594 / 646
エピローグ~月と星の交わる場所へ~【凛と拓夢の話2】
お願いします【拓夢】
しおりを挟む
スタジオについて、車を降りる。
「おはよう」
「相沢さん、これ家の鍵です」
「了解。3時だったよね?」
「はい」
「それも、持っていく?」
「あっ、お願いします」
俺は、相沢さんに紙袋を渡した。母親が来れなくなって、どうにかするつもりだったけどどうにもならなくて…。俺は、相沢さんにメッセージを送ったのだった。
「もっと早く言ってくれたら、あっちも立ち会ったのに…」
「すみません。ギリギリまで、考えたかったんで」
昨日お風呂から上がってメッセージをすると相沢さんはすぐに大丈夫だよと返してくれたのだった。
「管理人さんなら、大丈夫だね」
「はい」
「それじゃあ、頑張って」
「よろしくお願いします」
俺は、相沢さんに頭を下げてから皆の所に行った。
「おはよう」
「おはよう」
「おはよう」
「おはよう」
俺達は、顔を見合わせながら、そう言った。
「今日は、ジャケット写真だっけ?」
「そうそう。二曲目の」
「拓夢とまっつんは、レコーディングだろ?俺としゅんは、雑誌の撮影」
そう言って、かねやんが笑った。
「何の雑誌?」
「これらしいよ」
かねやんが、持ってる雑誌を見せてきた。
「へー。凄いな」
「だろ?これ、有名らしい」
「女性の雑誌だよな?」
「そうそう」
いつも通りだった。まっつんが、凹んでる以外はいつもと変わらない風景だった。
撮影は、順調に進んでいき、昼休憩を挟んで終わったのは14時過ぎだった。
「お疲れさまでした」
『お疲れさまでした』
俺達は、深々と頭を下げた。かねやんとしゅんは、雑誌の撮影があるスタジオに行くとタクシーに乗り込んだ。俺とまっつんは、レコーディングスタジオに向かう為の車に乗り込んだ。
「目、腫れてたけど」
まっつんは、そう言って俺の事を見た。
「色々あったんだよ。まっつんだって、目腫れてるよ」
「色々な」
カーテンの閉まった車内で、まっつんはそう言いながら窓に頭をつけていた。
「結婚出来るって」
「相沢さんが何とかするって」
「じゃあ、絶対大丈夫だよ」
「どうかな?」
まっつんは、そう言いながら目を伏せていた。
「大丈夫だよ。まっつんと理沙ちゃんなら」
「だったら、いいけどな」
まっつんは、そう言った。俺は、まっつんに何て言葉をかけていいかわからなくて…。まっつんもまた何も話さなかった。車内には重苦しい空気だけが漂い続けていて…。レコーディングスタジオに何事もなく入った俺達は、言葉を交わさないままに収録を終えていた。
「凄くよかったよ!苦しみや悲しみがちゃんと伝わってきた。その奥にある希望もね…。お疲れさま」
『ありがとうございます。お疲れさまでした』
俺とまっつんは深々と頭を下げてから、レコーディングスタジオを後にした。
時刻は、夜の19時を回っていてスタジオから出ると相沢さんが待っていた。
「おはよう」
「相沢さん、これ家の鍵です」
「了解。3時だったよね?」
「はい」
「それも、持っていく?」
「あっ、お願いします」
俺は、相沢さんに紙袋を渡した。母親が来れなくなって、どうにかするつもりだったけどどうにもならなくて…。俺は、相沢さんにメッセージを送ったのだった。
「もっと早く言ってくれたら、あっちも立ち会ったのに…」
「すみません。ギリギリまで、考えたかったんで」
昨日お風呂から上がってメッセージをすると相沢さんはすぐに大丈夫だよと返してくれたのだった。
「管理人さんなら、大丈夫だね」
「はい」
「それじゃあ、頑張って」
「よろしくお願いします」
俺は、相沢さんに頭を下げてから皆の所に行った。
「おはよう」
「おはよう」
「おはよう」
「おはよう」
俺達は、顔を見合わせながら、そう言った。
「今日は、ジャケット写真だっけ?」
「そうそう。二曲目の」
「拓夢とまっつんは、レコーディングだろ?俺としゅんは、雑誌の撮影」
そう言って、かねやんが笑った。
「何の雑誌?」
「これらしいよ」
かねやんが、持ってる雑誌を見せてきた。
「へー。凄いな」
「だろ?これ、有名らしい」
「女性の雑誌だよな?」
「そうそう」
いつも通りだった。まっつんが、凹んでる以外はいつもと変わらない風景だった。
撮影は、順調に進んでいき、昼休憩を挟んで終わったのは14時過ぎだった。
「お疲れさまでした」
『お疲れさまでした』
俺達は、深々と頭を下げた。かねやんとしゅんは、雑誌の撮影があるスタジオに行くとタクシーに乗り込んだ。俺とまっつんは、レコーディングスタジオに向かう為の車に乗り込んだ。
「目、腫れてたけど」
まっつんは、そう言って俺の事を見た。
「色々あったんだよ。まっつんだって、目腫れてるよ」
「色々な」
カーテンの閉まった車内で、まっつんはそう言いながら窓に頭をつけていた。
「結婚出来るって」
「相沢さんが何とかするって」
「じゃあ、絶対大丈夫だよ」
「どうかな?」
まっつんは、そう言いながら目を伏せていた。
「大丈夫だよ。まっつんと理沙ちゃんなら」
「だったら、いいけどな」
まっつんは、そう言った。俺は、まっつんに何て言葉をかけていいかわからなくて…。まっつんもまた何も話さなかった。車内には重苦しい空気だけが漂い続けていて…。レコーディングスタジオに何事もなく入った俺達は、言葉を交わさないままに収録を終えていた。
「凄くよかったよ!苦しみや悲しみがちゃんと伝わってきた。その奥にある希望もね…。お疲れさま」
『ありがとうございます。お疲れさまでした』
俺とまっつんは深々と頭を下げてから、レコーディングスタジオを後にした。
時刻は、夜の19時を回っていてスタジオから出ると相沢さんが待っていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる