秘密のdiary【傷と家族】

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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信じられない親

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昨日、あれから、八(はち)からLimeが届いてすぐに僕は、歯磨きをして眠った。

コンビニのバイトに行って、夕方には帰宅した。

「九你臣(くにおみ)、行こか?」

母が、帰宅した僕に話しかけた。

「うん。行こうか」 

僕と母は、竹君の家(うち)に向かった。

ピンポーン

「はーい。」

「若です。」

ガチャ…。

竹君の新しい母親をこの日初めてみた。

「どうぞ」

「失礼します。これ」

「あー。わさわざどうも」

めんどくさい事に巻き込まれてるわって顔をしていた。

リビングのダイニングに叔父さんが座っていた。

中学の入学式で、見て以来会っていない。

「どうぞ」
 
女の人は、僕と母に座るように行った。

女の人が、キッチンに行くと竹君の叔父さんが、母を見つめてわざとらしい笑顔を浮かべる。

「お手紙いただいた件ですが」

「はい」

「どうぞ、好きにして下さい。」

「息子さんの事、養子に渡してもいいんですか?」

女の人が、お茶を置いて叔父さんの横に座った。

「息子なら、家(うち)にいます。あれは、何とゆうか。ゴミです」

ゴミ?

「何をゆってるんですか?」

母は、怒りを我慢しながらゆった。

「あれの母親が、勝手にあれを産んだんです。私は、最初から喜美子と一緒になりたかった。なのに、あれが出来たとあれの母親が言ってきたんです。」

あれ、あれと竹君の事を話す姿に僕はだんだんと怒りがこみ上げてきた。

「自分の血の繋がった息子が可愛くないんですか?」

「可愛い?あれのどこが、可愛いんですか?私をずっと縛りつける存在やったんです。母親が死んでも、私は、戸籍上の父親とゆう理由だけであれを二十歳まで育てあげたんです。」

「当たり前やないですか、親なんですから…」

母は、膝の上で握り拳を作りながら怒りを堪えていた。

「先程も言いましたが、あれは私の子供ではない。母親が勝手に私の子だと言って産んだだけにすぎないのです。私は、あれを一度も愛した事はありません。二十歳になってから、散々、竹富の名を捨てろと言ってきたので。今回、若さんからの申し出は本当に嬉しかったですよ。」

竹君の父親は、作り笑いを浮かべた。母は、何も言えずに黙っていた。

「あれには、ずっと言ってきたんです。産まれてくるな、死ねって。なのに、私にしがみついて生きてきた。醜くて汚(きたな)い存在。二度と顔も見たくない。」

「よく、そんな酷い言葉がいえますね」

僕は、我慢できずに言ってしまった。

「酷い?あれに、酷い扱いを受けてきたのは私ですよ。手をあげずに我慢したのを褒めてもらいたいぐらいだ。」

そう言うと、竹君の叔父さんは紙袋を机の上に置いた。

「あれに会うなら、これを渡してもらえませんか?」

「これは?」

母が尋ねると、叔父さんは嫌みな笑顔で笑った。

「あれの母親です。出ていって10年も経つのに、持っていけと言うのに、あれは全然、持って行かないんですよ。だから、私がまとめておきました。汚(けが)らわしい女ですよ。あれに、返して置いてください。これで、やっと自由になれます。」

母は、僕を見た。

「賛成していただけるなら、よかったです。今後、私の息子に関わらないで下さい。」

母は、そうハッキリと、言って立ち上がった。

その紙袋を掴んだ。

「失礼します。」

そう言った母に叔父さんが言った。

「あの、あれに会うなら伝えてください。0が二つ足りないよって。全額返済してくれと」

「何の話でしょうか?」

「あれに今まで使ったお金ですよ。」

「どこまでも、人でなしやな」

母は、キレた。

「やっぱり、あれが仲良くしてるお家は下品で野蛮ですね。お帰りください。」

「ゆわれなくても、帰るわ。行くで、九(きゅう)」

「うん」 

「やっとお荷物が捨てれて感謝してます。ゴミは、ゴミ処理場に持っていかなければね。ありがとう、若さん」

そう言って笑った叔父さんの顔に、僕もイライラした。

「九(きゅう)、いくで」

母は、そう言って玄関を出ていく。

「お邪魔しました。」

「お気をつけて」

女の人は、僕と母に頭を下げた。

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