(完結)見捨てられた令嬢は王子と出会う。[アルファ、scraiv専用]

書くこと大好きな水銀党員

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ヌツェル家への訪問

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 朝の寝室で私は今日、トラストさんから袋を渡される。中身をその場で確認しようとして制止させられた。

「アメリア。中身の確認はですね……後で。夕方、私が帰ってくる前にお願いします。着ていてください。私が選んだ好みの寝間着です」
「はい、わかりました」

 前に寝間着をいただいたしドレス等の服も全て、トラストさんから頂いている。お金持ちの好意を物で渡す方法と思っていたのだが違うのを最近知った。私に着て欲しい服や私が似合う服等を見たいから買っているらしい。人形遊びみたいな物と彼は教えてくれた。

 人形扱いなのでしょうか?

 愛でられてる気はするのでそうなのでしょう。

「トラストは服のセンスも私より詳しいです」
「それは君はあまり出歩く子じゃないからね。服を選ぶ機会が少ないだけですよ」
「よくご存知ですね?」
「帰ってきたら君はいつもいる」
「…………」
「そんな悲しい顔をしないで。安心して帰ってこれるから」
「もっと、社交的にするべきでしょうか………」
「場合によるから気にしないでいいよ。ああ、あとこちらに今日は向かって欲しい」
「はい?」

 地図を手渡される。場所は高級住宅街。私の住む場所は低級中級の貴族が住む住宅街であり。それよりもさらに城に近い壁の内側だ。

「ヌチェル家の彼が謝りたいそうだ。約束で会わないことを通達したが………仕方ない。許す」
「えっ!?」
「自分は騎士団で遠征準備をする。一緒に行けないのが悔やまれるが………一人で行けるね?」
「は、はい」

 婚約破棄し、そんな親身でもない家柄同士で何があるのだろうか?

 それよりも私は遠征と言う言葉が気になった。

「遠征ですか?」
「はい。ヴィス家の領地視察と色々………残していた物の整理です。お義父さまは一足先に帰宅してますね。娘の嫁入りも決まり。留まっている理由がないですから。社交界へも出る必要もない」
「………私も」
「すいません。外は危ない………護衛を沢山つけないといけませんからダメです」
「…………トラストさん。寂しいです」

 私は本心を口にする。

「アメリア。昔から一人は馴れていると言いましたよね?」

 そういえば言ったような気がする。気を効かさないように取り繕った言葉だ。

「………きっと。寂しいっという気持ちをトラストさんは私に教えたんです。責任感じてください」
「ぐぅ………早く帰ってくるようにする」

 顔が赤くなるトラストさん。私も言う前に少し青臭い言葉かなと思ったがその通りなので真っ直ぐ彼に向けて言い放った。好意を表現するのはいいこと。そう教えられて来た………トラストさんに。

「でも、どうして謝りたいのでしょうか?」
「さぁな………俺はしらない」

 彼は知っているだろう事を知らないと言う。

「………わかりました」

 知らないと言ったのですから私も深くは追求しなかった。


§


 ヌチェル家の屋敷はなんと言えばいいのか。城と言えばいいのか悪いのか。わからないが大きく重厚なお城でした。

 白い石で組まれ、金色の金物で装飾された窓枠。お金をかけると言う行為をこれでもかと行っている。

 来た者に格の違いを見せつけるほどに。アフトクラトル家よりもお金の使い方が贅沢だ。

「見栄」

 しかし、私はそんな感想が浮かんで来た。何故か輝かしくない。何故だろうか…………トラストさんのワイバーンに立ち向かう姿よりも心に残る気がしなかった。

「………ここでも。トラストさんを思い出すんですね」

 クスッと笑ってしまう。どれだけ好きなでしょうか。

「ん?………アメリア・ヴィス様でしょうか?」

 鉄の門の前で立っている衛兵に声をかけてもらえる。私から声をかける事をせずに礼儀正しく頭を下げる。

「はい」
「………お一人ですか?」
「従者は置いて来ました。私の家は護衛を雇うほどではないですから」
「物騒です。早く門の中へお入りください。拐われたとあればヌチェル家に傷がついてしまいます」
「………すいません」
「いいえ、こちらこそ申し訳ありません。私たちがお迎えすればよかったです」
「は、はい。まぁその………お忍びのような物ですから」
「………わかりました。ではこちらへどうぞ」

 衛兵の一人が屋敷の中まで案内してくれる。バラ園を越えて城の中へ入ったのだった。


§



 中で待たされること数分。博物館に展示されていてもおかしくない調度品が立ち並び待ち合い室で元婚約者アルス・ヌチェルさんが現れる。

 正装のアルスさんは疲れている顔をしていた。私は立ち上がって頭を下げる。

「お呼びいただきありがとうございます」
「ええ………いえ。こちらこそ………その………」

 部屋には使用人がいない。だからだろうか彼が近付き跪く。あまりの平伏に驚きを隠せない。

「お願いがあります!! 私と共に父上に逢っていただき。自分が反省していることを伝えて欲しいのです!! お願いします!!」
「えっと………えっ? どうしたのですか? 父上様がどうされたのですか?」
「………見捨てられました」
「見捨てられた? えっ? えっ?」
「はい………婿へ出すと言い。ヌチェル家を出されてしまいます」

 それは………当主になれず知らない家に入るという。罰として重いのでは無いだろうか?

「えっと………」

 私はどうしたらいいのだろうか?

「えっと………えっと………私みたいなのが図々しく意見を言うのは………失礼では?」
「いえ!!………私がトラストさんを怒らせたのは君を何も言わずに破棄した事なんだ。君に謝る!! 何でもする!! だから!! 許して欲しい!! そして…………親を止めて欲しい。厚かましいと思う!! しかし………」

 彼が這いより縋る。私は今の状況が何故か不思議に感じていた。

 政略名家の貴族さまが低級貴族の家に頭を下げる行為。いつから立場が逆転したのかわからないが………私は彼の………そう。

「婚約破棄した時と状況が変わりましたね」
「それは………自分が愚かであったのです」
「ええ、私は悲しかったです。でも」

 婚約破棄したからこそ。トラストさんが私を見つけてくださった。

「それはもう終わりました。アルスさん」
「………」
「もう………終わったことです。トラストさんにも怒ってないことを言いますし。ヌチェル家ご当主にもお伝えします。なので離れてくください。嫁入り前です。トラストさんしか触れてはなりません」
「も、申し訳ない」

 私は胸を張って言い切った。

「ご当主はどちらに?」
「ご案内します!! ありがとうございます!!」

 彼は立ち上がり頭を下げる。私は彼とは違い見捨てる事はない。

「では、お願いしますね。アルスさん」

 彼に笑みを向ける。昔では出来なかった笑みを。これも………トラストさんに教えてもらった事かもしれない。


§


 私は当主の部屋に導かれた。ここにも着たりしない鎧が飾られている。装飾多いだけだが機能もあるだろうに。あるだろうに使われず飾られる騎士の鎧。

 部屋に入った瞬間、アルスさんが緊張した面持ちで父親を見ていた。静かに席をどうぞと言われ私はお辞儀をして座る。

 ヌチェル家当主は若く見え、整った顔立ちだ。いかにも政略が得意ですと言わんばかりに。しかし………決闘では騎士の底の深さを知らなかったらしい。政略者と騎士団は敬遠の仲だったと言える。

「今日は何でしょうか? 息子が用事があるっと教えてもらっていました」
「はい………」

 私は深呼吸をし言葉を並べる。アフトクラトル家らしい振る舞いなんて出来ないが精一杯胸を張る。

「ヌチェル家の決められた事なのですが。彼を婿に出すのは重すぎな処罰っと思います」
「処罰………ですか?」
「はい。婿に出ると言うことは家から外すと言う事です」
「…………そうですか。わかりました」

 アルスがパッと顔が明るくなる。 私も胸を撫で下ろす。良かったです。

「息子よ………席を外してくれ」
「わ、わかりました失礼します」

 アルスさんは軽い足取りで席を外す。しかし、それを見るご当主は厳しい目付きだった。

「………では。本題です。息子に吹き込まれましたか? 正直に話してください」
「いいえ」

 即答。ご当主が私を見ながらジッと考える。

「………」
「………」
「アルスは………本当に吹き込まなかったのですか?」
「はい。しっかり謝ってました」
「謝って何故……私の元へ?」

 苦しい言い訳を言わされているようだ。

「アルスさんは優秀な方です。婿入りを聞き、恩を売ることも必要と判断しての行動です。申し訳ございません。私の独断です」
「女は変わると言う。君は頭の回転も早く中々面白い。確かに婿入りは処罰に見える。しかし……果たして処罰といえるのかな?」
「っと………申しますと?」
「同じ名家に婿に入り、血の繋がりを用いれば票は手に入りやすい。皆に卑怯だと言われてもな」

 それは、長男を出すっと言う行為は向こうからも美味しいお話で向こうはヌチェル家のために色々するだろうと言うことだと私は思った。新しい分家を作ると言うこと。

「私も実はヌチェル家から婿入りして、帰ってきたんだ。別に悪い話ではない。名家から政略を学ぶのではなく他の苦しい立場の場所からどうやってやるかを学べるいい機会だ。だが………まぁ。無理そうだな」
「…………申し訳ないです。勝手に処罰と判断しておりました」
「いいよ。息子の女遊びが招いた結果。いい教訓になったしな………騎士団とも繋がりが出来た。悪い話ではなかったよ」
「しかし………ドラゴンを用意した」
「………………」
「殺そうとしましたね」
「ええ、殺そうとしましたね。彼を」

 並大抵では捕まえるのは容易くない。そこまでして倒そうとしたのだ。ワイバーンっと言っていたがドラゴンもワイバーンも私たち壁の中の住人は同じだ。

「理由をお聞かせください」
「息子を出さず。息子に任せた結果。ドラゴンだった。私も………噂が大きくなり社交場でも有名になってしまった。相手を信用できず殺そうとしましたね。トラストさんは君のために何でもするっと言うことを聞き危機感を持ったのです」
「信用………」
「政略とは信用しないことです。仲間は多めに用意し。半分は裏切られるつもりで動くのです。足の引っ張り合いも多い」
「トラストさんは信用に値できます」

 すごく不愉快だ。

「それは君だけの話です。彼は君だけのためにヌチェル家を落とそうとしたのです黒騎士として。なので、消したかったのですが…………予想より遥かに敵に廻したらダメとわかりました。講話をすぐにおこなったのもそうです」
「お聞きますがそれでは彼が悪魔のような方だと言うのでしょうか?」
「………騎士っと言っていたが政略にも知識を持ち。広いツテもお持ちです。躊躇なく斬ることが出来る人間です。わたしにとっては悪魔です」

 そうか、ヌチェル家は裏で大きく被害を被ったのだろう。

「………トラストが申し訳ありません」
「いいえ。結果は仲良くしましょうとなっております。私も騎士団の後ろ盾は心強い。敵同士いがみ合っていましたからね」
「そうですか………私の知らないところでそんなことが」
「はい。それにしても息子は情けない。処罰のように感じるのは仕方ないでしょうが………あなたに頼るとは。何をいただいたのですか?」
「…………」

 私は悩む。そういえばいただいてない。それに依頼されたのもバレている。

「その………親切心っと言うよりは………偽善です」
「偽善……」
「はい。私はアルスさんに捨てられましたが。私は捨てませんと言う事です。そちら方が後々悔恨を残さないでしょうし。彼とは違うというのをちょっと考えました」

