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お別れの日
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目覚めてから、晴兄は凄く不機嫌だった。
「晴兄、朝御飯」
「好きなもん食え」
「なんでやねん。もうええわ」
「どこも行かせへんで」
腕を引っ張られて、座らされた。
「今日は、約束があるんや。夕方には、行かなアカンねん」
「アカン。絶対行かせへん」
晴兄は、無茶苦茶怒っていた。
「お願いやから、行かせて」
「アカン」
「もう、ええわ」
僕は、自分の部屋に閉じ籠った。
時刻は、9時を過ぎたぐらいだった。
はぁー。
行かしてくれなきゃ、柚を助けられないだろうがよ。
イライラして、枕を殴った。
「晴兄の、アホ、ボケ、カス」
そう言って、枕を殴り続けた。
柚が、死んだらどうすんだよ。
もう何も考えたくなくて、泣いて、泣いて、泣いて、気づいたら眠っていた。
コンコン
「はい」
「ご飯、食べるやろ?」
「今、何時?」
「17時」
「えっ?」
僕は、飛び起きた。
「寝すぎやで!青(しょう)」
「晴兄が、怒ってるからやろ、ずっと」
「ごめんな」
晴兄は、頭を撫でてきた。
「やめろ、ガキちゃうから」
「じゃあ、カレー食べよか」
「まだ、17時やで」
「たまには、ええやろ」
そう言われて、キッチンに行く。
18時までに、行きたい。
柚の所に…。
「はい、どうぞ」
「いただきます。」
僕は、もくもくと食べた。
「おかわり、あるよ」
「いらん」
「そんなに急いで食べんでも」
「ちょっとな」
「今日は、どこも行かせへんで」
僕は、晴兄を睨み付けた。
「ごちそうさまでした。」
シンクにお皿を下げに行った僕の腕を掴む。
「なんで、そんな顔するんや」
「晴兄が、ゆうたんやろ。好きなやつ作れって、離せや」
「待って、青(しょう)」
「うるさいわ」
僕は、家を飛び出した。
「待って、行かせへん」
晴兄は、すぐに僕を掴まえた。
「離せ、行かせろ、行かせろや」
涙が止まらなかった。
その手を振りほどいて、走る。
ザァー、ドンッ、ゴロゴロ
地鳴りみたいな雷と降りしきる雨の中、走り出した。
「青(しょう)、待って」
晴兄も、負けじとついてきた。
歩道橋の上で、腕を引っ張ってきた晴兄に「大事なようやから、帰れや」と睨み付けて怒鳴った。
僕の顔に、驚いた顔をしながらも、渋々腕を離した。
晴兄、幸せになるんやで
僕は、走る。
ドンッ…ビカッ
ゴロゴロ
「今の落ちたんやない?」
「そやな」
通りすぎた人が、そう言った。
振り返って、兄ちゃんを見ると項垂れながら歩いていた。
ごめんな。
でも、僕の事で悲しい思いするんは、今日で最後やから…。
18時になったのか、ピロロンとプリペイド携帯が鳴った。
[サヨウナラ、永遠に…]
柚が、死んでまう。
柚の、家についた。
「雷、落ちたんか?」
大雨やのに、家が燃え始めてる。
「柚、柚、僕も一緒に行くから」
「君は、きたんだ。」
リビング側の窓が、開いた。
真っ白なワンピースを真っ赤に染めた柚が立っていた。
「お兄ちゃん、殺したんか?手、怪我してるやんか」
ボタボタと右手から血が流れ落ちてる。
「手当てしたるから」
「いらないよ。どうせ、燃えちゃうんだから…。」
二階の柚の部屋から燃え始めているようだった。
「おいで」
柚は、僕を家にあげた。
ピシャッとリビングの扉を閉めた。
「ねぇー。しよう。最後だから…。」
そう言って柚は、僕にキスをした。
服のまま器用に肌を重ねた。
この状態で、そうなる自分の神経を疑った。
「こっち」
勝手口から、僕を放り出した。
「柚、待って一緒に」
そう言うと柚もでてきた。
「それ、なに?」
「この家の中で、死ぬのは兄と私だけ。君は、ここで死ぬんだよ」
グサッ…と柄の長い包丁でへその近くを刺された。
「大好きだよ、青生(しょうき)」
「ウー、ウ」
「舌を噛んじゃうよ」
柚は、ハンカチを僕の口にいれて
さらに深く突き刺した。
「あー。」
ハンカチを引き抜いた。
「もう、私に君はいらない、サヨウナラ」
お別れのキスをされた。
柚の血が流れてる手で、頬を撫でられた。
「うー。柚、柚」
いかんといてって言いたくても、言えんぐらい痛くてたまらん。
死ぬのって、痛くて怖いんだな。
