彩られる作品【仮】

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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待てを言われた僕達は…。

【待てを言われた僕達は…】⑮

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解毒剤を飲んだ後ー

「これを今から回します」

「海斗」

「ビデオに全部おさめたいんだ」

「何で?」

「凛音と性行為するのは、二回だけだから…。」

「二回だけなの?」

「うん、ごめんね」

海斗は、そう言って凛音の髪を撫でる。

「全部、忘れたくないから」

「わかった。」

凛音は、了承した。

「じゃあ、まずは…。お風呂入ろうか?」

「うん」

お風呂のスイッチを押した、海斗。

「海斗、キスは出来る?」

「いずれ、出来なくなるかもしれないね」

「そんなの嫌だよ。」

凛音は、唇を重ねてゆっくりと舌を入れる。

凛音は泣いている。

もう二度と海斗に触(ふ)れる事が出来ない時が来る。

そんなのは、嫌だ。

♪お風呂が沸きました♪

その音が聞こえて、お風呂に入りにいく。

湯船に入る二人が映る。

「海斗、ビデオ壊れちゃうよ」

「だな」

海斗は、カメラを外に置いた。

それから、楽しそうな二人の声だけが響く。

お風呂から上がってきた。

脱衣所で、身体をふく。

そんな、海斗のものを凛音は口に含んでいた。

「嫌じゃないの?」

「うん」

「大丈夫?」

「9回出来るんでしょ?じゃあ、大切にしなくちゃ」

凛音は、ずっと泣いてる

「ごめんな。お父さんから、守ってやれなくて」

凛音は、ビデオカメラを覗いている。

上目遣いしながら、首を横に振る。

なぜ、海斗が謝るのか理解できなかった。

海斗は、凛音の髪や頬を優しく撫でる。

「ごめん。凛音、ヤバいわ。俺」

その言葉に、凛音は泣きながら海斗を見つめる。

口の中に広がった海斗の味

この中に、ウイルスが入っているのだ。

ゴクン………。

「凛音」

「ウイルスが、僕にも寄生するかな?」

「凛音、ごめんな」

海斗から、ビデオカメラを取り上げた凛音

「部屋に行こうか」

海斗は、立ち上がった凛音のを口に含んだ。

「撮って」

泣きながら、海斗は凛音を見つめる。

「そんなのしなくていい」

「いいから、撮って」

「わかった。」

これで、残りは8回だ。

海斗は、凛音がしてくれたようにする。

「海斗、僕もう…」

海斗は、泣きながらビデオカメラを覗き込んだ。

口の中いっぱいに凛音の味が広がった。

絶対に忘れない。

この先、手で出来たとしても凛音のこの味を感じる事はもうない。

ゴクン………。

「海斗」

「大丈夫」

海斗は、そう言って立ち上がった。

「行こうか」

真っ裸で、寝室に向かう二人。

丁寧にキスをして、丁寧に愛撫をする。

涙を流し続ける二人

待てを言われ続けた二人は…。

身体中が、それを欲しがっていた。

凛音は、カメラを持つ

「海斗、顔見せて」

「ごめん、ごめん」

ボロボロに泣いてる海斗。

「痛かったら言うんだよ」

「うん」

凛音は、それを撮影する。

「海斗、大丈夫?」

「うん」

「ゆっくり動くよ」

「うん」

優しくする。

海斗と凛音の泣き声がはいってる。

「一回目だよ。大事にするからね。海斗」

「うん、大事にして」

繋がり合えて嬉しいのに、悲しい。

すぐにいきたくない。

ゆっくり、優しく、動く。

海斗は、ビデオカメラをとった。

凛音の顔を映す。

凛音は、泣いている。

「ちゃんと撮るの難しいね」

「手に持っては、難しいよ」

「次は、固定する?」

「そうだね」

馬鹿みたいに話て、そらせる。

快感に身体を持っていかれないようにする。

一秒でも長く、凛音を感じたい。

凛音も、同じだった。

もう、二度と出来なくていい。

形を覚えておきたい。

ちゃんと二人は、繋がれたと感じていたい。

「凛音、俺を感じてる?」

「うん。海斗は?」

「感じてるよ」

「海斗は、童貞のままだよ」

「いいんだよ。俺は、こっちが」

「本当に?」

「うん。こうされたかったから」

「なら、よかった」

「凛音は、こうしたかったんだろ?」

「うん」

「じゃあ、いいじゃん。」

「集中したくない」

「わかってる」

「ずっと、してたい」

「わかってる」

「繋がっていたい」

「わかってる」

「海斗とこんな風にしたかったんだ。ずっと、ずっと、ずっと。」

「わかってるよ、凛音」

「二回なんて嫌だよ。嫌だ。嫌だ。」

「ごめんな、凛音」

海斗は、凛音の頬に手を当てる。

「海斗、優しくするから」

「充分すぎるよ」

「海斗」

「まだ、いかないで」

「わかってるよ」

こんな人はいないよ。

初めて繋がった二人は、興奮をコントロールしながら一時間以上経っていた。

「もう、充分だから。凛音が、苦しいだろ?」

凛音は、泣きながら首を横に振る。

「一回目終わらせようか」

「海斗、しんどい?」

「俺は、大丈夫。でも、終わらせよう」

海斗は、そう言って凛音の頭を引き寄せる。

キスをされる、凛音。

舌を入れられた瞬間、身体は快楽に引き寄せられた。

悲しくて、辛くて、苦しくて、なのに快楽に逆らえないまま、凛音と海斗は、初めてを終えた。


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