 アルスと違うと思いたい。

「お優しいですね。それに………私に対して物怖じしない。ご立派な令嬢です」
「物怖じしております。ですがアフトクラトル家という騎士の名家ですので表面に出さないようにしております。手はしっかり震えてますよ」
「震えているのでしょうが笑みは柔らかい………素晴らしいお嬢さんです。本当に婚約破棄が悔やまれ、最大の汚点はお嬢さんが私の娘にならなかった事ですね」

 私は口を押さえる。

「そんなに褒めていただけるなんて光栄です。まだ沢山お話ししたいのですがお仕事の邪魔になるでしょう。これで失礼します」
「はい、ありがとうございます。息子を改心させますので………何卒、ヌチェル家をどうぞご贔屓に」
「はい。トラスト様にお伝えしますわ」

 私は当主の執務室を後にした。そのあと噂で婿養子の話はなかったが厳しいお叱りを受けていると聞くのは学園が始まってからだった。アルスは結局、当主の道を外されたとも聞く事になり。結局ダメだったのだと悟ったのだった。


§


 当主と話をしたあと。馬車を用意して貰らえたようで送って貰う。家につくと二人の使用人に疲れた旨を話し、部屋のベットに飛び込んでため息を吐く。

「良かったです」

 何があるか不安だったが何も無くて安心した。アルスさんはまたこっぴどく怒られると聞いた。トラストさんと出会い。アルスさんは本当に小さい男に見える。

 それだけトラストさんがいい人なのか。私の評価が高いかもしれないがアルスさんだけには越えているだろう。

「そういえば朝の袋を見ていなかったです」

 ベットから這い上がって机の袋を手に取る。

「中身は………ん?」

 私は中身をベットで広げた。そして声を失う。

「これを着るんですか!?」

 私は羞恥で体を抱き締める。

「んんん………でも」

 朝はトラストさんは期待の眼差しだった。だから………こそ………勇気を出そう。

「トラストさんのため………トラストさんのため」

 償うと決めた。だから私は袋の中身を着て待つことを決めるのだった。


§


 夕刻、帰宅。ワルダに聞くとアメリアは眠っていると言う。アメリアはご飯は先にすまし、風呂に入ったそうだ。自分も同じようにご飯と風呂を済まし。風呂を出たあと。寝室に耳を傾けた。

「物音はしない。寝ているね」

 ゆっくり扉を開けて。ゆっくり閉めた。暖炉によって暖められた部屋のベットの上で彼女は寝ている。部屋は暑く、自分も上着を脱いでテーブルに置いた。

「暑いな………どうしてだ?」

 いつもより暑い。小さな違和感はあるがそれよりも。

「アメリアの寝顔はきっと愛おしいだろうね」

 寝ているアメリアの顔を愛でるためにベットで寝ている彼女に近付いた。そして自分は思い出す。

「あっ………」

 彼女に朝お願いした事を。寝間着っと言うよりもこれは違う。紫の透けたランジェリーに胸を隠す気のないブラ。穴のあいたショーツを用意した。恥ずかしくて着てくれないだろうと思っていたが。

「すぅ………」

 寝息を立てている彼女は着てくれた。横向きに寝ているアメリアを自分は覗き込む。

 まだ幼さの残る体。白い肌が透けるランジェリーから見え。きれいな形のした育ち途中の胸が自分の心を乱す。心の底から汚れた情が沸き上がった。

「………」

 存分に眺めたあと。私はアメリアの頬にキスをする。頭を撫でながら。

「んぁ………ん………トラストさま…………トラストさん!?」

 ガバッ!!

