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エピローグ【拓夢の話3】
この両手から消える
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「凛、帰ろうか?」
俺はそう言って、髪を優しく撫でる。
「うん」
潤んだ瞳は、俺を見つめている。
「可愛い」
俺は、そう言って凛の頬に手を当てる。
「もう、すぐそうやって」
「駄目だよな…俺」
凛の言葉に俺は目を伏せる。すぐに、こんな風にしたくなるなんてよくない事だって。
わかってるんだ。
「いいよ!嬉しい」
凛は、俺の気持ちに気づいたのかそう言って笑ってくれた。
「帰ろう。また、ほら」
俺は、凛に目線を送る。さっきから、抱き締めあってる。気づいてないわけない。
「わかってる」
そう言った、凛の目がキョロキョロと動く。恥ずかしいのがわかる。
「動揺してる?」
「だって、抱き締められて…。それが…」
「凛が、可愛いからいけないんだ」
俺は、わざとらしく目を口をニヤリと動かして話した。
「もう…。すぐ、そうやって…。でも、私も…」
「俺、これでズボン履いたらヤバイかもな」
「何で、そんな事言うのー」
凛は、そう言って俺の胸で顔を隠した。
「ごめん、ごめん。嘘だって!帰ろうか?」
俺は、凛をギュッーって抱き締めて言った。
「うん、帰る」
「帰りは、新快速乗った方が早いよな」
「うん」
「じゃあ、服着替えよう」
「うん」
凛は、俺の上からゆっくり降りる。
さっきまで、この手の中にあった温もりが消えた。
これから先は、こんな毎日何だって思うだけで泣きそうになった。
凛は、ソファーからパンツを取って履いている。俺は、凛の着替えてるのをぼんやりと見つめていた。
昔、ある俳優の母親がこう言っていた。
「もう二度とあの子をこの手に抱き締められないなら生きていく意味なんてないです」彼は、若さゆえに苦悩し続けた結果、亡くなった。
あの時の言葉の意味が、今少しだけわかった気がする。
俺も、今、そう思ってる。凛の温もりが消えてく。この両手から、なくなってく…。
凛を抱き締められないなら、生きてく意味なんかあるのかな…。
「拓夢、着替えないの?」
凛は、不思議そうに首を傾げて、俺の服を持ってきてくれる。
「凛……」
俺は、両手を訳もなく差し出しながら凛を見つめていた。
「着替えよう」
凛は、俺の両手を握りしめて笑ってくれる。
「うん」
どんな事をしても、凛といたい。
友達でも、知り合いでも、何でもいい。
凛は、驚くかも知れないけど…。
俺には、凛が必要だ。
俺は、立ち上がって凛から服をもらった。
「拭いてあげる」
「いいよ!気にしなくて」
「だって…」
「大丈夫だって。ズボン、薄くないし」
「気持ち悪くない?」
「全然!むしろ、嬉しいから」
「変態」
そう言った凛の腕を俺は掴んだ。今の会話だけ聞けば、恋人同士みたいだった。イチャイチャしてて、楽しかった。
「拓夢?」
「愛してるって、言って」
俺は、凛の左手を掴んで唇に持っていく。
「愛してる」
「星村拓夢を愛してるって言って」
凛は、上目遣いで俺を見つめる。
「星村拓夢を愛してる」
「嘘つき」
俺は、その手を離してズボンを履いた。惨めなのわかっていながら凛に言わせた。
俺はそう言って、髪を優しく撫でる。
「うん」
潤んだ瞳は、俺を見つめている。
「可愛い」
俺は、そう言って凛の頬に手を当てる。
「もう、すぐそうやって」
「駄目だよな…俺」
凛の言葉に俺は目を伏せる。すぐに、こんな風にしたくなるなんてよくない事だって。
わかってるんだ。
「いいよ!嬉しい」
凛は、俺の気持ちに気づいたのかそう言って笑ってくれた。
「帰ろう。また、ほら」
俺は、凛に目線を送る。さっきから、抱き締めあってる。気づいてないわけない。
「わかってる」
そう言った、凛の目がキョロキョロと動く。恥ずかしいのがわかる。
「動揺してる?」
「だって、抱き締められて…。それが…」
「凛が、可愛いからいけないんだ」
俺は、わざとらしく目を口をニヤリと動かして話した。
「もう…。すぐ、そうやって…。でも、私も…」
「俺、これでズボン履いたらヤバイかもな」
「何で、そんな事言うのー」
凛は、そう言って俺の胸で顔を隠した。
「ごめん、ごめん。嘘だって!帰ろうか?」
俺は、凛をギュッーって抱き締めて言った。
「うん、帰る」
「帰りは、新快速乗った方が早いよな」
「うん」
「じゃあ、服着替えよう」
「うん」
凛は、俺の上からゆっくり降りる。
さっきまで、この手の中にあった温もりが消えた。
これから先は、こんな毎日何だって思うだけで泣きそうになった。
凛は、ソファーからパンツを取って履いている。俺は、凛の着替えてるのをぼんやりと見つめていた。
昔、ある俳優の母親がこう言っていた。
「もう二度とあの子をこの手に抱き締められないなら生きていく意味なんてないです」彼は、若さゆえに苦悩し続けた結果、亡くなった。
あの時の言葉の意味が、今少しだけわかった気がする。
俺も、今、そう思ってる。凛の温もりが消えてく。この両手から、なくなってく…。
凛を抱き締められないなら、生きてく意味なんかあるのかな…。
「拓夢、着替えないの?」
凛は、不思議そうに首を傾げて、俺の服を持ってきてくれる。
「凛……」
俺は、両手を訳もなく差し出しながら凛を見つめていた。
「着替えよう」
凛は、俺の両手を握りしめて笑ってくれる。
「うん」
どんな事をしても、凛といたい。
友達でも、知り合いでも、何でもいい。
凛は、驚くかも知れないけど…。
俺には、凛が必要だ。
俺は、立ち上がって凛から服をもらった。
「拭いてあげる」
「いいよ!気にしなくて」
「だって…」
「大丈夫だって。ズボン、薄くないし」
「気持ち悪くない?」
「全然!むしろ、嬉しいから」
「変態」
そう言った凛の腕を俺は掴んだ。今の会話だけ聞けば、恋人同士みたいだった。イチャイチャしてて、楽しかった。
「拓夢?」
「愛してるって、言って」
俺は、凛の左手を掴んで唇に持っていく。
「愛してる」
「星村拓夢を愛してるって言って」
凛は、上目遣いで俺を見つめる。
「星村拓夢を愛してる」
「嘘つき」
俺は、その手を離してズボンを履いた。惨めなのわかっていながら凛に言わせた。
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