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光珠の視点
麗奈の幽体
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ゐ空さんが、いなくなって麗奈を見つめていた。
私は、彼女に触(ふ)れる。
『光珠』
「麗奈?」
『そう。ゐ空さんが、私に入れるようにしてくれたの』
「まさか、幽体か」
『そうよ!ゐ空さんの人形は、器になるって聞いたでしょ?見て』
麗奈のお腹に、触(ふ)れる。
ポコポコと蹴っている。
「まさか!!」
『ゐ空さんは、お腹の赤ちゃんまで忠実に再現してくれたのよ。お婆ちゃんが、それを望んだから』
「私のせいで、麗奈が死んだんだ。償っても償いきれない。」
『関係ないわ。ゐ空さんが、言っていた言葉は本当よ。私ね、光珠が見せる顔が時々不安だった。三津木を継いだのは、付き合ってすぐだったでしょ?忙しかったのもちゃんとわかってる。結婚して一緒にいれば、不安はなくなると思った。だけど、なくならなかった。赤ちゃんが出来たら不安はなくなると思った。だけど、なくならなかった。そんな繰り返しが、正直辛かったの。光珠といるのは、幸せ。でも、光珠の見せる顔が不安で。』
「麗奈…。」
私は、麗奈の手を握りしめた。
『幸せなのに、ゆっくりゆっくり広がっていくの。不安や寂しさが…。お腹にこの子がいるのに、悲しくて辛いの。誰にも言えなかった。前にね、電車に飛び込もうとした私を美佐埜(みさの)さんがとめたって知ってた?』
「知らない。そんなのは、聞いた事がない。」
『言わないでって言ってたもの。約束守ってくれたのね。』
「いつ、そんな事をしたの…。」
『急に、すごく怖くて、不安になって。何故か、電車に飛び込もうとした。美佐埜さんが、見つけて私を引き寄せた。それで、産婦人科に行ってみようかって連れて行ってくれたの』
「妊娠していたから、そうなったのか?」
『わからないけど、そうだったみたい。』
麗奈は、泣きながら私の手を強く握る。
「美佐埜さんは、気づいてくれたんだね。」
『美佐埜さんの友達が妊娠してたのに気づかずに亡くなったって!それと、美佐埜さん自身も、前の旦那さんを亡くしてからホルモンバランスを崩して毎日鬱々していたからと話してくれた。だから、私もそうじゃないのかな?って思ったって言ってくれてね。妊娠した事を凄く喜んでくれた。光珠も喜ぶねって言ってくれてね。』
「そんな事があったのを知っていたら…。」
麗奈は、首を横に振った。
『知っていたら、助けれたとか守れたって言うなら違うわ。これは、私の問題だった。いつだって、私の問題だった。不安な気持ちを拭えないのも、幸せなのに広がっていく空しさも、私の問題だったんだよ。もっと、ちゃんと光珠に不安だって言えばよかった。遠慮なんかしないで、寂しいって抱きつけばよかった。私は、出来なかった。だから、駄目だったんだと思うの』
「麗奈、私が悪かったんだよ。言葉と態度で、もっと向き合えばよかった。」
『ううん。病院に行って、お薬とかもちゃんと飲めばよかったのかもね。』
「それは、親友が自殺したから飲みたくないって話してくれただろ?怖いから、飲みたくないって…。だから、私がもっと仕事をセーブして麗奈に寄り添ってケアしていたら…。そんな気持ちには、ならなかったし。こんな結果には、ならなかったし…。」
『光珠は、いつもそうやって言ってるね。私、見てたよ。光珠が、いつも後悔して泣いているの。でもね、ゐ空さんが話した通り。私は、殺されなくても死んでいた。予定では、この子を産んでからのはずだったんだけどね』
「計画を立てていたのか?」
『立てていないわよ。ただ、このまま空っぽが広がって、お腹も空っぽになったら、あの日と同じことをする気がしていたの。漠然とそれを思っていたって話。だから、とんでもないものを引き寄せたのよね。彼が、私の心に共鳴したのよね』