痛みで頭がおかしくなりそうな中、兄ちゃんと話した。
真っ赤だった。
全部、真っ赤だった。
僕から見える景色は、全部真っ赤だった。
「晴兄、朝御飯」
「好きなもん食え」
「なんでやねん。もうええわ」
「どこも行かせへんで」
腕を引っ張られて、座らされた。
「今日は、約束があるんや。夕方には、行かなアカンねん」
「アカン。絶対行かせへん」
晴兄は、無茶苦茶怒っていた。
「お願いやから、行かせて」
「アカン」
「もう、ええわ」
僕は、自分の部屋に閉じ籠った。
時刻は、9時を過ぎたぐらいだった。
はぁー。
行かしてくれなきゃ、柚を助けられないだろうがよ。
イライラして、枕を殴った。
「晴兄の、アホ、ボケ、カス」
そう言って、枕を殴り続けた。
柚が、死んだらどうすんだよ。
もう何も考えたくなくて、泣いて、泣いて、泣いて、気づいたら眠っていた。
コンコン
「はい」
「ご飯、食べるやろ?」
「今、何時?」
「17時」
「えっ?」
僕は、飛び起きた。
「寝すぎやで!青(しょう)」
「晴兄が、怒ってるからやろ、ずっと」
「ごめんな」
晴兄は、頭を撫でてきた。
「やめろ、ガキちゃうから」
「じゃあ、カレー食べよか」
「まだ、17時やで」
「たまには、ええやろ」
そう言われて、キッチンに行く。
18時までに、行きたい。
柚の所に…。
「はい、どうぞ」
「いただきます。」
僕は、もくもくと食べた。
「おかわり、あるよ」
「いらん」
「そんなに急いで食べんでも」
「ちょっとな」
「今日は、どこも行かせへんで」
僕は、晴兄を睨み付けた。
「ごちそうさまでした。」
シンクにお皿を下げに行った僕の腕を掴む。
「なんで、そんな顔するんや」
「晴兄が、ゆうたんやろ。好きなやつ作れって、離せや」
「待って、青(しょう)」
「うるさいわ」
僕は、家を飛び出した。
「待って、行かせへん」
晴兄は、すぐに僕を掴まえた。
「離せ、行かせろ、行かせろや」
涙が止まらなかった。
その手を振りほどいて、走る。
ザァー、ドンッ、ゴロゴロ
地鳴りみたいな雷と降りしきる雨の中、走り出した。
「青(しょう)、待って」
晴兄も、負けじとついてきた。
歩道橋の上で、腕を引っ張ってきた晴兄に「大事なようやから、帰れや」と睨み付けて怒鳴った。
僕の顔に、驚いた顔をしながらも、渋々腕を離した。
晴兄、幸せになるんやで
僕は、走る。
ドンッ…ビカッ
ゴロゴロ
「今の落ちたんやない?」
「そやな」
通りすぎた人が、そう言った。
振り返って、兄ちゃんを見ると項垂れながら歩いていた。
ごめんな。
でも、僕の事で悲しい思いするんは、今日で最後やから…。
18時になったのか、ピロロンとプリペイド携帯が鳴った。
[サヨウナラ、永遠に…]
柚が、死んでまう。
柚の、家についた。
「雷、落ちたんか?」
大雨やのに、家が燃え始めてる。
「柚、柚、僕も一緒に行くから」
「君は、きたんだ。」
リビング側の窓が、開いた。
真っ白なワンピースを真っ赤に染めた柚が立っていた。
「お兄ちゃん、殺したんか?手、怪我してるやんか」
ボタボタと右手から血が流れ落ちてる。
「手当てしたるから」
「いらないよ。どうせ、燃えちゃうんだから…。」
二階の柚の部屋から燃え始めているようだった。
「おいで」
柚は、僕を家にあげた。
ピシャッとリビングの扉を閉めた。
「ねぇー。しよう。最後だから…。」
そう言って柚は、僕にキスをした。
服のまま器用に肌を重ねた。
この状態で、そうなる自分の神経を疑った。
「こっち」
勝手口から、僕を放り出した。
「柚、待って一緒に」
そう言うと柚もでてきた。
「それ、なに?」
「この家の中で、死ぬのは兄と私だけ。君は、ここで死ぬんだよ」
グサッ…と柄の長い包丁でへその近くを刺された。
「大好きだよ、青生(しょうき)」
「ウー、ウ」
「舌を噛んじゃうよ」
柚は、ハンカチを僕の口にいれて
さらに深く突き刺した。
「あー。」
ハンカチを引き抜いた。
「もう、私に君はいらない、サヨウナラ」
お別れのキスをされた。
柚の血が流れてる手で、頬を撫でられた。
「うー。柚、柚」
いかんといてって言いたくても、言えんぐらい痛くてたまらん。
死ぬのって、痛くて怖いんだな。
痛みで頭がおかしくなりそうな中、兄ちゃんと話した。
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