から何かを借りてるんだよ。だから、それに見合ったお金を払ってるんだよ！お金は、愛だね。理沙は、愛を払って優太から借りてるの。これを買うなら、お金がいるでしょ？」

そう言って、理沙ちゃんはチーズケーキを指差していた。

「私には、思い付かない考え方」

私は、理沙ちゃんの事を見つめながら目をパチパチさせる。

「アハハハ！まだ、理沙の方が若いからだよ。愛をもらうとか与えるじゃないんだねー。愛って借りてるだけなのかも」

「借りてる？」

「そうそう。時期がきたら、自分も愛を返さなきゃいけないの。借金返済みたいに」

「愛は、借金って事？」

理沙ちゃんは、私の顔を見て笑っている。

「そう。借金！理沙は、そう思う」

「面白い考えだね。私も、龍ちゃんにいつか返済しなくちゃいけないね」

「そうだよ！相手の愛がなくなりそうになったら、ちゃんと返済するんだよ」

理沙ちゃんは、そう言って笑ってる。私の言葉に、理沙ちゃんは不思議な答えを導きだした。私には、思い付かないような答えを…