君の傷つけ方なら知っている

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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結末なら知っている

東子の話⑤

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「拓実君のお母さんは、私との事を許さないから」

「どういう意味?」

「お母さんに会ったの、別れて欲しいって言われたの。だから、あの日拓実君に嫌われるように仕向けたの」

「だったら、言ってくれたらよかったよね?」

「言えなかった。お母さんを捨てて欲しくなかったから…」

「とこちゃん」

「だから、今日だけ…。拓実君を刻み付けて」

「もう、会わないって事?」

涙がボロボロ流れ落ちてくる。私は、頷いた。

「とこちゃん、嫌だよ」

「私も同じ気持ちだから…。永遠にこの気持ちとこの出来事を背負って生きて行くから…」

「とこちゃん、愛してる」

「拓実君が、欲しかったよ。ずっと、好きだったよ。こうやって、したかったよ」

「とこちゃん、俺もだよ」

優しいキスが降り積もっていく、重なりあった肌と流れる涙、愛してるをさよならの代わりに沢山伝えた。

「後ろからしてくれる?」

「どうして?」

「いつでも、思い出せるように…」

「わかった」

私は、拓実君に後ろから抱いてもらった。

私達は、お互いを忘れないようにイチャイチャしていた。

唇の感触、手の感触、舌の感触、足の感触…。

記憶させるように、互いの体をなぞりあった。

「とこちゃん、愛してる」

「拓実君、私も愛してるよ」

8時まで、続けていた。

「とこちゃん」

服を整えて、立ち上がった。

「とこちゃんを忘れたくない」

「お家(うち)にプレゼント送るから、楽しみに待っていてくれる?」

「プレゼント?」

「拓実君、ううん、来月の拓実の誕生日に送るから受け取ってくれる?」

「わかった、とこ、東子」

「後、これあげる」

私は、お気に入りのシルバーのブレスレットを渡した。

「これ、いいの?」

「自分で買ったお気に入りだから、拓実にあげる」

「じゃあ、俺も…」

拓実は、シルバーのイヤーカフを掌に置いた。

「忘れないで」

「うん」

「今日の事も忘れないで」

「うん、忘れない」

『愛してる』

私と拓実は、抱き合って長い長いキスをしてさよならをした。

家に帰って、私はアクセサリーケースにイヤーカフをしまった。

シャワーを浴びる。

「ただいま、東子。お風呂?」

「うん、汗かいちゃったから」

「そっか!今日は、これ買ってきたよ。晩御飯に!もう作っちゃた?」

「友達と会ってたから、さっき帰ってきたから助かった」

「じゃあ、よかった」

「うん」

シャワーからあがって、隆太が買ってきた餃子を何事もなく食べながら笑った。

もう、隆太が飲み会に行った日の事を私許すね。

だって、私の方が酷い裏切りをしたんだから…。

「美味しいね」

「うん、美味しい」

私は、また変わらない日常に戻っていく。


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