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母親は捨てただろう。だが俺は捨てない。
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屋敷の玄関で防寒着に身を包んだトラストさんが遠征へ向かうのを見送る。寒い時期。向かう先はもっと寒い場所に向かう。
「アメリア。寒いから風邪をひかないように。暖かくして寝るんだ」
「はい」
「あとそれと。やらないと思うが男遊びはダメだ。アフトクラトル家を汚す」
「しませんよ?」
「まぁそうだな。あと………ヌチェル家とはあまり関わらない事」
「は、はい」
「帰ってくるまで令嬢の品位を持て………」
「トラスト………待ってください」
「………なんでしょう?」
「私より寂しいの?行きたくないの?」
そう、昨日の行為はまるで自分の物にするために行った気がする。焦りを感じる行為。
「寂しいね」
「だと思った…………旦那さま」
「おう………」
「頑張って待ってる。行ってらっしゃい」
私は笑顔で見送る。困った顔から決意に満ちた顔に変わり笑いながら歩みを始めた。
「ああ、行ってくる」
私はクスッと笑いながら屋敷に入った。
「ワイバーン倒す黒い騎士。中身は寂しがりやの男の人。だけど………いざってときは誰よりも残酷になれる人」
寂しがり屋は私しか知らない事。
「お嬢様、おはようございます。ご機嫌ですね?」
「ワルダ………そう。ご機嫌です」
「………あの、お嬢様。一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「なんでしょう?」
「洗濯する下着に見覚えのない物が混じっておりました。着られたのでしょうか?」
それを聞いた瞬間。私は顔を手で押さえてその場にしゃがむのだった。
§
遠征から数日、自分が遠いこの地に来た本当の目的を遂行させる。
目的はヴィス家が我が家の傘下となるための視察が表向き理由。本当にやろうとしていることは一つ。
「お義父さん。お願いします」
俺はヴィス家当主の屋敷で頭を下げる。大きさもさほどアメリアが住んでいる屋敷よりも少し大きいぐらいだ。別宅もありお義母様はそこに住んでいるだろう。
「話を聞いていたが。そこまで酷いとは、しかし………重い罰だ」
「アフトクラトル家の婚約者を虐待。不法侵入は斬られても文句は言えませんね」
「それでも妻を処刑に出すのは憚れる。無理難題だ」
そう、俺はあの母親を処刑したいと考えて頭を下げていた。最初は驚いていたが自分の話を聞くうちに申し訳ない顔で謝ってくる。
「しかし………処刑はやりすぎですよ」
「そうですか? 聞けば領地が減った理由でもありますね」
領民に対する仕打ちが酷い。イメージが悪いのだ。
「しかし。ヴィス家令嬢です無理です。例え息子の依頼でも無理です。お帰りください」
「でしたら妥協案です。アメリアに会わせない事とそうですね一つだけワガママを聞いてください。処刑より簡単です」
「わかった。アメリアには会わせないようにする。別宅から出さない。もう1つとは?」
俺は笑みを深める。あの母親ならそれで十分だからだ。最初から処刑なんて考えていなかった。
妥協を出すための口実。アメリアが知ったら怒るかもしれない。だけど………俺はあの日から怒りが収まらない。
§
私の家の庭が騒がしい。私は………首を傾げながら何があったかを使用人に聞く。
「私にもわかりかねます」
「はん……使えないわね」
雪が掻き分けられ。場所に木を組み立てて何かを作っている。
「………なんでしょう?」
知っているような知らないような。
暇なので組上がる物を私は眺めていた。結果、それが何かをわかり。屋敷を飛び出る。
「お前たち!! 私の家でなんて物を立てるのよ!!」
「ヴィス家当主さまの依頼です。アフトクラトル家のお怒りを静めるために」
「アフトクラトル家!?」
「そ、そうです!! そこで眺めているアフトクラトル家の人です」
立っていたのは娘の婚約者だった。いけすかない顔を浮かべてながら私の前へ立つ。
「こんにちは。お義母さま」
「誰がお義母さまよ………認めてないわよ」
「認めてくれなくれなくてけっこう。アメリアが自分を愛してくれてさえすればいい」
「………これ何よ。片付けなさい」
「お断りです。ねぇお義父さん」
「あ、あなた!?」
「やぁ………アフトクラトル家を怒らせたようだね」
「怒らせた!?………勝手に娘を奪ったのはそっちじゃない!!」
「…………おまえ。まぁいい。領民の怒りもあるので撤去もしない」
「あっ………どういう事!?」
「アフトクラトル家は処刑を希望したが温情で庭に絞首台を置くことで許された。そういうことだ」
「当主の深い愛で考えを改めました。お義母さん」
「しょ、処刑!? 横暴よ!!」
「アメリアを苛めようとした者の言葉に何か?」
「すまんがアフトクラトル家に逆らえん。横暴だが………認めてくれて」
私はあまりの侮辱に腰が引ける。トラストと言った若造の視線の意味を感じ取った。
殺意。明確な殺意が私に向けられていた。
「はは…………大きな家の影響で侮辱はさぞたのしいでしょうね!!」
「ええ、胸がスカッとします。アメリアを救える事に」
「死ね!! 滅びろアフトクラトル家!!」
私は踵を返して屋敷に帰り………寝室で暴れた。
§
「………ありがとうお義父さん」
「いいや、領民からの苦情が多くて多くて困っていた所だ。ちょうどいい戒めだ。どこでこんな発想を?」
「よくありますよ。処刑に類する事だが令嬢であり、ダメな時は帝国では処刑道具を庭に展示させるんです」
「………そうか。恐ろしいが我が家で行われるとは思ってもみなかった」
「ええ、そうですよね。だから………こそ妥協案を出したのです。最初っから言えば許してはくれませんでしたでしょ?」
「娘は一体何と婚約したんだろう」
「お義父さん。恐れているのでしょうが妻に危害が及ばないなら大丈夫ですよ」
「アメリアにそんな価値があるとは思えない」
「お義父さん。価値は他人が決めるもの………俺は彼女を妻と決めました。それだけです」
絞首台を眺めたあと雪道を歩き宿屋へ帰る。これでアメリアは安心して母親の影に怯えず住める筈だ。
「ヌチェル家のご子息。アメリアの母親………後は………」
学園の事を嘘をついて陰口を言い。母親を向かわせた嫌がらせをする家。リトラトス家だ。まだ終わらないまだ終わらせない。
自分は明日には帝都に帰る。そして………強くアメリアを求めようと考えるのだった。
§
大きな大きな雪が帝都に降る。帝都の魔法使いたちが雪を溶かして練り歩き至るとこ水浸しになった日。私は窓の外を見ながら何も耳に伝わった噂に驚いた。
「トラストさん………」
噂は馬よりも早い。ヴィス家の令嬢………お母さんが重い処罰が下ったと聞いた。
コンコン、ガチャ
「ただいま。アメリア」
「おかえり。トラスト…………遠征お疲れさまです」
トラストさんがいつ帰ってくるかも聞いていた。その時に噂も耳にしたのだ。
「………その複雑な顔。どうしたんだい? 久しぶりに見たにしては………暗い」
「母上の処罰をお聞きしました。本当ですか?」
「本当です。もう2度と帝都に来ません」
「………そうですか。トラストさんはどうしてそこまで頑張るんですか?」
物語の王子とはかけ離れた黒い感情が見える。
「………余計な世話だったのは知っている」
「実の母親をこんなことしてもいいのでしょうか?」
「それは、いい加減忘れろ。君にとって毒だ」
「………………ごめんなさい。言葉を濁しました。違うんです」
最初は物語の王子のような人と思っていた。でも長く一緒にいることで私は………彼が他とは違い黒い何かがあることに少し不安になる。だから………抱きついた。
「わ、わたしの愛したトラストさんがまるで別人になるんじゃないかって………不安で不安で………たまらないんです」
「小説の王子のような僕がよかったかい?」
「ち、ちがいます………」
図星を突かれ目線を下げてしまう。
「怖がっている……」
彼は跪き私の顔を覗き悲しそうに言う。その瞬間……ああいつものトラストさんだと感じれる。
「い、いいえ………その………トラストさんがどんな人でも私は愛したいきます」
「アメリア」
「ごめんなさい。変なこと言いました。おかえりお疲れさまです」
「………うん。疲れた」
彼が立ち上がり私を抱き締める。
「えっと……ご飯用意しますね」
「その前に………」
彼が私の頬を撫でる。これは合図。だから私は彼に身を委ね深く愛し合う。唇を交わしながら。
「そういえば。王子とはそういう者以外もいるよ」
「…………どういう事です?」
「歪んだ王子の激しい囚愛を描いた小説もある。だから………間違っていないよ」
「トラストさん」
「ん?」
「言われてショックだったの?」
「…………少し」
私はいつもの彼に抱きつきながら甘い声で彼の名前を呼ぶ。 あまりの愛おしい気持ちが抑えきれずにご飯の時間が遅れたのだった。
「アメリア。寒いから風邪をひかないように。暖かくして寝るんだ」
「はい」
「あとそれと。やらないと思うが男遊びはダメだ。アフトクラトル家を汚す」
「しませんよ?」
「まぁそうだな。あと………ヌチェル家とはあまり関わらない事」
「は、はい」
「帰ってくるまで令嬢の品位を持て………」
「トラスト………待ってください」
「………なんでしょう?」
「私より寂しいの?行きたくないの?」
そう、昨日の行為はまるで自分の物にするために行った気がする。焦りを感じる行為。
「寂しいね」
「だと思った…………旦那さま」
「おう………」
「頑張って待ってる。行ってらっしゃい」
私は笑顔で見送る。困った顔から決意に満ちた顔に変わり笑いながら歩みを始めた。
「ああ、行ってくる」
私はクスッと笑いながら屋敷に入った。
「ワイバーン倒す黒い騎士。中身は寂しがりやの男の人。だけど………いざってときは誰よりも残酷になれる人」
寂しがり屋は私しか知らない事。
「お嬢様、おはようございます。ご機嫌ですね?」
「ワルダ………そう。ご機嫌です」
「………あの、お嬢様。一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「なんでしょう?」
「洗濯する下着に見覚えのない物が混じっておりました。着られたのでしょうか?」
それを聞いた瞬間。私は顔を手で押さえてその場にしゃがむのだった。
§
遠征から数日、自分が遠いこの地に来た本当の目的を遂行させる。
目的はヴィス家が我が家の傘下となるための視察が表向き理由。本当にやろうとしていることは一つ。
「お義父さん。お願いします」
俺はヴィス家当主の屋敷で頭を下げる。大きさもさほどアメリアが住んでいる屋敷よりも少し大きいぐらいだ。別宅もありお義母様はそこに住んでいるだろう。
「話を聞いていたが。そこまで酷いとは、しかし………重い罰だ」
「アフトクラトル家の婚約者を虐待。不法侵入は斬られても文句は言えませんね」
「それでも妻を処刑に出すのは憚れる。無理難題だ」
そう、俺はあの母親を処刑したいと考えて頭を下げていた。最初は驚いていたが自分の話を聞くうちに申し訳ない顔で謝ってくる。
「しかし………処刑はやりすぎですよ」
「そうですか? 聞けば領地が減った理由でもありますね」
領民に対する仕打ちが酷い。イメージが悪いのだ。
「しかし。ヴィス家令嬢です無理です。例え息子の依頼でも無理です。お帰りください」
「でしたら妥協案です。アメリアに会わせない事とそうですね一つだけワガママを聞いてください。処刑より簡単です」
「わかった。アメリアには会わせないようにする。別宅から出さない。もう1つとは?」
俺は笑みを深める。あの母親ならそれで十分だからだ。最初から処刑なんて考えていなかった。
妥協を出すための口実。アメリアが知ったら怒るかもしれない。だけど………俺はあの日から怒りが収まらない。
§
私の家の庭が騒がしい。私は………首を傾げながら何があったかを使用人に聞く。
「私にもわかりかねます」
「はん……使えないわね」
雪が掻き分けられ。場所に木を組み立てて何かを作っている。
「………なんでしょう?」
知っているような知らないような。
暇なので組上がる物を私は眺めていた。結果、それが何かをわかり。屋敷を飛び出る。
「お前たち!! 私の家でなんて物を立てるのよ!!」
「ヴィス家当主さまの依頼です。アフトクラトル家のお怒りを静めるために」
「アフトクラトル家!?」
「そ、そうです!! そこで眺めているアフトクラトル家の人です」
立っていたのは娘の婚約者だった。いけすかない顔を浮かべてながら私の前へ立つ。
「こんにちは。お義母さま」
「誰がお義母さまよ………認めてないわよ」
「認めてくれなくれなくてけっこう。アメリアが自分を愛してくれてさえすればいい」
「………これ何よ。片付けなさい」
「お断りです。ねぇお義父さん」
「あ、あなた!?」
「やぁ………アフトクラトル家を怒らせたようだね」
「怒らせた!?………勝手に娘を奪ったのはそっちじゃない!!」
「…………おまえ。まぁいい。領民の怒りもあるので撤去もしない」
「あっ………どういう事!?」
「アフトクラトル家は処刑を希望したが温情で庭に絞首台を置くことで許された。そういうことだ」
