君の傷つけ方なら知っている

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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結末なら知っている

拓実の話④

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『お母さんは、年齢じゃないって言ってたから、結婚してたよ』

「東子、ごめんな」

『ううん』

「今更、遅いよな」

『ううん、私も結婚しててごめんね。』

「いいんだ」

せっかく気持ちが重なり合ったのに、東子は結婚してるんだ。

暫く、電話で話していたけど東子は寝るねと言って電話を切った。

沢山、愛してるを言った。

ブーって、バイブがなると東子から動画が届いた。

【きっと、もう拓実に会う事はないと思うんだ】

真っ暗な画面に声だけが響いてる。

【でもね、拓実には私を覚えていて欲しい。だから、動画を撮ってる。声だけでも忘れないで…。それとね、下手くそだけどずっと拓実を思って歌ってた歌があるの聞いてくれる?】

そう言って、また別の動画がやってきた。

【君を嫌いになったわけじゃないんだ♪本当は、好きって言えなかったんだ♪会いたい夜を何度も乗り越えた♪抱きたい夜を何度も乗り越えた♪やっと眠れる♪これでやっと眠る事が出来るよ♪】

東子は、一曲歌い上げていた。

そして、メッセージがきた。

【星(せい)の一生好きでいさせて下さいって曲だよ!聞いてみて!私は、音痴だから…。拓実、さよならだね。これは、消すから…】

【東子、嫌だよ】

【駄目だよ!来月楽しみにしててね。教えてくれた住所に送るから】

【東子、もう一回だけ電話して】

既読にならない。

眠ったのだろうか?

ブー、ブー

「東子」

『最後だよ』

「ごめんね、俺。あの頃と何も変わってない」

『それは、いいんだよ』

「東子、幸せになってね」

『うん、ありがとう』

「一生、東子を忘れないから」

『うん、ありがとう。私も拓実を忘れないよ』

「あのさ、ハンドタオル忘れてるよ」

『捨ててて!』

「もらっていい?」

『いいよ』

「東子が使ってる柔軟剤なに?」

『何か緑のやつのとこ。わかる?』

「わかる、頭にすぐ浮かんだ」

『拓実は、どこの使ってるの?』

「俺は、赤いの。だけど、東子が使ってるやつをこれから使うよ」

『どうして?』

「いい匂いだったから…」

東子は、ニコって微笑んでくれる。

『気に入ってくれて、よかった』

「うん、気に入った」

『じゃあ、もう寝るね』

「わかった、おやすみ」

『じゃあね、おやすみ』

さよならは、電話ではしなかった。

東子は、手をずっと振ってくれていた。

【さよなら、拓実】

【さよなら、東子】

俺は、ムービーを落とした。

東子に、ありがとう、大好きだよって動画を俺は送った。

東子が、それを保存してくれていたかは知る事は出来なかった。

次の日、東子は存在しない人に変わっていて。

俺は、泣いていたんだ。
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