 いつか見た光景のようにアメリアが布団で体を隠す。

「おはよう。僕の姫様…………今日は着てくれたんだね」
「あっはい………その………恥ずかしいですけど。トラストさんが着てほしいっと言っていたので」
「ありがとう。寝ている君を起こさず眺めていようかと思ったよ」
「あうぅ………」

 モジモジと恥ずかしがる彼女に心が揺れる。今日はその揺れる気持ちに委ねようと思った。何故なら………

「元婚約者の元はどうだった?」
「な、何もありませんでした。ただ、当主からはトラストによろしくと言っておりました」
「そう………嘘はいけない」
「ほ、ほんとうです!!」

 自分は彼女の頬に手を置く。ビクッと体を震わせた彼女に俺は笑みを濃くする。

「こんなに可愛いのに何もないわけないじゃないか?」
「トラストさま………本当です………嘘じゃないです」
「じゃぁ………汚されているか僕が見よう」

 布団を下ろさせた。アメリアは顔を背け強く目を閉じて腕で胸を隠す。

「腕下ろす」
「…………はい」
「……綺麗な形だ」
「トラストさん………恥ずかしいです」
「大丈夫。すぐに慣れるよ」
「んぅ」

 顔を向けさせ、顎を上げてアメリアの柔らかい唇を奪う。

「愛してるよ。アメリア」

 目が蕩けたアメリアが可愛い。愛おしい。

「トラストさん…………もしかして。ヌチェル家に行ったこと嫉妬してますか?」
「………ええ。不安でしたよ。寝取られてしまうかとね」
「ね、寝取りですか?」
「多いよ。可愛らしい子は取り合いだ」
「わ、わたしはそこまでじゃ………ないです」

 謙遜し、目を伏せるアメリア。自分は彼女の肩を掴む。

「それは俺が決めること。だから………不安を消してくれ」
「け、消すですか………どうすれば?」
「今からわかる」

 俺はアメリアを押し倒す。

「トラストさん!?………お戯れが過ぎます!!」
「アメリア。力を抜け………体を俺に預けて享楽を貪ればいい。いや………初めは痛いだろう」
「か、くごが出来ておりません」
「覚悟は決めさせるよ。俺が」

 押し倒した彼女の唇を深く深く奪い。言葉に耳を貸さずにその夜、アメリアを自分だけの女とした。



§



 早朝。頬を撫でられた事で私は起きる。大きな腕の中で私は目覚めた。

「おはよう。アメリア………今日から遠征だ。寂しくなるだろうが安心してくれ」
「は、はい……」

 私はボーッとして昨日の事をゆっくりと思い出す。

「昨日はすまなかったがこれで晴れて妻っと言える」
「は、はい………その………」
「帰ってきたら。また頼む」
「……」

 私は頷く事しかできなかった。顔を見ると思い出してしまう。恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちが混ざり合い。愛となる。

 トラスト様は優しい。破瓜の時も、慰めながら優しい言葉を耳許で囁き。胸の中でのトラストさんは押し倒した時のように怖いかと思ったがそうでは無かった。

 初めて体験する。最初以外は苦痛も屈辱も伴わない行為。まるで純粋に伴侶を愛で子を成そうとする行為。こんな今まで生きてきて、見たこともないような格好いい、優しい男の人に壊れ物を扱うように抱かれ。愛される行為。ただの少女が女になる。

「トラスト………さん………」

 幸せなんだと理解出来た。辛かった日々を思い出せないほど。

「なんだい?」
「…………子供できちゃいます」
「そのつもりだが? 待てない………卒業まで」
「えっ………」
「裏口卒業だが。先生方には話した。好きに孕んでいい」
「…………」
「不安そうな顔だね」
「はい………母親の愛を知らない私が子を成すのはよろしいのでしょうか?」
「母親とは正反対の事をすればいい。それとも…………私との子を愛せないと?」
「そ、そんなことないです‼」
「だったら………頑張って欲しい。僕も見たい君との子を」 
「トラスト…………トラストさん…………」
「愛しているから。家族欲しいね」

 私は何故かまた泣いてしまった。嬉しくて嬉しくて。認めてくれて愛してくれて。そして………家族の暖かさをくれると約束して。

「トラストさん…………愛してます」
「呼び捨てでも良いけれど。さんづけも甘えている見たいで好きだな」
「………トラストさん」

 ワルダが呼ぶまで私たちは抱き合っていた。私はお腹に手を置きながら。
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