不実な紳士の甘美な愛し方

藤谷藍

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まさかの恋人事情 3

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週が明けると忙しい日常にまた埋没する。

月曜だというのに取引先から帰った勢いで会社に残り、仕事に励んだ葵だが、帰りがけになって石田に捕まってしまった。
ーー今日は一日外回りで顔を合わせていなかったし、レストランでの一件で諦めるだろう、そう思っていたのに……
思いがけずいきなり声をかけられ、いやがらせのように前方まえをふさがれてびっくり。しかも今回は、なぜだか「戻ってきてくれ」とまるで捨てられたような言い方をする男に、葵はほとほと呆れた。

「……嫌よ。それに間違えないで、浮気したのはそっちだから。ーー帰るから通して」
「だからぁ、彼女とは別れるって言ってるじゃん」

痛い事実を指摘すれば上から目線のこの態度。その上、まだ別れてもいないのに言い寄ってくる神経が、ほんと信じられない。ーー冷めた目をした葵は、無言でそこから立ち去ろうとした。
だが、そうはさせじと石田はさらに前に立ちはだかる。

「なあ。いい加減さあ、駆け引きじみたことやめてさあ。素直に戻ってこいよ……」

こちらに向かって一歩踏み出してくるご都合主義な男の言動に、我慢も限界で悪寒が走る。
戻るも何も、二股かけたあげく、それが発覚した途端に葵との付き合いなどなかったようにしらばっくれたくせに……だが、こんな男を相手に口論なぞしたくない。
会社ではひた隠しにしていた嫌悪もあらわに顔をしかめた葵は、近寄らないでとばかり後ずさった。ところが、石田はそれも気に入らなかったらしい。

「なんでそんなつれないんだよ。もしかして、まだ怒ってんの? とっくにあやまったじゃん」

……まさかあの誠意のかけらさえなかった謝罪で、すべてが片付くと思っている……? ましてや、この男には葵を裏切ってまで関係を持った女性がいるというのに。
今度は、意図的に彼の裏切りの片棒を担がせようだなんて、冗談ではない。

(ーー本当にこの人、私のことまるっきり分かってない。というか分かろうとする興味もないんだ)

「ちょっとだけだからさあ、俺の案件手伝えよ」

ーーやはり、それが本音か。
通路の端の自販機まで追い詰められて、葵は思わず大声を出していた。

「何言っているの! 嫌だって言ってるでしょっ、どいてってば」

その時、偶然にも人気ひとけのなかった廊下の向こうに人影が現れた。

「おい、そこっ。どうしたんだ?」

助かったーー。 外回りから帰ってきたばかりなようすの同僚に、どっと安堵を覚える。
けげんそうな中西へ「お疲れ様です」と感謝の意を込めて葵は向き直った。
追い詰められた形の葵を見て、中西は慌てて体を遠ざけた石田に懐疑的な視線を向ける。

「石田ーー? お前一体何を……」
「僕はちょっとーー、植松に話があって」

会社では葵を”さん”付けで呼んでいたくせに、そんな事も忘れたらしい。石田はだが中西に睨まれて、そそくさと去っていく。小さくチッと舌打ちした後、会社の先輩に対し挨拶もそこそこの態度に中西は疑問の声を上げた。

「あいつ、もしかしてあれが素なのか……? 植松さん、大丈夫か?」
「中西さん、助かりましたーー」

バッグを持ち直した姿をだが、中西は難しい顔で見ている。

「なあ、一応課長に報告した方がよくね? あいつのやってることは立派なセクハラだぜ」
「……大丈夫です。まだ何もされてませんし」
「いや、されてからじゃあ、遅いだろ?」

そう言われると悩んでしまう。けど、まだ対応できる範囲内だ。

「……もう少し、様子見で」
「植松さんがそう思うなら、今回は黙るけど。……同僚だし、言い出しづらいんだろうけどな。植松さんは今は俺と組んで仕事してるし……悪いけど、見過ごせないと判断したら、俺から課長に報告させてもらう」

葵はそれでいいと頷いた。石田のしつこさは仕事が上手くいってないせいだと、葵も気づいている。
石田は葵に恋人として戻って欲しいわけではない。仕事を手伝えーーつまり、葵がサポートしてすべてが順調だった頃に固執している。
それがこの間、カフェで話をしてみてよく分かった。
よりを戻すフリをすれば、また自分のために働いてくれる……そんな思惑が見え見えな石田の脳内では、おそらく葵は甘い言葉で釣れる都合のいい女なのだろう。
不器用な人だと思っていたが、とんでもなかった。そんな風に見せかけていただけで、小ズルい狡猾な男だったのだ。葵が決して秘密をバラさないのを知っていてーー平気で戻ってこいと口に出せる。

(……私をうまく言いくるめて、また仕事をやらせて、美味しいどころ取りってところよね……)

恋の魔法から目が覚めた今は、彼の描く勝手なシナリオがよく読めた。
「送ろうか?」と申し出てくれた中西の親切を丁寧に辞退した葵は、駅の改札口から家に向かってとぼとぼ歩きだした。
石田が待ち伏せしているのは、毎週ではないが決まって火曜か木曜だった。それでも視線を感じた気がして、マンションのエレベーターから用心のため、まず顔だけを出して確かめる。
大丈夫、家の前には誰もいない。
だけど家の中に入ると、拭い切れない違和感を強く感じる。今朝出た時と何も変わっていないはずなのに。
夕飯を済ましテレビを見ていると、ピンポーンと呼び出し音が鳴ってハッとした。恐る恐る応答したら、聞こえてきたのは落ち着いた声だ。

「植松さん? 明かりが見えたから、念のため寄ってみたんだけど」
「鳳条さん!」

ドアを開くと目に入った頼もしい姿に、全身がじんと熱くなり胸が一杯になる。
爽やかな香りを吸いこんでいきなり涙ぐんだ葵に鳳条はびっくりしたようだ。だがすぐ、「大丈夫かい?」と心配顔になった。葵も長い腕が身体に回ってきても嫌がるどころか、無意識のうちにその胸にもたれかかっていた。

「どうした? 例の彼がまた来たのかい?」

か細い声で否定したら「とりあえず中に入っても?」とかすれた声が耳元でする。そこでようやく、自分たちはまだ玄関の外だと気づいた。

「す、すみません! 私ったらこんなところで」
「ーー僕は役得だから、まったく構わないけど」

腕をほどきつつもおどける顔につられて、「もう、鳳条さんてば」とつい笑い返していた。

ソファーに一緒に座ると、夕方あったことや、マンションについてから違和感を感じたことをポツポツと口にしはじめる。

「……まだ何かあるね? 言ってごらん」
「鳳条さんーー?」
「甘えていいんだよ、僕には」

頭を撫ぜられると涙が出そうになる。だから慌てて打ち明けた。
葵を都合よく利用しようとする石田の思惑や、こちらの気持ちなどまるっきり無視で傷ついていることを。

「こんな人だったなんて、ほんともう彼のことを信じていた自分が馬鹿みたいで。ーー自己嫌悪かつ男性不信の一歩手前ですよ……」

鳳条の前では、思ってることをこんな風に口にできるのは不思議なほどだった。

「ーー植松さんは、いったん言葉を交わすとどんな相手でも話を真摯に聞こうとするだろう? それに、相手が困っているようだと、同調しやすくなるんじゃないかな」

自分では気づかなかったが、そう言われればそうなのかも。

「そんなところが僕はすごく好きだけどーー。その彼はきっと、君の優しさにつけ込んで増長したんだね」

ひと呼吸おいた声が心なし低くなる。

「そういう僕もある意味、君を利用していることになるのかな……?」

鳳条の言葉に葵はびっくりした。真剣な眼差しで心の奥まで見つめてこようとする黒い瞳に、かあと頬が熱くなる。

「いえ、鳳条さんは全然違いますよ!」
「そうかい? 本当にそう思ってくれている?」
「もちろんです」

心から頷いだ葵は、スーツ姿をみてようやく思い当たった。

「そういえば、晩ご飯は食べたんですか?」
「いや、まだだよ。気になったから帰りに寄ってみたんだ」

ーーほら、こういうところが彼は違う。葵の本能も信じていいと理性に同意してうなずいている。

「ありがとうございます。あの、私はもう大丈夫ですから」

話を聞いてもらえただけで嬉しかった。きっとお腹が空いているに違いない。そう思った葵は、鳳条にまだ行って欲しくない気持ちと反対のことを述べていた。

「言っただろう。君はもう少し甘えることを覚えた方がいい。そうだな……僕は夕食をとってからまた戻ってくるから」

だが、そんな強がりなど難なく見抜かれている。

「そこまでしてもらうわけには……」
「恋人には甘えていいんだよ。じゃあ、また後でね」

わざと軽く目配せをしたその仕草に、葵がぷっと吹き出すと彼はいかにも心外だと大袈裟に嘆いた。

「自分で言うのもなんだけど、結構決まったと思ったんだけど」
「決まりすぎなんですよ。いかにも慣れてて残念すぎ」

一緒に笑い出した顔が扉の向こうに消えても、先ほどと違って葵の心は軽かった。彼がまた戻ってくれる。そう思うだけで安心だと感じる。

(そうだ。片付けとか済ましておかなくっちゃ)

皿洗いやら入浴やらに取りかかっても、さっきまで感じていた孤独感はもう感じなかった。そして歯磨きまで終わった頃にスマホが鳴ると、かけてきたのは誰かが分かっているのに応答にもちょっとどぎまぎする。
……もしかしたら、遅くなったからと断られるのかも知れない。けれども、余計な心配をかけないためにもなるべく明るい調子で出なくてはーー。

『植松さん? もうすぐ着くけど、遅いからドアをノックするよ。僕だと確認したら開けてくれる?』

落ち着いた声は前言撤回どころか、夜中だからと呼び鈴チャイムが響くことに気を使ってくれた。しばらくして静かにノックされたドアを再び開けると、鳳条はシャワーを浴びたのか髪が少し濡れている。

「本当に、戻ってきてくれたんですね」
「そう言っただろう?」

不思議そうに聞いてくるから、思わず抱きつきたくなる。そんな心情が伝わったのか、長い腕が肩に回ってきた。ギュッと抱きこまれる。

「ほら。もう遅いし、明日も仕事だろう。寝つくまで一緒にいてあげるから」

鳳条はベッドに入るように身振りで促してくる。

「君が寝てから帰るよ。予備の鍵はあるかい?」
「あ、それがですねえ……」

言われた通りベッドに入りながら、予備の鍵は石田がまだ持っていると伝えた。ロック施錠ごと木曜に変える予定だと知った鳳条は、電気を消しながらーー。

「じゃあ、朝までいるよ。そこのソファーを使ってもいいかい?」

と、何気なく申し出た。その返事を聞いた葵は思ったことを素直に告げる。

「バカなことを言わないでください。このベッドは狭いですけど、よかったら一緒にどうぞ」
「……いいのかい?」
「前科は既にありますしね。いまさらですよ、それに恋人なんでしょ?」
「清い交際だけどね」

笑った葵にからかうような声で鳳条が付け足した。だけど声は嬉しそうだ。
自分の為にめくられた上布団を掴んで「ありがとう」と隣に身体を横たえた。
ーー自分でも大胆なことを言ってしまった自覚はある。だけど、彼は甘えて欲しそうだったし、そんな甘えが彼なら許されるような気もした。

「……君の匂いがする」

一つの枕で頭を並べると、お互いの身体があちこちくっつく。

「怖いことを言わないでくださいよ」
「思ったことを言っただけなのに……」

ガッカリした声に思わずまた小さく吹き出す。睫毛を伏せた顔がすごく近くて、案外可愛いところもあるとついその頭を撫でてみた。すると、鳳条は甘んじている。されるままだ。

「今日は……例の女性はどうでした?」
「ーー恋人なのに、なんで他の女性のことなんか聞いてくるかな」

文句を言いながらも、メールも電話もなかったと抱きしめられた。

「君のおかげで、ほんと助かってる」

髪に唇が当たって温かい息がかかる。葵も嬉しくなって、広い背中に両手を回した。

「よかった、お役に立てて。こちらもこんなに助けてもらっているんですから」

今日は自分でも珍しいくらいとても心細かった。察した彼が一緒にいてくれて、心の底から嬉しかった。

「こちらこそ、君といるのは楽しいよ」

暗闇でも彼の瞳がこちらをじっと見ているのが分かる。葵も見つめ返すとだんだん顔が近づいてきて、つかのま唇が優しく触れあった。うわあ、と顔が真っ赤になる。

「……清い交際じゃあ、なかったんですか?」
「ーー十分、清い交際内だと思うけど」

笑いを含んだ声がささやいてくる。う、まあ……言われてみれば、このぐらいの触れあいって中学生レベルだ。
唇にキスをされたのに……まったく嫌悪感が湧かない。どころか、親愛溢れる目で見つめられると嬉しいとさえ思ってしまうから、葵は対応に困った。
そんな葵を鳳条の腕がやんわりと包みこんでくる。

「さあ、もう寝よう。おやすみ」

暖かい胸と体温に包まれると、ドキドキ早まった心臓もやがて落ち着き安心感が襲ってくる。葵も漆黒の髪と瞳の持ち主に「おやすみなさい」を告げるとそっと目を瞑った。



次の朝早く。まだ夢の中のような頭が、聞き慣れてきた声を認識した。

「植松さん、起きて」
「あ、あれ? おはようございますーー」

顔を覗き込まれた葵は、ぼんやりと挨拶をした。

「おはよう。起こして悪いけど、僕はもう行かなくてはならないんだ」

そうだった。昨夜は彼が泊まってくれたからうっかり忘れそうになっていたが、今日はまだ火曜だ。
……仕事が待っている。

「すみません! 私ったら寝坊しました?」

腹筋に力を込めた葵は飛び起きた。

「いや、まだ6時前だから」

よかった。てっきり寝過ごしたと超焦った。

「面倒でも、僕が玄関を出たら鍵をかけるんだよ? そうしたらまた、ベッドに戻っていいから」
「いえ、もう起きますよ」

二度寝なんかしたら、今度こそ本当に遅刻する。

「じゃあ、見送ってくれるかい?」
「あ、はい。もちろんです」

上機嫌で玄関に向かう姿を、葵はトコトコと追った。

「仕事が終わったら、また連絡するから」
「気を使ってもらって、どうもありがとうございます」
「ーーじゃなくて、もっとこう……」

広い背中が突然振り返った。と思ったら、両腕が身体に回される。そして素早くこめかみに唇が触れた。と、そのまま唇にまで下りてきて、チュッと可愛らしい音がした。唇を啄むような軽いキスーー。

「恋人なら、やはりこうでなくてはね」

満足げに述べつつの悪戯っぽく光る瞳に向かって、葵は声を大にする。

「っ! 朝っぱらから、何ごとですか⁉︎」
「『伊織さん、いってらっしゃい』と言ってごらん?」
「はい⁉︎」

目を見開いて面食らった姿も気にせず、鳳条は挨拶の言葉を要求してくる。

「ーーいってらっしゃいは?」
「い、いってらっしゃい?」
「いってきます」

パタンとドアが閉まった。
ーーなんだったんだろう……? 今のやりとりは。

(……っ、ぼんやりしている場合じゃあない!)

出勤準備をせねば、ほんとうに遅刻をする。つかのま重なった唇の甘さを頭から追い出すように、葵は洗面所で顔を洗った。ーー女性扱いが上手な彼のペースにハマってしまった。
それだけのことなのだから、いちいちこんな動揺してどうする。

そうだ。忘れもしない、彼と初めて会ったカフェでの修羅場ーー別れる直前の元カノとでさえ、あんな刺激あふれるキスをしていたではないか。

……だけど。そうなんだけど。

唇にキス、しかも二度も触れられたのに嫌じゃなかった。嫌悪感さえなかった。どころか、嬉しかっただなんてーー……
先ほどの柔らかい感触が再び頭に浮上しそうになるのを払いのけ、ブラウスを着てスカート履いてと、機械的な動作を繰り返す。とだんだん調子が戻ってきた。
朝ごはんをすまし時計を見ると、もう家を出る時刻だ。結局、急がねばと駅への道をいつもと変わらず早歩きしつつ、葵は意識を無理やり今日の仕事へと向けた。
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