麗奈は、私の頬に優しく手を当ててくれる。
私は、彼女に触(ふ)れる。
『光珠』
「麗奈?」
『そう。ゐ空さんが、私に入れるようにしてくれたの』
「まさか、幽体か」
『そうよ!ゐ空さんの人形は、器になるって聞いたでしょ?見て』
麗奈のお腹に、触(ふ)れる。
ポコポコと蹴っている。
「まさか!!」
『ゐ空さんは、お腹の赤ちゃんまで忠実に再現してくれたのよ。お婆ちゃんが、それを望んだから』
「私のせいで、麗奈が死んだんだ。償っても償いきれない。」
『関係ないわ。ゐ空さんが、言っていた言葉は本当よ。私ね、光珠が見せる顔が時々不安だった。三津木を継いだのは、付き合ってすぐだったでしょ?忙しかったのもちゃんとわかってる。結婚して一緒にいれば、不安はなくなると思った。だけど、なくならなかった。赤ちゃんが出来たら不安はなくなると思った。だけど、なくならなかった。そんな繰り返しが、正直辛かったの。光珠といるのは、幸せ。でも、光珠の見せる顔が不安で。』
「麗奈…。」
私は、麗奈の手を握りしめた。
『幸せなのに、ゆっくりゆっくり広がっていくの。不安や寂しさが…。お腹にこの子がいるのに、悲しくて辛いの。誰にも言えなかった。前にね、電車に飛び込もうとした私を美佐埜(みさの)さんがとめたって知ってた?』
「知らない。そんなのは、聞いた事がない。」
『言わないでって言ってたもの。約束守ってくれたのね。』
「いつ、そんな事をしたの…。」
『急に、すごく怖くて、不安になって。何故か、電車に飛び込もうとした。美佐埜さんが、見つけて私を引き寄せた。それで、産婦人科に行ってみようかって連れて行ってくれたの』
「妊娠していたから、そうなったのか?」
『わからないけど、そうだったみたい。』
麗奈は、泣きながら私の手を強く握る。
「美佐埜さんは、気づいてくれたんだね。」
『美佐埜さんの友達が妊娠してたのに気づかずに亡くなったって!それと、美佐埜さん自身も、前の旦那さんを亡くしてからホルモンバランスを崩して毎日鬱々していたからと話してくれた。だから、私もそうじゃないのかな?って思ったって言ってくれてね。妊娠した事を凄く喜んでくれた。光珠も喜ぶねって言ってくれてね。』
「そんな事があったのを知っていたら…。」
麗奈は、首を横に振った。
『知っていたら、助けれたとか守れたって言うなら違うわ。これは、私の問題だった。いつだって、私の問題だった。不安な気持ちを拭えないのも、幸せなのに広がっていく空しさも、私の問題だったんだよ。もっと、ちゃんと光珠に不安だって言えばよかった。遠慮なんかしないで、寂しいって抱きつけばよかった。私は、出来なかった。だから、駄目だったんだと思うの』
「麗奈、私が悪かったんだよ。言葉と態度で、もっと向き合えばよかった。」
『ううん。病院に行って、お薬とかもちゃんと飲めばよかったのかもね。』
「それは、親友が自殺したから飲みたくないって話してくれただろ?怖いから、飲みたくないって…。だから、私がもっと仕事をセーブして麗奈に寄り添ってケアしていたら…。そんな気持ちには、ならなかったし。こんな結果には、ならなかったし…。」
『光珠は、いつもそうやって言ってるね。私、見てたよ。光珠が、いつも後悔して泣いているの。でもね、ゐ空さんが話した通り。私は、殺されなくても死んでいた。予定では、この子を産んでからのはずだったんだけどね』
「計画を立てていたのか?」
『立てていないわよ。ただ、このまま空っぽが広がって、お腹も空っぽになったら、あの日と同じことをする気がしていたの。漠然とそれを思っていたって話。だから、とんでもないものを引き寄せたのよね。彼が、私の心に共鳴したのよね』
麗奈は、私の頬に優しく手を当ててくれる。
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