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人形師
導かれたのは…。
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「さあ、行こうか」
モカ君が、トントンと身体を叩くと動き出した。
「イチゴぉー。」
「イチゴ」
浜井さんと上條さんが、現れた。
(ニャー)
二人に、ピョンと飛び付いた。
「あー。まさに、イチゴです。あれ、三日月先生に、宮部さんじゃないですか?お久しぶりです。」
「三日月先生は、記憶が戻られたのですね」
「はい、無事に戻りました。イチゴちゃんは、亡くなられたのですね。」
「はい、半年前に。」
「誰から、ここを聞いたのですか?」
「巫女さんに聞きましたよ。こういう場所があるから必要があれば行きなさいと言われたんです。」
上條さんは、そう言って笑った。
「必要が、出来たのですね」
「凌平がね、ペットロスになったんです。イチゴを失って崩壊した。俺には、無理でした。四六時中一緒にいれない。自殺未遂を何度もしようとするんです。伊納に見てもらったりもしていたんですがね。それで、ここを思い出して…。」
「イチゴちゃんは、冴草健斗との想い出の猫ですからね。」
「はい。三日月先生に会わなければ、こちらに来る事もなかった。だから、俺は感謝してます。それと、三日月先生が二条さんに結斗との事を話してくれていたから…。俺は、幸せでした。あの時間は、素晴らしかったです。ありがとう。三日月先生」
「いえ、私は、何もしていませんよ。私こそ感謝しかありません。二人が、肉体を返しに来てくれたおかげで私は今も生きています。」
私は、上條さんに笑いかけた。
「三日月先生、健斗さんとの日々をありがとうございました。お礼を言うのが遅くなってしまいました。」
「いえ、こちらこそ素敵な想い出が残っています。」
「アッ、ハハハ。恥ずかしいね」
「とても、素敵でしたよ。」
「それなら、よかったです。」
浜井さんは、笑ってる。
「イチゴちゃんに、また会えてよかったですね。浜井さん」
「はい」
(ニャー)
「僕は、イチゴが、いないと生きていけないんです。わかりますよね?三日月先生。僕には、イチゴが…」
浜井さんな、情緒が不安定なのがわかる。ポロポロと泣き出してしまった。
「わかりますよ。イチゴちゃんは、二人の大切な想い出だから…。」
「三日月先生、僕はね。やっぱり、健斗さんが必要なんです。三日月先生は、見たからわかるでしょ?僕が、どれだけ健斗さんを愛していたか…。」
「わかってますよ。浜井さん」
「凌平、よかったね」
上條さんは、浜井さんの肩を引き寄せた。
「浜井さん、上條さん、イチゴちゃんは永遠に生きますよ。」
「モカさん、ありがとう」
「いえ、大切にしてあげて下さいね。」
「はい」
浜井さんと上條さんは、頭を下げている。
「三日月先生、また会えますか?」
「はい、いつでも。ここにいますので」
「占い師ですか?」
「はい、再開し始めました。上條さんは、前に進めていますか?」
「ゆっくりですよ。なかなか、難しいです。肌を重ねるのには、まだ辿り着けない。冴草さんと過ごしてから、凌平も駄目になってしまいました。俺達は、俺達のペースで進むしかないですね。」
「それだけが、全てではないですよ。二人で生きて行く事が大切な事ですよ。」
「そうですね。三日月先生。凌平、行こうか」
「うん。三日月先生、またね」
「はい、お気をつけて」
浜井さんと上條さんは、手を振って帰っていった。
私達は、その姿を見送り続けていた。
「では、僕は新しい依頼を仕上げたいので失礼します。」
モカさんは、急いで行ってしまった。
「光珠さん、お話できますか?」
「はい、勿論です。」
「三人は、好きなように過ごして下さいね。庭でも、見て下さい」
「はい」
ゐ空さんは、光珠を連れて行った。
「喜与恵、宮部さんと少し話していいかな?」
「どうぞ!私は、この子達とお庭を見てきますね」
