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怒られた事と現在
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柚の家につく頃には、22時を回っていた。
「じゃあね」
「嫌、僕が謝るよ」
柚にそう言うと鍵を開けて、中にいれてくれた。
開けた瞬間、柚の両親が待っていた。
「柚羽、何してたの?」
「何時だと思ってるんだ」
手をあげられそうになったのを僕は、庇った。
「すみませんでした。僕が、柚羽さんを連れ回しました。帰りたくないゆうた僕を心配して、こんな時間までいてくれました。だから、柚羽(ゆずは)さんは何(なん)も悪くないんです。」
「ふざけてるのか?女の子を連れ回して」
バシン、バシン、バシン、柚のお父さんが平手で僕を殴った。
「すみませんでした。」
「もう二度と柚羽には、近づかないでくれ」
「わかりました。すみませんでした。」
「帰れ、顔もみたくない」
ガチャン…。
閉じた扉の先の光景を僕は、知ることが出来なかった。
柚が、殴られていなければいい。
それしか、考えていなかった。
「色男、ホテルに行ったんやな?」
帰宅すると晴兄が、玄関に立っていた。
探しに行こうとしたのか、靴をはく所だったようだ。
「いったよ。」
僕は、晴兄を見つめて言った。
「キスマーク、つけまくるんはアカンやろ?」
「えっ?」
僕は、洗面所に行った。
大量につけられてる事に気づかなかった。
あー。
もう、明日にはいなくなるんだ。
だから、つけたんだ。
そう思うと膝から崩れ落ちた。
「そんなに泣いてどないしたん?」
「別になんもないよ」
「青(しょう)、生きててや」
「急に、何?」
「わからんけど、お前おらんなったら。俺、生きてる意味わからへんくなる。」
「晴兄、どないしたん?」
晴兄は、珍しく泣いていた。
「わからんけど、なんかおってくれよ。俺、お前おらん人生はいらんで。どんな事でも一緒に乗り越えたるから…。だから、おってくれ。美味しいもん、一緒に食べて笑(わろ)てくれたら他はなんもいらんから」
晴兄の言葉に、頷く事が出来なかった。
「疲れたから、寝るわ」
僕は、晴兄を置いて部屋に行った。
現在ー
ピンポーン
デカイ、インターホンの音で目が覚めた。
「はい」
「お荷物、二つです。」
「はい」
「ここにサインお願いします」
「はい」
二つの荷物にサインをした。
60サイズの段ボールと小さな箱。
60サイズの方は、兄ちゃんからだった。
中を開ける、ラーメン、うどん、わかめ、昆布、ふりかけ…。
封筒を開けた。
[誕生日おめでとう。ちゃんと飯くってるか?40歳の青(しょう)に何を送っていいかわからないので自分で買って下さい。大事に使うんやで!また、うまいもん食わせたるからな。青(しょう)が生きてるだけで、俺は幸せやで 晴一]
兄ちゃんが、書いた伝票の字を指でなぞる。
いつも必要な書類には、この名前があった。
[杉野晴一(すぎのはるいち)]
あの日、兄ちゃんは僕を追いかけてきた。
『大事な用やから帰れや』
兄ちゃんは、渋々立ち止まった。
その二時間後、プリペイド携帯が鳴った。
『兄ちゃん…今まで幸せやったよ。ありがとー。僕の分も生きてや』
『どこや?どこにおんねん』
『火の勢いおさまらんぞ、水増やせ』
『生存者はおったか?』
『いや、生存者はおらんみたいや』
薄れ行く意識の中、誰かのやり取りを聞いていた。
なぜか、夜の闇に紛れて僕は、見つからないんだと思っていた。
目覚めたら、真っ白な天井が広がっていた。
「青(しょう)、よかった。ホンマ、よかった。」
晴兄の涙が、ボタボタと落ちてきた。
「天国か?」
「アホか、下界じゃボケ」
バチンと頭を叩かれた。
さっきまで、泣いていた兄ちゃんは怒っていた。
「下界って、なんやねん。痛いな」
「死ぬなんて、許さんからな」
「柚は?柚は、どうなったんや?」
「誰や、それ?」
「焼けた家の人や、柚は」
兄ちゃんは、ベッドから降りようとする僕を叩いた。
「あの家には、生存者はいなかったんやで」
兄ちゃんは、週刊紙を置いた。
[少女は、なぜ…兄を道連れにしたのか?]
「なんやねん。このタイトル」
僕は、週刊紙を投げ捨てた。
今でも、腹が立つ。
あのタイトル。
僕は、小さな段ボール箱を見つめる。
差出人、朝井戸柚羽
柚羽?
