121 / 136
シークレット作品②
【温度】⑪
しおりを挟む
帰宅した一輝ー
「ただいま」
「おかえり、どっか行ってたの?」
桜は、玄関にウサギみたいに走ってきた。
「ちょっと」
抱きつかれた一輝
「なに?」
「一輝の匂いじゃない」
抱き締めたから、花香のどこか優しいフワッとした香水の香りがついたのだと思った。
一輝は、嫌いじゃなかった。
「そう?欲しい物見に行っただけだから…。気づかなかった」
一輝は、嘘をついた。本当は、歩きながら花香の匂いがしていた事に気づいていた。
でも、その匂いが桜のつけているエキゾチックな香りよりも癒されて心地よくて気にしていなかった。
「誰かつけてたのかな?何か、臭いよ。シャワー、先に浴びたら?」
「電車か服屋かじゃない。そうする」
一輝は、駅のコインロッカーに寄って服を預けて帰ってきてよかったと思っていた。
一輝は、そう言って洗面所に入る。
桜だって、ムスクの香りがきつい香水の匂いをさせていた。多分、花香の旦那さんなのだ。
そもそも、離婚するや酷いことを言っておきながら、今さら匂いを気にされる理由が、一輝には見当たらなかった。
一輝は、洗面所で服を脱ごうとした時だった。
「一輝、浮気してないよね?」
「するわけないだろ」
「チェックさせて」
「はあ?」
そう言って、桜は一輝のスボンを脱がす。
「何してんの?」
「汗臭い」
「当たり前だろ!」
「この感じだとシャワーは、入ってないみたいだね」
「服屋で、シャワーなんか入らないだろ」
「本当だったんだ」
「当たり前だ」
桜とは違う、その言葉は飲み込んだ。
「じゃあ、許してあげる」
「やめろ、まだシャワー入ってない」
「知らない匂いつけてきたお仕置き」
一輝は、桜を見つめていた。
切り替わって、花香…
「いや、何でここ?シャワーも入ってないから」
「浮気してなかったんだな」
孝輔は、立ってる花香の下半身に顔を突っ込んでいた。
「するわけないでしょ」
「花香、お仕置きだよ」
何故、何もしていない自分がお仕置きされなければいけないのだ。
「こんな体制で嫌。ここでも、嫌。シャワー入りたい」
花香の言葉を孝輔は、何一つ聞いてくれなかった。
所有物をとられたくないように、孝輔は花香の嫌がる事をする。
「後ろ向いて」
廊下の壁に手をつけさせられる。
「もっと、お尻こっちにだして」
「嫌」
「嫌じゃない、花香」
身体中が、孝輔を覚えてる。
あんな酷いことを言われたのに、花香は自分の中に孝輔を愛してる部分がある事に泣いていた。
ずっと、繋いでいた一輝の温もりと優しさを思い出すように花香は左指を口に入れた。
「花香、愛してるよ」
その言葉と共に、孝輔は花香の中に入った。
一方、一輝もー
「やめろよ」
「嫌よ」
そう言って、桜は洗面台に手をついてお尻を向けてきた。
「最近は、こっちが好きなんでしょ?早くして」
避妊せずに、花香の旦那としたのではないのか?
何で?俺に、そうさせるんだよ。
それでも、桜をまだ愛してる自分が嫌な一輝
「早く、一輝。」
そう言って、桜は自分でする。
一輝は、動かなかった。
「一輝、愛してる」
その言葉と共に、桜は一輝を自分の中に引き入れた。
一輝は、目を瞑って花香を思い出した。
花香に触(ふ)れていた右手を口に当てて、息さえ漏れないようにする一輝。
「一輝、愛してる、愛してる。」
桜は、そう言い続けた。
花香に切り替わる画面。
「花香、愛してる」
「何で?」
こんな酷いことをするのと言えなかった花香
「愛してるんだよ。花香」
花香は、床に座り込んだ。
孝輔は、一輝の奥さんにそうしたのに、何故花香にまでそうするのかわからなかった。
そして、何故避妊さえもされないのかがわからなかった。
「私が、赤ちゃんが出来ないから!何度こうしたって出来ないのわかってるからでしょ?だから、私にだすんでしょ」
悲しくて、苦しくて、花香はそう言ってしまった。
「そんなわけないよ。俺は、花香を愛してるんだよ」
孝輔は、花香を抱き締めてくる。
花香の首筋に舌を這わせる。
「やめて、ご飯するから」
立ち上がろうとした花香を、押し倒した。
「孝輔、やめて」
「嘘つくなよ!俺を愛してるくせに…」
その勝ち誇ったように笑った目に、花香は涙が流れた。
孝輔は、自分を愛しているわけじゃなく、所有物である自分を誰かに渡すのが惜しくなっただけなんだ。
花香は、それに気づいてしまった。
その事が、悲しくて辛くて…。
何故、自分だけが孝輔をまだ愛しているのかと思っていた。
もう、抵抗すらも花香はしなかった。
ただ、人形(おもちゃ)のように黙って受け入れた。
「ただいま」