「当主の深い愛で考えを改めました。お義母さん」
「しょ、処刑!? 横暴よ!!」
「アメリアを苛めようとした者の言葉に何か?」
「すまんがアフトクラトル家に逆らえん。横暴だが………認めてくれて」
私はあまりの侮辱に腰が引ける。トラストと言った若造の視線の意味を感じ取った。
殺意。明確な殺意が私に向けられていた。
「はは…………大きな家の影響で侮辱はさぞたのしいでしょうね!!」
「ええ、胸がスカッとします。アメリアを救える事に」
「死ね!! 滅びろアフトクラトル家!!」
私は踵を返して屋敷に帰り………寝室で暴れた。
§
「………ありがとうお義父さん」
「いいや、領民からの苦情が多くて多くて困っていた所だ。ちょうどいい戒めだ。どこでこんな発想を?」
「よくありますよ。処刑に類する事だが令嬢であり、ダメな時は帝国では処刑道具を庭に展示させるんです」
「………そうか。恐ろしいが我が家で行われるとは思ってもみなかった」
「ええ、そうですよね。だから………こそ妥協案を出したのです。最初っから言えば許してはくれませんでしたでしょ?」
「娘は一体何と婚約したんだろう」
「お義父さん。恐れているのでしょうが妻に危害が及ばないなら大丈夫ですよ」
「アメリアにそんな価値があるとは思えない」
「お義父さん。価値は他人が決めるもの………俺は彼女を妻と決めました。それだけです」
絞首台を眺めたあと雪道を歩き宿屋へ帰る。これでアメリアは安心して母親の影に怯えず住める筈だ。
「ヌチェル家のご子息。アメリアの母親………後は………」
学園の事を嘘をついて陰口を言い。母親を向かわせた嫌がらせをする家。リトラトス家だ。まだ終わらないまだ終わらせない。
自分は明日には帝都に帰る。そして………強くアメリアを求めようと考えるのだった。
§
大きな大きな雪が帝都に降る。帝都の魔法使いたちが雪を溶かして練り歩き至るとこ水浸しになった日。私は窓の外を見ながら何も耳に伝わった噂に驚いた。
「トラストさん………」
噂は馬よりも早い。ヴィス家の令嬢………お母さんが重い処罰が下ったと聞いた。
コンコン、ガチャ
「ただいま。アメリア」
「おかえり。トラスト…………遠征お疲れさまです」
トラストさんがいつ帰ってくるかも聞いていた。その時に噂も耳にしたのだ。
「………その複雑な顔。どうしたんだい? 久しぶりに見たにしては………暗い」
「母上の処罰をお聞きしました。本当ですか?」
「本当です。もう2度と帝都に来ません」
「………そうですか。トラストさんはどうしてそこまで頑張るんですか?」
物語の王子とはかけ離れた黒い感情が見える。
「………余計な世話だったのは知っている」
「実の母親をこんなことしてもいいのでしょうか?」
「それは、いい加減忘れろ。君にとって毒だ」
「………………ごめんなさい。言葉を濁しました。違うんです」
最初は物語の王子のような人と思っていた。でも長く一緒にいることで私は………彼が他とは違い黒い何かがあることに少し不安になる。だから………抱きついた。
「わ、わたしの愛したトラストさんがまるで別人になるんじゃないかって………不安で不安で………たまらないんです」
「小説の王子のような僕がよかったかい?」
「ち、ちがいます………」
図星を突かれ目線を下げてしまう。
「怖がっている……」
彼は跪き私の顔を覗き悲しそうに言う。その瞬間……ああいつものトラストさんだと感じれる。
「い、いいえ………その………トラストさんがどんな人でも私は愛したいきます」
「アメリア」
「ごめんなさい。変なこと言いました。おかえりお疲れさまです」
「………うん。疲れた」
彼が立ち上がり私を抱き締める。
「えっと……ご飯用意しますね」
「その前に………」
彼が私の頬を撫でる。これは合図。だから私は彼に身を委ね深く愛し合う。唇を交わしながら。
「そういえば。王子とはそういう者以外もいるよ」
「…………どういう事です?」
「歪んだ王子の激しい囚愛を描いた小説もある。だから………間違っていないよ」
「トラストさん」
「ん?」
「言われてショックだったの?」
「…………少し」
私はいつもの彼に抱きつきながら甘い声で彼の名前を呼ぶ。 あまりの愛おしい気持ちが抑えきれずにご飯の時間が遅れたのだった。
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