「すまない。」
「いえ」
喜与恵は、そう言っていなくなった。
モカ君が、トントンと身体を叩くと動き出した。
「イチゴぉー。」
「イチゴ」
浜井さんと上條さんが、現れた。
(ニャー)
二人に、ピョンと飛び付いた。
「あー。まさに、イチゴです。あれ、三日月先生に、宮部さんじゃないですか?お久しぶりです。」
「三日月先生は、記憶が戻られたのですね」
「はい、無事に戻りました。イチゴちゃんは、亡くなられたのですね。」
「はい、半年前に。」
「誰から、ここを聞いたのですか?」
「巫女さんに聞きましたよ。こういう場所があるから必要があれば行きなさいと言われたんです。」
上條さんは、そう言って笑った。
「必要が、出来たのですね」
「凌平がね、ペットロスになったんです。イチゴを失って崩壊した。俺には、無理でした。四六時中一緒にいれない。自殺未遂を何度もしようとするんです。伊納に見てもらったりもしていたんですがね。それで、ここを思い出して…。」
「イチゴちゃんは、冴草健斗との想い出の猫ですからね。」
「はい。三日月先生に会わなければ、こちらに来る事もなかった。だから、俺は感謝してます。それと、三日月先生が二条さんに結斗との事を話してくれていたから…。俺は、幸せでした。あの時間は、素晴らしかったです。ありがとう。三日月先生」
「いえ、私は、何もしていませんよ。私こそ感謝しかありません。二人が、肉体を返しに来てくれたおかげで私は今も生きています。」
私は、上條さんに笑いかけた。
「三日月先生、健斗さんとの日々をありがとうございました。お礼を言うのが遅くなってしまいました。」
「いえ、こちらこそ素敵な想い出が残っています。」
「アッ、ハハハ。恥ずかしいね」
「とても、素敵でしたよ。」
「それなら、よかったです。」
浜井さんは、笑ってる。
「イチゴちゃんに、また会えてよかったですね。浜井さん」
「はい」
(ニャー)
「僕は、イチゴが、いないと生きていけないんです。わかりますよね?三日月先生。僕には、イチゴが…」
浜井さんな、情緒が不安定なのがわかる。ポロポロと泣き出してしまった。
「わかりますよ。イチゴちゃんは、二人の大切な想い出だから…。」
「三日月先生、僕はね。やっぱり、健斗さんが必要なんです。三日月先生は、見たからわかるでしょ?僕が、どれだけ健斗さんを愛していたか…。」
「わかってますよ。浜井さん」
「凌平、よかったね」
上條さんは、浜井さんの肩を引き寄せた。
「浜井さん、上條さん、イチゴちゃんは永遠に生きますよ。」
「モカさん、ありがとう」
「いえ、大切にしてあげて下さいね。」
「はい」
浜井さんと上條さんは、頭を下げている。
「三日月先生、また会えますか?」
「はい、いつでも。ここにいますので」
「占い師ですか?」
「はい、再開し始めました。上條さんは、前に進めていますか?」
「ゆっくりですよ。なかなか、難しいです。肌を重ねるのには、まだ辿り着けない。冴草さんと過ごしてから、凌平も駄目になってしまいました。俺達は、俺達のペースで進むしかないですね。」
「それだけが、全てではないですよ。二人で生きて行く事が大切な事ですよ。」
「そうですね。三日月先生。凌平、行こうか」
「うん。三日月先生、またね」
「はい、お気をつけて」
浜井さんと上條さんは、手を振って帰っていった。
私達は、その姿を見送り続けていた。
「では、僕は新しい依頼を仕上げたいので失礼します。」
モカさんは、急いで行ってしまった。
「光珠さん、お話できますか?」
「はい、勿論です。」
「三人は、好きなように過ごして下さいね。庭でも、見て下さい」
「はい」
ゐ空さんは、光珠を連れて行った。
「喜与恵、宮部さんと少し話していいかな?」
「どうぞ!私は、この子達とお庭を見てきますね」
「すまない。」
「いえ」
喜与恵は、そう言っていなくなった。
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