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嘘つきは初恋の始まり②
しおりを挟む連絡した相手はエース級の投球を行う女傑の野球部の子だ。怪しい強さに怪人疑惑があった存在だが。全くそんな事は無く。普通の女性とのことらしい。
そう、表向きはだ。
「部活中すまない」
「いいよ、先生に休む事は伝えてある。監督も気にしてるからね。私の右肩」
「怪我は……大丈夫なんか」
名前はヤマダと言う。プロスカウト3人の様子見があったことから卒業後が噂されている。そんな有名人と俺は友人である。
「大丈夫。それに左でも投げれる。右はもう、使いすぎだったかな。左腕に転向かな。藪医者に怒られた。やり過ぎだって」
「……なんで野球部に? 誰に進められて?」
「小さい時から好きだったから。体を動かすのが……そして、『怪人でもヒーローになれる場所』を教えて貰ったんだ。だからな。残念ながら怪人らしい力は野球では関係なかったな。探してるんだろ? 怪人を」
「ああ」
「ヒーローが怪人救おうなんて不思議だな」
「それは君も同じだろ。野球部やってる君は『ファン1号に見せたい』と取材を受けてただろ。その相手を覚えているか?」
「ああ、覚えていない。お前は覚えてるのか?」
俺はメモを見せる。それを見た時に彼女は頭を押さえた。痛みに歪む顔から、笑みを浮かべる。
「へぇ、すごいじゃん。そうそうこんな美少女だった。ピアノが得意で……練習中聞こえて来たこともある」
「ピアノ?」
「ピアノ。そう、ピアノだ。音楽の才能があった。まぁ音楽どころかいろんな才能に恵まれて……嫉妬なんてしたはず」
「すごいな。覚えているじゃないか」
「今、思い出した。名前は……わからない。でも
、いたんだ」
「ありがとう。このまま他の四天王に声をかける」
「まちなよ。私も行く」
「部活はいいのか?」
「いい、正直壊れた方が良い。怪人が有名人になるとろくでもない事しか起きないからな。それに……プロを舐めるなよ。まだ怪人のがマシだぞ」
「全員怪人とかないよな?」
「わからん。でも、怪人だった方が良い納得出来て悔しくも悲しくもない言い訳に出来るほど。最悪な人たち」
「お前、実力に打ちのめされてない?」
「されてる。マジで打ちのめされてる。怪人だった方がもしかしたら上手かったかもしれない」
それだけ実力差が大きいのだろう。悲しい事だが現実を見てる。
「ほら、連絡するぞ。おい『ドラゴン』。例の奴だ。ヒーローの風上にもおけねぇ裏切ったもんだ。あいに行くそうだ。おうおう、準備がいいね」
スマホから親しげに会話をし、通話を切って彼女は笑顔で悪態をついた。仲がいいのだろう。
「ドラゴンって名前じゃないが。まぁ、怪人でドラゴンって言ったら。超有名人だな。校門から車で迎えに来るそうだ。車種はバン」
「有名だろうな。圧倒的強者。そんなのと知り合いだったのか?」
「そう、だけど。四天王最強ではなかった」
「……」
「最強は……忘れちまった」
彼女を調べれば調べるほど、異形であり続ける。だけど、何故か俺はドキドキする。確実にピースが揃っている。
✽
バンタイプの車の送迎。その車に乗りながらご挨拶をする。運転手は長い切れ長の瞳で俺は写真を思い出す。そう、ここに居るのが怪人だけであるのだと。俺は実は連行されているのではないだろうか。一人は非常に珍しい金髪の女性と漆黒というほどに黒い髪が特徴な女性であり、両方とも大きい組織のトップであると共に怪人疑惑がかけれている注意人物だ。
なお、本当に怪人だった。黒い髪の女性は運転手としてハンドルを握ったまま助手席の金髪に語りかける。
「ドラゴン、この子が御父様の言う。忘れた義妹の彼氏?」
「ああ、なんか『関わったら殺す』とか昔に何度も何度も釘を刺された記憶あるわね。本当に独占的だったのもおもいだした。逆に私たち全員が共犯ね」
「ドラゴン、殿お願いするわ」
「マインド、肉体的な強さじゃないわよ。もっと恐ろしい怪人よ。あなたと同じ精神操作だった気がするわ。あなたが殿しなさい」
「私は操る事は出来ても、それを忘れ去られたら……忘れさられる?」
「ぐ、それは……わかる。データベースにそんな記述が」
二人の女性の会話をメモをしる時に俺は頭によぎる。スマホを取り出して危険怪人リストから権限を超えて、ある名前を探し出した。自分が見れる場所には制限があるが「戦うな、報告し、『生き残る事だけを考えろ』」と言う強制命令が下されている相手である。そこに『龍』『洗脳者』『暴力者』と心当たりがある3人の怪人に該当名を見つける。
「忘却者」
「「「!?」」」
「ヒーローのデータは多重能力者による圧倒的防御方法で守られている。だから、事件等々で推測の無名の怪人も表示されている。そして『忘却者』は……多くの組織が探している」
データベースの保護された情報だが、勝手にスマホが電源が落ちて自動復旧がかかった。このデータベースアクセスは俺の能力。ネットワークに剣で差し込んだ結果見ることが出来たが観測もされる。上層部から電話がかかり、応対が迫られる。皆に「静かに」と
「おい、データベースに剣で強制的に抜き取ったのおまえだろう。申請を面倒と思わず行え。だが、早急だったのだろう。そして、何を『見つけた』」
「どちら様ですか? いつものAi様じゃないですね」
「お前は知らないほうがいい。機械音声が所望か?」
「可愛い声ですよAiさん」
「……Aiになら報告出来るか?」
「………」
運転手の女性が路肩に車を止めて、頭を抑える。
「脳味噌見られますよ、ヒーロー」
忠告に俺は……ヒーローらしからぬ脳味噌の記憶に剣山のトラップを仕掛けた。しかし、声の主から何も聞こえず不思議そうな声が響く。
「お前、なんだ。ただの興味本位か……申請をしっかりしとけよ。紛らわしいんだ」
何もない。脳味噌見られたのだろう。だが声から全く何も情報が見えなかった。運転手のマインドさんが俺の頭に手を置くと驚いた表情を見せた。
「見つけた。能力の片鱗!! あなたを護るために忘却の能力が意志を持ってる。呪いのように、そして『完全に忘却者を消すことが出来ない理由』がある」
「何が見えたんですか? マインドさん」
「尻尾。それも怪人の、全員……私の能力使う。オブリビオン勝負よ」
「オブリビオン………彼女の怪人名か」
「ヒーロー、沈んだ彼女を引き上げなさい」
俺は怪人にデコピンをされた瞬間に水に沈んだと思った後に。砂浜に立っていた。
そして、目の前に彼女が立っていた。
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