生きてるんか?
「じゃあね」
「嫌、僕が謝るよ」
柚にそう言うと鍵を開けて、中にいれてくれた。
開けた瞬間、柚の両親が待っていた。
「柚羽、何してたの?」
「何時だと思ってるんだ」
手をあげられそうになったのを僕は、庇った。
「すみませんでした。僕が、柚羽さんを連れ回しました。帰りたくないゆうた僕を心配して、こんな時間までいてくれました。だから、柚羽(ゆずは)さんは何(なん)も悪くないんです。」
「ふざけてるのか?女の子を連れ回して」
バシン、バシン、バシン、柚のお父さんが平手で僕を殴った。
「すみませんでした。」
「もう二度と柚羽には、近づかないでくれ」
「わかりました。すみませんでした。」
「帰れ、顔もみたくない」
ガチャン…。
閉じた扉の先の光景を僕は、知ることが出来なかった。
柚が、殴られていなければいい。
それしか、考えていなかった。
「色男、ホテルに行ったんやな?」
帰宅すると晴兄が、玄関に立っていた。
探しに行こうとしたのか、靴をはく所だったようだ。
「いったよ。」
僕は、晴兄を見つめて言った。
「キスマーク、つけまくるんはアカンやろ?」
「えっ?」
僕は、洗面所に行った。
大量につけられてる事に気づかなかった。
あー。
もう、明日にはいなくなるんだ。
だから、つけたんだ。
そう思うと膝から崩れ落ちた。
「そんなに泣いてどないしたん?」
「別になんもないよ」
「青(しょう)、生きててや」
「急に、何?」
「わからんけど、お前おらんなったら。俺、生きてる意味わからへんくなる。」
「晴兄、どないしたん?」
晴兄は、珍しく泣いていた。
「わからんけど、なんかおってくれよ。俺、お前おらん人生はいらんで。どんな事でも一緒に乗り越えたるから…。だから、おってくれ。美味しいもん、一緒に食べて笑(わろ)てくれたら他はなんもいらんから」
晴兄の言葉に、頷く事が出来なかった。
「疲れたから、寝るわ」
僕は、晴兄を置いて部屋に行った。
現在ー
ピンポーン
デカイ、インターホンの音で目が覚めた。
「はい」
「お荷物、二つです。」
「はい」
「ここにサインお願いします」
「はい」
二つの荷物にサインをした。
60サイズの段ボールと小さな箱。
60サイズの方は、兄ちゃんからだった。
中を開ける、ラーメン、うどん、わかめ、昆布、ふりかけ…。
封筒を開けた。
[誕生日おめでとう。ちゃんと飯くってるか?40歳の青(しょう)に何を送っていいかわからないので自分で買って下さい。大事に使うんやで!また、うまいもん食わせたるからな。青(しょう)が生きてるだけで、俺は幸せやで 晴一]
兄ちゃんが、書いた伝票の字を指でなぞる。
いつも必要な書類には、この名前があった。
[杉野晴一(すぎのはるいち)]
あの日、兄ちゃんは僕を追いかけてきた。
『大事な用やから帰れや』
兄ちゃんは、渋々立ち止まった。
その二時間後、プリペイド携帯が鳴った。
『兄ちゃん…今まで幸せやったよ。ありがとー。僕の分も生きてや』
『どこや?どこにおんねん』
『火の勢いおさまらんぞ、水増やせ』
『生存者はおったか?』
『いや、生存者はおらんみたいや』
薄れ行く意識の中、誰かのやり取りを聞いていた。
なぜか、夜の闇に紛れて僕は、見つからないんだと思っていた。
目覚めたら、真っ白な天井が広がっていた。
「青(しょう)、よかった。ホンマ、よかった。」
晴兄の涙が、ボタボタと落ちてきた。
「天国か?」
「アホか、下界じゃボケ」
バチンと頭を叩かれた。
さっきまで、泣いていた兄ちゃんは怒っていた。
「下界って、なんやねん。痛いな」
「死ぬなんて、許さんからな」
「柚は?柚は、どうなったんや?」
「誰や、それ?」
「焼けた家の人や、柚は」
兄ちゃんは、ベッドから降りようとする僕を叩いた。
「あの家には、生存者はいなかったんやで」
兄ちゃんは、週刊紙を置いた。
[少女は、なぜ…兄を道連れにしたのか?]
「なんやねん。このタイトル」
僕は、週刊紙を投げ捨てた。
今でも、腹が立つ。
あのタイトル。
僕は、小さな段ボール箱を見つめる。
差出人、朝井戸柚羽
柚羽?
生きてるんか?
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