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兆珠の企み
一条と宝亀
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「またか、呆れた。猿だ」
兆珠は、一条と宝亀が手を繋いで奥の蔵に行くのを見つめて呟いた。
「紅、見てこい」
「はい」
紅は、二人を見に行く。
着物を整えながら、出てきた。
「持って参りました。」
紅は、兆珠にそれを見せる。
◆
◆
「一条、好きだよ」
「宝亀、嬉しいよ」
宝亀は、一条の口に自分のモノを差し出した。
「ハァー、ハァー」
気持ち良さそうにしている。
「気色が悪い」
兆珠は、映像を見ながら呟いた。
「宝亀、もうダメです」
「私もだよ。一条」
「ハァー」
二人は、果てる。
恍惚な表情を浮かべる一条のモノを躊躇いなく食らう宝亀を見ていた。
「気色が悪い」
寒気を覚えた、兆珠
「宝亀」
「あっ、師匠。こんにちは」
何が、こんにちはだ!爪の色の黒さが異常ではないか…。
何をしてきた割には、アッサリとした表情をわしに向けよって
忌々しい、ガキめ…。
「伊村の婚礼の義の事で、用がある。ついてきてくれぬか?」
「はい」
そう言った宝亀を神社に連れてくる。
「兆珠さん、こんにちは」
さっきも会いましたねとも言わない八重は、やはり綺麗なおなごだ。
「宝亀、わしは巫女と話してくるから八重と待っててくれぬか?」
「はい」
宝亀と八重を二人にする為に、わしは離れた。
わざと、見えない木の場所にやってきた。
相変わらずの桜の木だ。
わしを隠してくれる。
◆
◆
「宝亀さん、こんにちは」
「こんにちは、八重さん」
「あの、宝亀さん」
「はい」
「あの、思い人はおられますか?」
八重は、顔を伏せながらモジモジとして言った。
歯痒くて、イライラする。兆珠は、また親指をギリギリと噛む。
「いえ、おりませぬよ」
嘘をつくとは、何と言うやつだ。
「あの、良ければ私と…」
「何でしょうか?」
「いえ、何もありませぬ」
八重は、何も言えなかった。
イライラがする兆珠。
紅は、それに気づいて青虫をとって八重の腕につける。
「いやー。虫です」
八重は、泣きそうになる。
「私が、とりますよ。」
宝亀は、八重の腕から虫を優しく取る。
二人の距離が、近づいた。
八重は、その場にヘナヘナと崩れ落ちた。
兆珠は、よしと小声で呟いた。
「申し訳ありません。苦手なもので…。」
潤んだ瞳で見つめる八重。
「いえ、大丈夫ですよ。」
そう言って、八重を起こそうとした宝亀の腕を引寄せた八重。
接吻をした。
「申し訳ありません。」
「もう、一度したいです。」
宝亀は、八重の唇の柔らかさの虜になったのだ。
「はい」
八重は、恥ずかしそうに宝亀の唇に唇を重ねる。
「んんっ、ハァ、ハァ」
涎が、唇の端を濡らしていた。
「綺麗だ。」
兆珠は、それを見つめながら…。
微笑んだ。
わざと、出ていく。
「宝亀、どうしたのだ?」
「いえ、何もありませぬ」
宝亀は、八重を起こした。
八重は、宝亀の耳元で何かを言った。
兆珠は、小さく頷いたのを見逃さなかった。
「伊村の婚礼の義は、まだ先だから…。またにしよう」
「わかりました。」
名残惜しそうに、八重は宝亀を見つめている。
「宝亀、行くぞ」
「はい」
宝亀は、八重にお辞儀をした。
計画通りに、八重が孕めば。
先の世への置き土産ができる。
兆珠は、一条を殺害する事を考えていた。
それをいつ実行するかを考えていた。
「師匠」
「何じゃ?」
「八重さんは、その」
「宝亀を思うておる」
「えっ?」
「わしに、話したから間違いない」
「本当ですか?」
「本当じゃ」
無理矢理兆珠が、作った縁のせいで宝亀は、落雷に打たれたように八重を好きになっていた。
「そうですか」
宝亀は、恥ずかしそうに目を伏せた。
幽体を抱いてから、一条とのまぐわりをつづけていた宝亀にとって初めての女性だった。
八重を好きになった事をいつ話すべきかと考えながら、兆珠と歩いていた。
兆珠は、宝亀に復讐が出来る事を喜んでいた。
この先も、ずっと宝亀だけは許さないと決めたのだ。
兆珠は、一条と宝亀が手を繋いで奥の蔵に行くのを見つめて呟いた。
「紅、見てこい」
「はい」
紅は、二人を見に行く。
着物を整えながら、出てきた。
「持って参りました。」
紅は、兆珠にそれを見せる。
◆
◆
「一条、好きだよ」
「宝亀、嬉しいよ」
宝亀は、一条の口に自分のモノを差し出した。
「ハァー、ハァー」
気持ち良さそうにしている。
「気色が悪い」
兆珠は、映像を見ながら呟いた。
「宝亀、もうダメです」
「私もだよ。一条」
「ハァー」
二人は、果てる。
恍惚な表情を浮かべる一条のモノを躊躇いなく食らう宝亀を見ていた。
「気色が悪い」
寒気を覚えた、兆珠
「宝亀」
「あっ、師匠。こんにちは」
何が、こんにちはだ!爪の色の黒さが異常ではないか…。
何をしてきた割には、アッサリとした表情をわしに向けよって
忌々しい、ガキめ…。
「伊村の婚礼の義の事で、用がある。ついてきてくれぬか?」
「はい」
そう言った宝亀を神社に連れてくる。
「兆珠さん、こんにちは」
さっきも会いましたねとも言わない八重は、やはり綺麗なおなごだ。
「宝亀、わしは巫女と話してくるから八重と待っててくれぬか?」
「はい」
宝亀と八重を二人にする為に、わしは離れた。
わざと、見えない木の場所にやってきた。
相変わらずの桜の木だ。
わしを隠してくれる。
◆
◆
「宝亀さん、こんにちは」
「こんにちは、八重さん」
「あの、宝亀さん」
「はい」
「あの、思い人はおられますか?」
八重は、顔を伏せながらモジモジとして言った。
歯痒くて、イライラする。兆珠は、また親指をギリギリと噛む。
「いえ、おりませぬよ」
嘘をつくとは、何と言うやつだ。
「あの、良ければ私と…」
「何でしょうか?」
「いえ、何もありませぬ」
八重は、何も言えなかった。
イライラがする兆珠。
紅は、それに気づいて青虫をとって八重の腕につける。
「いやー。虫です」
八重は、泣きそうになる。
「私が、とりますよ。」
宝亀は、八重の腕から虫を優しく取る。
二人の距離が、近づいた。
八重は、その場にヘナヘナと崩れ落ちた。
兆珠は、よしと小声で呟いた。
「申し訳ありません。苦手なもので…。」
潤んだ瞳で見つめる八重。
「いえ、大丈夫ですよ。」
そう言って、八重を起こそうとした宝亀の腕を引寄せた八重。
接吻をした。
「申し訳ありません。」
「もう、一度したいです。」
宝亀は、八重の唇の柔らかさの虜になったのだ。
「はい」
八重は、恥ずかしそうに宝亀の唇に唇を重ねる。
「んんっ、ハァ、ハァ」
涎が、唇の端を濡らしていた。
「綺麗だ。」
兆珠は、それを見つめながら…。
微笑んだ。
わざと、出ていく。
「宝亀、どうしたのだ?」
「いえ、何もありませぬ」
宝亀は、八重を起こした。
八重は、宝亀の耳元で何かを言った。
兆珠は、小さく頷いたのを見逃さなかった。
「伊村の婚礼の義は、まだ先だから…。またにしよう」
「わかりました。」
名残惜しそうに、八重は宝亀を見つめている。
「宝亀、行くぞ」
「はい」
宝亀は、八重にお辞儀をした。
計画通りに、八重が孕めば。
先の世への置き土産ができる。
兆珠は、一条を殺害する事を考えていた。
それをいつ実行するかを考えていた。
「師匠」
「何じゃ?」
「八重さんは、その」
「宝亀を思うておる」
「えっ?」
「わしに、話したから間違いない」
「本当ですか?」
「本当じゃ」
無理矢理兆珠が、作った縁のせいで宝亀は、落雷に打たれたように八重を好きになっていた。
「そうですか」
宝亀は、恥ずかしそうに目を伏せた。
幽体を抱いてから、一条とのまぐわりをつづけていた宝亀にとって初めての女性だった。
八重を好きになった事をいつ話すべきかと考えながら、兆珠と歩いていた。
兆珠は、宝亀に復讐が出来る事を喜んでいた。
この先も、ずっと宝亀だけは許さないと決めたのだ。
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