9 / 65
桜の下の天使
惹かれた想い
しおりを挟む
私は、桂木さんの【助けて】をあの日と同じように受け取った。
それから、退院までの間。
休みの日以外は、毎日桂木さんと話した。
不思議な事に、桂木さんと過ごす時間は楽しくてあっという間だった。
こんなに笑ったのは、久しぶりだった。
こんなに、誰かといたいと思ったのは久しぶりだった。
上條にも、最近いい顔をしていると言われた。
明日で、退院の日を迎えた。
私も、朝で終わりだった。
私は、拒まれる覚悟で桂木さんに通帳を渡した。
桂木さんは、最初は色々言っていたが受け入れてくれた。
次の日、私は朝一で医者の仕事を終えた。
「お疲れさまでした。」
たくさんの花束を貰った。
「一ノ瀬君、頑張ってくれ」
院長先生に、握手をされた。
「一ノ瀬、また会おう。仕事は、関係無しだ。」
「ああ、上條。」
「頑張れよ。」
上條は、そう言って去っていった。
私は、服を着替えた。
桂木さんの病室に来ていた。
「はあ?意味わかんないんだけど」
蕪木さんが、怒っていた。
「先生」
「これを預かっていてくれるか?」
私は、花束を桂木さんの机の上に置いた。
「初めまして、一ノ瀬です。お金を振り込ませていただきたいので、銀行にいきませんか?」
「はあ?意味わかんないんだけど。」
「私と桂木さんは、これから住むことになりましたので」
「丈助、オメーいつからオカマになったんだよ」
「桂木さんは、関係ありません。私が、お願いしただけです」
「テメー、ふざけんなよ」
「警察呼びますか?それとも、銀行に行きますか?」
「わかったよ」
蕪木さんは、おとなしく銀行についてきた。
私は、蕪木さんの口座にお金をうつしてもらった。
「これからは、桂木さんに関わらないでもらえますか?」
「気持ちわりいやつだな、あんた。わかったよ」
私の事を睨み付けて、去っていった。
私は、病院に戻った。
病室で、桂木さんは退院準備をしていた。
「先生、お金貸してもらってもいいですか?お会計できたみたいで」
「構いませんよ」
私は、桂木さんとロビーにおりた。
お会計を払って、退院した。
「筋力低下しました。」
「そうでしょうね」
「散歩してたんですけどね」
「足りないですよね」
私は、桂木さんを家に入れた。
「お邪魔します。」
「まだ、途中までで片付けすみません」
「先生、ありがとう」
「もう先生は、やめてください。一ノ瀬倫です。」
「俺は、桂木丈助です。」
「なんてお呼びしましょうか?」
「死んだ彼女には、ジョーって呼ばれてました。先生は?」
「私は、倫って呼ばれてました。じゃあ、ジョーって呼びますね」
「じゃあ、俺も倫で。」
照れくさかった。
私は、お花をキッチンで花瓶にさす。
「死ぬつもりでした。蕪木の約束を守ったら、すぐにでも。」
「そうですか」
「それしか、逃げる方法がみつからないと思ったから。なのに、倫が助けてくれるなんて思わなかった。」
「ジョー、私と一緒に生きていこう。どんな事があっても、傍にいるから」
「もう、先生はする気ないのか?」
「はい、するつもりはありません。」
「勿体ないな。こんなに、丁寧なのにさ」
ジョーは、お腹の傷痕を私に見せた。
「私は、愛する彼女を救えなかった日から医者ではなくなりました。救いたい気持ちよりも、死んだらどうしようという気持ちがかってしまったんです。そう思うほどに、手術が出来なくなっていきました。ジョーを治療出来たのは、奇跡でした。久しぶりに、救いたいと思ったんです。だから、ジョーを助ける事が出来た」
「倫、いつかまた医者になりたくなった時は迷わずやってくれよ。俺は、応援するから」
ジョーは、私の手を両手で強く握りしめた。
私は、ジョーとのこの出会いをこの先もずっとずっと忘れないだろう
それから、退院までの間。
休みの日以外は、毎日桂木さんと話した。
不思議な事に、桂木さんと過ごす時間は楽しくてあっという間だった。
こんなに笑ったのは、久しぶりだった。
こんなに、誰かといたいと思ったのは久しぶりだった。
上條にも、最近いい顔をしていると言われた。
明日で、退院の日を迎えた。
私も、朝で終わりだった。
私は、拒まれる覚悟で桂木さんに通帳を渡した。
桂木さんは、最初は色々言っていたが受け入れてくれた。
次の日、私は朝一で医者の仕事を終えた。
「お疲れさまでした。」
たくさんの花束を貰った。
「一ノ瀬君、頑張ってくれ」
院長先生に、握手をされた。
「一ノ瀬、また会おう。仕事は、関係無しだ。」
「ああ、上條。」
「頑張れよ。」
上條は、そう言って去っていった。
私は、服を着替えた。
桂木さんの病室に来ていた。
「はあ?意味わかんないんだけど」
蕪木さんが、怒っていた。
「先生」
「これを預かっていてくれるか?」
私は、花束を桂木さんの机の上に置いた。
「初めまして、一ノ瀬です。お金を振り込ませていただきたいので、銀行にいきませんか?」
「はあ?意味わかんないんだけど。」
「私と桂木さんは、これから住むことになりましたので」
「丈助、オメーいつからオカマになったんだよ」
「桂木さんは、関係ありません。私が、お願いしただけです」
「テメー、ふざけんなよ」
「警察呼びますか?それとも、銀行に行きますか?」
「わかったよ」
蕪木さんは、おとなしく銀行についてきた。
私は、蕪木さんの口座にお金をうつしてもらった。
「これからは、桂木さんに関わらないでもらえますか?」
「気持ちわりいやつだな、あんた。わかったよ」
私の事を睨み付けて、去っていった。
私は、病院に戻った。
病室で、桂木さんは退院準備をしていた。
「先生、お金貸してもらってもいいですか?お会計できたみたいで」
「構いませんよ」
私は、桂木さんとロビーにおりた。
お会計を払って、退院した。
「筋力低下しました。」
「そうでしょうね」
「散歩してたんですけどね」
「足りないですよね」
私は、桂木さんを家に入れた。
「お邪魔します。」
「まだ、途中までで片付けすみません」
「先生、ありがとう」
「もう先生は、やめてください。一ノ瀬倫です。」
「俺は、桂木丈助です。」
「なんてお呼びしましょうか?」
「死んだ彼女には、ジョーって呼ばれてました。先生は?」
「私は、倫って呼ばれてました。じゃあ、ジョーって呼びますね」
「じゃあ、俺も倫で。」
照れくさかった。
私は、お花をキッチンで花瓶にさす。
「死ぬつもりでした。蕪木の約束を守ったら、すぐにでも。」
「そうですか」
「それしか、逃げる方法がみつからないと思ったから。なのに、倫が助けてくれるなんて思わなかった。」
「ジョー、私と一緒に生きていこう。どんな事があっても、傍にいるから」
「もう、先生はする気ないのか?」
「はい、するつもりはありません。」
「勿体ないな。こんなに、丁寧なのにさ」
ジョーは、お腹の傷痕を私に見せた。
「私は、愛する彼女を救えなかった日から医者ではなくなりました。救いたい気持ちよりも、死んだらどうしようという気持ちがかってしまったんです。そう思うほどに、手術が出来なくなっていきました。ジョーを治療出来たのは、奇跡でした。久しぶりに、救いたいと思ったんです。だから、ジョーを助ける事が出来た」
「倫、いつかまた医者になりたくなった時は迷わずやってくれよ。俺は、応援するから」
ジョーは、私の手を両手で強く握りしめた。
私は、ジョーとのこの出会いをこの先もずっとずっと忘れないだろう
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
【完結/番外追加】サリシャの光 〜憧れの先へ〜
ねるねわかば
恋愛
彼女は進む。過去に囚われた者たちを残して──
大商会の娘サーシャ。
子どもの頃から家業に関わる彼女は、従妹のメリンダと共に商会の看板娘として注目を集めていた。
華々しい活躍の裏で、着実に努力を重ねて夢へと向かうサーシャ。しかし時には心ないことを言う者もいた。
そんな彼女が初めて抱いた淡い恋。
けれどその想いは、メリンダの涙と少年の軽率な一言であっさり踏みにじられてしまう。
サーシャはメリンダたちとは距離をおき、商会の仕事からも離れる。
新たな場所で任される仕事、そして新たな出会い。どこにあっても、彼女が夢を諦めることはない。
一方、光に囚われた者たちは後悔と執着を募らせていき──
夢を諦めない少女が、もがきながら光を紡いでいく軌跡。
※前作「ルースの祈り」と同じ世界観で登場人物も一部かぶりますが、単体でお読みいただけます。
※作中の仕事や制作物、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる