秘密のdiary【傷と家族】

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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リンクするサンキューコンビ

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僕は、その日記を持ち出して部屋に入った。

俺は、竹君が寝るのを見届けてリビングにきた。

僕は、ベッドに横になってスマホを見つめていた。

俺は、ソファーにもたれかかってスマホの写真を見つめていた。

僕は、八(はち)に出会ってあの指をいれられた時に支配されたいと思った。

俺は、たつくんに告白を強要された時に支配されたいと思った。

なのに、僕は、今、八(はち)を支配したくて堪らなかった。

俺は、竹君を支配したくて堪らなかった。

八(はち)は、優しい。僕のゆう事に何でも跪いてくれるのがわかる。フリーターで、仕事でも支配される側の人間の癖に…。
八(はち)を支配したいなんて…。

竹君は、優しい。俺のゆう事を何でも聞いてくれるのがわかる。
俺は、仕事では支配されている側だ。竹君を支配したいなんて…


嫌、これは自然の摂理なんだ。

仕事で、支配されているからプライベートは支配したいのだ。

僕【俺】は、弱い犬なのだ。

なぜか、僕は三(さん)に発信していた。

俺は、九(きゅう)にかけたくなった。

「もしもし」

『もしもし、九(きゅう)。どうした?』

「何かさ、三(さん)と同じ事考えてる気がして電話したんやけど。」

『奇遇やな。俺も、思っててん』

やっぱり、僕と三(さん)は親友だった。

「昔から、双子みたいによく意見重なったよな?覚えとう?」

『ああ、覚えとる。頭の中のアホなとこまでソックリやったな』

三(さん)は、笑ってる。

「僕な、竹君と兄弟なるねん。」

『へー。そうなんや』

三(さん)は、嘘つくの下手くそ。

「なあー。三(さん)。好きな人教えてや。ひかへんし、嫌いにならんから。内緒にされてんの嫌や」

三(さん)は、少し黙っていた。

『たつくんと付き合ってた。亡くなるまで…。16歳の時からずっとたつくんが好きやった。でもな、墓場までもってくつもりやってん。やのに、バレてて』

「三(さん)は、嘘つくん下手やからすぐバレるやろ。兄ちゃんを好きになってくれてありがとうな」

『きもないん?』

「全然」

『何で?』

「何でって言われても、兄ちゃんは昔から男にも女にも人気あったし。だから、別に不思議な事やないし。キモくもない」

『そうゆうてくれたら、何か胸の支えがとれたわ。とれたついでにゆうけど、俺、今、竹君と付き合ってる。たつくんが、決めたことやから』

そう言って、三(さん)は笑った。

「決めた事、律儀に守らんでええやん。死んだ人の言いなりならんでええやん」

三(さん)は、僕の言葉にお腹を抱えて笑いだした。

「なんやねん」

『いやー。アカン。涙でてきた。九(きゅう)が、真剣な顔してゆってくれてるんやろなーってわかってるから。せやけど、俺は、そんなお人好しちゃうで』

「どうゆう意味や?」

『小さい時は、竹君に興味あったって話。せやないと、こんな約束守らんから。そやろ?好きになれるかわからん人にキスなんかできんやろ?』

「じゃあ、三(さん)は竹君が好きなんやな」

『恋のそれには、まだいってないんはわかっとる。せやけど、竹君を幸せにしてあげたいし。竹君の目に映っていたいと思ってるよ。俺な、竹君を支配したくて堪らんねん。だって、竹君優しいねんで。なんでもゆう事聞いてくれる。でもな、アカンって思ってる。竹君は、誰かに支配される事を必要とされてるって思って、それを愛情やと思ってるねん。俺には、わかる。俺が、竹君に無理やりキスしたら嬉しそうに笑うし、嫌なんか?ってゆうたらええよってゆうた。玩具でもなんでもええよって』

三(さん)が、泣いてるのがわかる。

「僕も八(はち)を支配したい。やけど、やめる。八(はち)も竹君と同じで優しい。だから、同じやって三(さん)からの言葉聞いてわかった。やから、僕もやめる。」

『九(きゅう)も、八(はち)さんにちゃんとした愛情を教えてあげや。俺も、竹君に教えるから。なんやかんやゆうても、俺は、両親に愛されて育った人間やからな』

「せやな」

僕は、三(さん)と笑いあった。

「三(さん)、今度家(うち)こいよ。飯食おうや」

『ああ!行くわ』
 
「ほんなら、おやすみ」

『おやすみ』

僕と三(さん)は、電話を切った。

リンクした気持ちが、外れたのを感じて僕は眠りについた。

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