「おかえり、どっか行ってたの?」
桜は、玄関にウサギみたいに走ってきた。
「ちょっと」
抱きつかれた一輝
「なに?」
「一輝の匂いじゃない」
抱き締めたから、花香のどこか優しいフワッとした香水の香りがついたのだと思った。
一輝は、嫌いじゃなかった。
「そう?欲しい物見に行っただけだから…。気づかなかった」
一輝は、嘘をついた。本当は、歩きながら花香の匂いがしていた事に気づいていた。
でも、その匂いが桜のつけているエキゾチックな香りよりも癒されて心地よくて気にしていなかった。
「誰かつけてたのかな?何か、臭いよ。シャワー、先に浴びたら?」
「電車か服屋かじゃない。そうする」
一輝は、駅のコインロッカーに寄って服を預けて帰ってきてよかったと思っていた。
一輝は、そう言って洗面所に入る。
桜だって、ムスクの香りがきつい香水の匂いをさせていた。多分、花香の旦那さんなのだ。
そもそも、離婚するや酷いことを言っておきながら、今さら匂いを気にされる理由が、一輝には見当たらなかった。
一輝は、洗面所で服を脱ごうとした時だった。
「一輝、浮気してないよね?」
「するわけないだろ」
「チェックさせて」
「はあ?」
そう言って、桜は一輝のスボンを脱がす。
「何してんの?」
「汗臭い」
「当たり前だろ!」
「この感じだとシャワーは、入ってないみたいだね」
「服屋で、シャワーなんか入らないだろ」
「本当だったんだ」
「当たり前だ」
桜とは違う、その言葉は飲み込んだ。
「じゃあ、許してあげる」
「やめろ、まだシャワー入ってない」
「知らない匂いつけてきたお仕置き」
一輝は、桜を見つめていた。
切り替わって、花香…
「いや、何でここ?シャワーも入ってないから」
「浮気してなかったんだな」
孝輔は、立ってる花香の下半身に顔を突っ込んでいた。
「するわけないでしょ」
「花香、お仕置きだよ」
何故、何もしていない自分がお仕置きされなければいけないのだ。
「こんな体制で嫌。ここでも、嫌。シャワー入りたい」
花香の言葉を孝輔は、何一つ聞いてくれなかった。
所有物をとられたくないように、孝輔は花香の嫌がる事をする。
「後ろ向いて」
廊下の壁に手をつけさせられる。
「もっと、お尻こっちにだして」
「嫌」
「嫌じゃない、花香」
身体中が、孝輔を覚えてる。
あんな酷いことを言われたのに、花香は自分の中に孝輔を愛してる部分がある事に泣いていた。
ずっと、繋いでいた一輝の温もりと優しさを思い出すように花香は左指を口に入れた。
「花香、愛してるよ」
その言葉と共に、孝輔は花香の中に入った。
一方、一輝もー
「やめろよ」
「嫌よ」
そう言って、桜は洗面台に手をついてお尻を向けてきた。
「最近は、こっちが好きなんでしょ?早くして」
避妊せずに、花香の旦那としたのではないのか?
何で?俺に、そうさせるんだよ。
それでも、桜をまだ愛してる自分が嫌な一輝
「早く、一輝。」
そう言って、桜は自分でする。
一輝は、動かなかった。
「一輝、愛してる」
その言葉と共に、桜は一輝を自分の中に引き入れた。
一輝は、目を瞑って花香を思い出した。
花香に触(ふ)れていた右手を口に当てて、息さえ漏れないようにする一輝。
「一輝、愛してる、愛してる。」
桜は、そう言い続けた。
花香に切り替わる画面。
「花香、愛してる」
「何で?」
こんな酷いことをするのと言えなかった花香
「愛してるんだよ。花香」
花香は、床に座り込んだ。
孝輔は、一輝の奥さんにそうしたのに、何故花香にまでそうするのかわからなかった。
そして、何故避妊さえもされないのかがわからなかった。
「私が、赤ちゃんが出来ないから!何度こうしたって出来ないのわかってるからでしょ?だから、私にだすんでしょ」
悲しくて、苦しくて、花香はそう言ってしまった。
「そんなわけないよ。俺は、花香を愛してるんだよ」
孝輔は、花香を抱き締めてくる。
花香の首筋に舌を這わせる。
「やめて、ご飯するから」
立ち上がろうとした花香を、押し倒した。
「孝輔、やめて」
「嘘つくなよ!俺を愛してるくせに…」
その勝ち誇ったように笑った目に、花香は涙が流れた。
孝輔は、自分を愛しているわけじゃなく、所有物である自分を誰かに渡すのが惜しくなっただけなんだ。
花香は、それに気づいてしまった。
その事が、悲しくて辛くて…。
何故、自分だけが孝輔をまだ愛しているのかと思っていた。
もう、抵抗すらも花香はしなかった。
ただ、人形(おもちゃ)のように黙って受け入れた。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる