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ゐ空の視点
救われたいから
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私は、光珠君に指輪のケースを握らせた。
「君が、救われたいだけでしょ?誰かに、君のせいじゃない。君は、悪くないと言って欲しいんでしょ?」
「ゐ空さん」
私は、光珠君に殴られる覚悟を決めて向き合った。
「だったら、私が言ってあげますよ。」
光珠君は、立ち上がって私を見つめる。
「君が悪い!麗奈さんが、死んだのは君のせいだ。君が、あの日麗奈さんと向き合わなかったからだ。麗奈さんの話を聞かなかったからだ。全て君が悪い。君が、きちんと話を聞いてなかったからだ。君の態度と言葉が一致していなかったからだ。あの日、彼に殺られていなくても麗奈さんの精神状態なら死んでいたよ。」
「あんた、何様だよ!いい加減な事、言ってんじゃねーぞ。」
「殴って気が済むなら、殴りなさい」
「う、うわぁーー」
光珠君は、膝から崩れ落ちた。
「そう言って欲しいと書いてあったままを読んだだけだよ」
(光珠、愛してた。)
「麗奈?」
(お腹に赤ちゃんがいるのが、嬉しいけどね。怖いの)
「麗奈」
(光珠、幸せになっていいんだよ)
彼女の人形は、頭を優しく撫でる。
「ゐ空さんが、したのですか?」
「はい、私の能力です。」
「私は、私は…。」
「許されていいんです。幸せになる事を、許されていいんです。彼女のお母さんが、誰かにビジョンを見せてもらった映像を見ました。三日月のものでは、ありませんでした。彼女は、愛してると言っていました。でも、縛られないで欲しいって、新しい人を見つけて恋をして欲しいって言っていました。家族を持たなくてもいいから、光珠が愛せる人を見つけて欲しいと言っていましたよ。」
「一度も私の前には、現れなかったのに…。」
「わざと、現れなかったそうです。現れる事によって、光珠が前に進む為の足枷になりたくなかったと言っていました。だから、ほら指輪をつけてあげて下さい。お別れをしてあげて下さい。」
「少しだけ、待ってもらっていいですか?」
「どうぞ。私は、向こうにいっていますから。麗奈さん、少しだけなら入ってもいいですよ」
私は、光珠君の隣にいる彼女に微笑んだ。
私は、その場所から離れた。
あれは、自分に言った言葉だった。
私も知っている。
彼の後悔の意味もわかってる。
でも、どの選択をしても同じ未来にしか辿り着かないのだとある日気づいたのだ。
別れ方、死に方、出会い方が違うだけで、最後に辿り着く場所は同じなのだ。
あの日、私は師匠に教えられた。
どれを選んでも、魂は自己を修正して進む。
決められた終わりにしかいけない。
流れに逆らって、痛みにもがき苦しみながら最後を目指すか、身を任せながらユラユラと最後を目指すか、決めるのは私自身だと言われた。
私は、流れに逆らって足掻く人生を選んだ。
しかし、辿り着いたのは人形師だった。
決められた運命(さだめ)
人形師になりたくなくて、足掻いていた日々は何だったのだろうか?
どうせなら、師匠に忠実に生きていれば楽にこの世界に足を踏み入れていただろう。
なのに、私は、嫌だったから師匠とよくぶつかり合った。
私は、父が造ったという人形が、怖くて気持ち悪かった。
目玉がギョロギョロと動き、私に話しかける、目蓋はなぜか閉じるし、口は開くし、舌もある。
それでいて、人間にそっくりで、吐き気がした。
でも、今はこんなにも愛しい存在になると思わなかった。
師匠は、ゐ空はいずれ人形を好きになると言い続けていた。
それが、私に決められた道だからと…。
どの道を選んでも、ゐ空は最後にここに辿り着くと言っていた。
私には、人形しかなくなってしまった。
彼女を愛したけれど、失ってしまったわけだから…。
私は、ある場所の扉を開ける。
光珠君に言っておきながら、私は人形(かのじょ)を解体出来ていない。
触(ふ)れるのも、恐ろしくて。
ガラスケースに、納めたままだ。
血を流して、話しかけられて、それでも、解体するべきだろうか?
誰か、教えてくれ
私は、ガラスケースに頭をつけて
泣いた。
「君が、救われたいだけでしょ?誰かに、君のせいじゃない。君は、悪くないと言って欲しいんでしょ?」
「ゐ空さん」
私は、光珠君に殴られる覚悟を決めて向き合った。
「だったら、私が言ってあげますよ。」
光珠君は、立ち上がって私を見つめる。
「君が悪い!麗奈さんが、死んだのは君のせいだ。君が、あの日麗奈さんと向き合わなかったからだ。麗奈さんの話を聞かなかったからだ。全て君が悪い。君が、きちんと話を聞いてなかったからだ。君の態度と言葉が一致していなかったからだ。あの日、彼に殺られていなくても麗奈さんの精神状態なら死んでいたよ。」
「あんた、何様だよ!いい加減な事、言ってんじゃねーぞ。」
「殴って気が済むなら、殴りなさい」
「う、うわぁーー」
光珠君は、膝から崩れ落ちた。
「そう言って欲しいと書いてあったままを読んだだけだよ」
(光珠、愛してた。)
「麗奈?」
(お腹に赤ちゃんがいるのが、嬉しいけどね。怖いの)
「麗奈」
(光珠、幸せになっていいんだよ)
彼女の人形は、頭を優しく撫でる。
「ゐ空さんが、したのですか?」
「はい、私の能力です。」
「私は、私は…。」
「許されていいんです。幸せになる事を、許されていいんです。彼女のお母さんが、誰かにビジョンを見せてもらった映像を見ました。三日月のものでは、ありませんでした。彼女は、愛してると言っていました。でも、縛られないで欲しいって、新しい人を見つけて恋をして欲しいって言っていました。家族を持たなくてもいいから、光珠が愛せる人を見つけて欲しいと言っていましたよ。」
「一度も私の前には、現れなかったのに…。」
「わざと、現れなかったそうです。現れる事によって、光珠が前に進む為の足枷になりたくなかったと言っていました。だから、ほら指輪をつけてあげて下さい。お別れをしてあげて下さい。」
「少しだけ、待ってもらっていいですか?」
「どうぞ。私は、向こうにいっていますから。麗奈さん、少しだけなら入ってもいいですよ」
私は、光珠君の隣にいる彼女に微笑んだ。
私は、その場所から離れた。
あれは、自分に言った言葉だった。
私も知っている。
彼の後悔の意味もわかってる。
でも、どの選択をしても同じ未来にしか辿り着かないのだとある日気づいたのだ。
別れ方、死に方、出会い方が違うだけで、最後に辿り着く場所は同じなのだ。
あの日、私は師匠に教えられた。
どれを選んでも、魂は自己を修正して進む。
決められた終わりにしかいけない。
流れに逆らって、痛みにもがき苦しみながら最後を目指すか、身を任せながらユラユラと最後を目指すか、決めるのは私自身だと言われた。
私は、流れに逆らって足掻く人生を選んだ。
しかし、辿り着いたのは人形師だった。
決められた運命(さだめ)
人形師になりたくなくて、足掻いていた日々は何だったのだろうか?
どうせなら、師匠に忠実に生きていれば楽にこの世界に足を踏み入れていただろう。
なのに、私は、嫌だったから師匠とよくぶつかり合った。
私は、父が造ったという人形が、怖くて気持ち悪かった。
目玉がギョロギョロと動き、私に話しかける、目蓋はなぜか閉じるし、口は開くし、舌もある。
それでいて、人間にそっくりで、吐き気がした。
でも、今はこんなにも愛しい存在になると思わなかった。
師匠は、ゐ空はいずれ人形を好きになると言い続けていた。
それが、私に決められた道だからと…。
どの道を選んでも、ゐ空は最後にここに辿り着くと言っていた。
私には、人形しかなくなってしまった。
彼女を愛したけれど、失ってしまったわけだから…。
私は、ある場所の扉を開ける。
光珠君に言っておきながら、私は人形(かのじょ)を解体出来ていない。
触(ふ)れるのも、恐ろしくて。
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血を流して、話しかけられて、それでも、解体するべきだろうか?
誰か、教えてくれ
私は、ガラスケースに頭をつけて
泣いた。
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