47 / 65
花びらの舞い散る夜に…
さよならと告白
しおりを挟む
僕は、イチゴとの暮らしをしながら健斗さんの病院に足を運んだ。
健斗さんは、一度も目を覚ます事はなかった。
春が終わり、6月1日に健斗さんはその生涯を終えた。
「助けられなくて、すみませんでした。」
上條先生は、お医者さんなのに泣きながら僕に頭を下げた。
「別に、先生が悪いわけじゃないですよ」
僕は、ようやく健斗さんをイチゴに会わせてあげられた。
イチゴは、戸惑いながらも健斗さんの近くに居てくれた。
葬儀は、僕が喪主を勤めた。
健斗さんは、その性格のよさから100人以上がやってきた。
健斗さんは、あまり泣かない人で正義感が強かった。
そんな人の葬式が、どしゃ降りなんてなんかやるせなかった。
葬儀が、無事に終わった。
僕は、何度も棺に抱きついた。
だけど、健斗さんは生き返らなかったし、冷たいままだった。
お骨をもって帰ってくると、イチゴは狂ったように鳴いていた。
僕も涙がとめられなくて、イチゴを抱き締めていた。
僕は、会社に辞表を出した。
残りは、有給を消費する事にした。
遺言書を弁護士さんに見せた。
共同の貯金は、もうすぐ1000万になる予定だった。
健斗さんのものは、全て僕のものになった。
健斗さんが、亡くなって一週間が経った。
僕は、仕事場に健斗さんの荷物を取りにきていた。
その帰りに、先輩が声をかけてきた。
「辞めるのか?浜井」
野上先輩は、煙草を吸いながら僕を見つめていた。
「何かもうやる気がなくて、すみません」
「謝んなよ」
野上先輩の結婚式のスピーチは、出来なかった。
「ちょっと、胸借りていいですか?」
「いいぞ」
僕は、狂ったように野上先輩の胸の中で泣いたんだ。
「無理すんなよ。いつでも、連絡しろよ」
「はい、お世話になりました。」
仕事場から僕は、帰った。
「人殺すのだけは、やめておきなよ」
帰宅した僕に声をかけた。
「何で、先生がいるんですか?」
「これを、返すのを忘れていまして、すみません」
紙袋を渡された。
「これは、返すものじゃないですよね?」
「バレちゃいましたか」
僕は、紙袋から花束を取り出した。
「ふざけてますか」
僕は、怒って紙袋を返した。
「好きだと言ったら殴られますか?」
上條先生は、僕を抱き締めた。
「ふざけないで」
「離さない」
「離せよ、気持ち悪いんだよ」
「嫌だ」
「どうして…」
「言ったよね。俺は、浜井さんの気持ちが痛い程わかるって。殺そうと思ってない?犯人の事。未成年だったよね」
上條先生は、そう言った。
「何なんだよ、あんた。最低だろ?僕達の愛の巣にズカズカ現れて、気持ち悪い告白までしてきて。何なんだよ」
「好きになったんだから、仕方ないだろ?初めて、自分をさらけ出したいって思ったんだからとめられなかったんだよ。命を扱ってる俺には、恋に落ちるなんて一瞬で、いつ死ぬかわからないから気持ちを伝えたかったんだよ。迷惑かけるつもりはなかった。五木結斗、調べてくれ。それと、このお花は冴草さんに…。救えなかったお詫びです。私は、もう二度とあんな思いをしたくなかった。なのに、助けられなかった。だから、お供えして下さい。」
上條先生は、そう言って帰って行った。
五木結斗…
僕は、家に入った。
「ただいま、イチゴ」
【ニャー】
僕は、イチゴをゲージから出した。
意味わかんないよ
僕は、花瓶に花をいれた。
「健斗さん、変な人が付いてきたよ。守ってよ。健斗さん」
僕は、お花を供えながら話しかけた。
スマホを取り出して、【五木結斗】を検索した。
平仮名で、検索したけどすんなりと出てきた。
当時、14歳の同級生の少年に暴行を受けて、搬送先の病院で死亡した。
はっ!!!
健斗さんが、運ばれた日。
痛い程よくわかると言った気持ちがわかった。
同じ痛みを感じていたのだ。
だから、先生は、ほとんど毎日のように、健斗さんの病室にいてくれたんだ。
健斗さんは、一度も目を覚ます事はなかった。
春が終わり、6月1日に健斗さんはその生涯を終えた。
「助けられなくて、すみませんでした。」
上條先生は、お医者さんなのに泣きながら僕に頭を下げた。
「別に、先生が悪いわけじゃないですよ」
僕は、ようやく健斗さんをイチゴに会わせてあげられた。
イチゴは、戸惑いながらも健斗さんの近くに居てくれた。
葬儀は、僕が喪主を勤めた。
健斗さんは、その性格のよさから100人以上がやってきた。
健斗さんは、あまり泣かない人で正義感が強かった。
そんな人の葬式が、どしゃ降りなんてなんかやるせなかった。
葬儀が、無事に終わった。
僕は、何度も棺に抱きついた。
だけど、健斗さんは生き返らなかったし、冷たいままだった。
お骨をもって帰ってくると、イチゴは狂ったように鳴いていた。
僕も涙がとめられなくて、イチゴを抱き締めていた。
僕は、会社に辞表を出した。
残りは、有給を消費する事にした。
遺言書を弁護士さんに見せた。
共同の貯金は、もうすぐ1000万になる予定だった。
健斗さんのものは、全て僕のものになった。
健斗さんが、亡くなって一週間が経った。
僕は、仕事場に健斗さんの荷物を取りにきていた。
その帰りに、先輩が声をかけてきた。
「辞めるのか?浜井」
野上先輩は、煙草を吸いながら僕を見つめていた。
「何かもうやる気がなくて、すみません」
「謝んなよ」
野上先輩の結婚式のスピーチは、出来なかった。
「ちょっと、胸借りていいですか?」
「いいぞ」
僕は、狂ったように野上先輩の胸の中で泣いたんだ。
「無理すんなよ。いつでも、連絡しろよ」
「はい、お世話になりました。」
仕事場から僕は、帰った。
「人殺すのだけは、やめておきなよ」
帰宅した僕に声をかけた。
「何で、先生がいるんですか?」
「これを、返すのを忘れていまして、すみません」
紙袋を渡された。
「これは、返すものじゃないですよね?」
「バレちゃいましたか」
僕は、紙袋から花束を取り出した。
「ふざけてますか」
僕は、怒って紙袋を返した。
「好きだと言ったら殴られますか?」
上條先生は、僕を抱き締めた。
「ふざけないで」
「離さない」
「離せよ、気持ち悪いんだよ」
「嫌だ」
「どうして…」
「言ったよね。俺は、浜井さんの気持ちが痛い程わかるって。殺そうと思ってない?犯人の事。未成年だったよね」
上條先生は、そう言った。
「何なんだよ、あんた。最低だろ?僕達の愛の巣にズカズカ現れて、気持ち悪い告白までしてきて。何なんだよ」
「好きになったんだから、仕方ないだろ?初めて、自分をさらけ出したいって思ったんだからとめられなかったんだよ。命を扱ってる俺には、恋に落ちるなんて一瞬で、いつ死ぬかわからないから気持ちを伝えたかったんだよ。迷惑かけるつもりはなかった。五木結斗、調べてくれ。それと、このお花は冴草さんに…。救えなかったお詫びです。私は、もう二度とあんな思いをしたくなかった。なのに、助けられなかった。だから、お供えして下さい。」
上條先生は、そう言って帰って行った。
五木結斗…
僕は、家に入った。
「ただいま、イチゴ」
【ニャー】
僕は、イチゴをゲージから出した。
意味わかんないよ
僕は、花瓶に花をいれた。
「健斗さん、変な人が付いてきたよ。守ってよ。健斗さん」
僕は、お花を供えながら話しかけた。
スマホを取り出して、【五木結斗】を検索した。
平仮名で、検索したけどすんなりと出てきた。
当時、14歳の同級生の少年に暴行を受けて、搬送先の病院で死亡した。
はっ!!!
健斗さんが、運ばれた日。
痛い程よくわかると言った気持ちがわかった。
同じ痛みを感じていたのだ。
だから、先生は、ほとんど毎日のように、健斗さんの病室にいてくれたんだ。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結/番外追加】サリシャの光 〜憧れの先へ〜
ねるねわかば
恋愛
彼女は進む。過去に囚われた者たちを残して──
大商会の娘サーシャ。
子どもの頃から家業に関わる彼女は、従妹のメリンダと共に商会の看板娘として注目を集めていた。
華々しい活躍の裏で、着実に努力を重ねて夢へと向かうサーシャ。しかし時には心ないことを言う者もいた。
そんな彼女が初めて抱いた淡い恋。
けれどその想いは、メリンダの涙と少年の軽率な一言であっさり踏みにじられてしまう。
サーシャはメリンダたちとは距離をおき、商会の仕事からも離れる。
新たな場所で任される仕事、そして新たな出会い。どこにあっても、彼女が夢を諦めることはない。
一方、光に囚われた者たちは後悔と執着を募らせていき──
夢を諦めない少女が、もがきながら光を紡いでいく軌跡。
※前作「ルースの祈り」と同じ世界観で登場人物も一部かぶりますが、単体でお読みいただけます。
※作中の仕事や制作物、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる