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最終話 また、二人で
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リュザに会って香澄と会話してから、また数日。
ケイとルットに店を手伝ってもらい、一人でご飯を食べて眠って一日が過ぎ、また一日が過ぎ……と淡々と日々を過ごした。
香澄とリリーの声はまだ耳に残ったままで、もう聞くことができないことに胸が締め付けられる。
それでも前に進まなければ、と毎日店の仕事をしているうちに、ユリクが王都に行ってから二週間以上が経っていた。
二週間以上経過したということは、入団試験も受けているし、合格か不合格かの通知もわかっているだろう。
だけど、窓から外を覗いてもこちらに馬車が止まる気配はない。
開店中に庭から何度も確認したけれど、馬車の姿もユリクの姿もなかった。
「……はあぁ」
「カナメ、どうしたんだ? ずいぶん大きなため息だな」
ケイがお客さんの食べ終わった食器をお盆に乗せたまま聞いてくる。
「ユリク、そろそろ帰ってくる頃なんだけど……」
口を尖らせてチョコレートパンケーキを焼く。
その間もちらちらと玄関の方を見たが、カランカランとベルを鳴らしてやってくる人は普通のお客さん。
落ち込む私の様子を見て、ケイがにこにこ笑っていた。
「やっぱり、カナメとユリクは夫婦みたいだな」
「ええ!? 何言ってるの!?」
「いや、だって旦那の帰りを待ってるお嫁さんみたいじゃないか」
私が驚いて叫ぶと、ケイは冷静に返す。
そういえば前にも、ケイに私たちの関係を夫婦だと勘違いされた気がする……。
あのときはユリクと二人で並んでいるだけで言われたけど、今日は私がユリクの帰りを待っていることに対して言われてしまった。
確かに何度も玄関をチラ見して、夫の帰りを妻が待っているみたいだ。
一気に顔に熱が上がる。
カランカランと来店のベルが鳴ったが、そっちを見向きもせずにケイに言い訳を述べた。
「ち、違うの! 一緒に店をやってきたんだから、待つでしょ、普通」
「そうか?」
「そうだよ、違う違う。ユリクと私はただの友人だし……」
「――そうなの?」
聞き覚えのある低くもない高くもない中性的な声に、思わずバッと振り向いた。
少しくせ毛のある銀髪に、きらきらと光る黄金の瞳。
美しい鼻梁と薄い唇。
そして、モフモフの猫耳と尻尾。
「……ユリク!」
紛れもないユリクだった。
その久々に見る顔に、ぼーっと立ち尽くしてしまう。
ユリクの視線は私ではなく、私の少し斜め下に向けられていた。
「パンケーキ、焦げちゃうよ」
「あ……!」
ユリクの忠告に急いで火を止める。
すっかり忘れていた、パンケーキを焼いていたんだった。
お客さんも待ちくたびれているだろう。
すぐにパンケーキを皿に乗せ、生クリームや果物を盛り付ける。
持っていこうとすると、ユリクが「俺が持っていくよ。どこのテーブル?」と私からすんなりお盆を取って、私の指示通りのテーブルに持っていった。
「あれ、ユリクじゃないかい!」
「帰って来たの!?」
常連客たちが驚いてユリクの方に振り向く。
ユリクもにっこりと笑って会釈していた。
チョコレートパンケーキをお客さんに渡し、軽く会話をしたあと私たちのところへ戻ってくる。
戻ってきたときの優しい笑顔を見て、私は涙が零れそうになった。
……本当にユリクだ。
目を細めて唇に弧を描くユリクの表情が、いつもの日常に戻ってきたんだと安心させる。
そうだ。この優しい笑顔を見るために、ずっと待っていたんだ。
「ユリクがいない間、大変だったんだからな?」
しばらく二人で見つめ合っていたら、ケイが元気な声を出した。
ケイたちのことを説明するために、私も口を開く。
「ユリクがいない間、ルットとケイが手伝ってくれてたの」
「……そうだったんだ。ありがとう」
ユリクは二人に向かって微笑んだ。
ルットとケイとユリクの三人で会話をしているところに、一番気になっていることをおずおずと聞き出す。
「それで、ユリク。騎士団は、どうだったの……?」
「……カナメ」
三人の会話を中断し、私の方に向き直った。
緊張気味に結果を待っていると、ユリクが優しい声音で一言、言う。
「受かったよ」
「……!」
「王国騎士団第一班隊長になれた。団長とも実際に手合わせしたら、認めてくれたよ」
やった……! と言おうとしたら、ふいにユリクに引き寄せられた。
そのままふわりとユリクの胸板に当たり、ぎゅっと優しく抱きしめられる。
……へ?
え? 今、私は、え……?
ユリクに、抱きしめられている……?
ふっと柑橘系の香りがするし、ユリクの吐息が耳にかかってくすぐったいしで恥ずかしい。
私があたふた狼狽えていると、耳元でユリクの声がした。
「これからは騎士として、君を守るから」
その囁きに私は顔から首にかけてぶわっと真っ赤になる。
身体も熱くてどうにか離れようともがくけど、ユリクの抱擁が強くなるだけだ。
一部始終を見ていたお客さんやルットたちが、「ヒュー! 熱いねぇ!」「ラブラブじゃないかい!」と冷やかしてくる。
私は恥ずかしくてたまらず、ユリクの胸板に顔をうずめたのだった……。
◇◇◇
後日、私たちの店は王都に移転することになる。
ユリクが王国騎士団に入団したためだ。
ケイたちや常連客と離れ離れになるのは寂しかったけど、みんな王都に遊びに行くと言ってくれた。
王国騎士団に入団したら、店を王都に移転したいという旨をユリクはお父様に伝えていたらしい。
そのときに変な目で見られないよう、カナメの店がルッカ村で大人気の店であること、獣人と人間が分け隔てなくお茶を楽しめるカフェであることを王都の人たちに広めて欲しいと頼んだそうだ。
そのおかげか、問題なく『カナメ喫茶』を始めることができた。
普通獣人が王都に居住することは認められていないが、ユリクは王国騎士団に入ることができたため、最初の王都に住む獣人として許可が下った。
後から聞いたことだが、ユリクは入団試験の際団長と真剣で勝負し合ったらしい。
獣人を王国騎士団に受け入れることを団長は断固として拒否していたが、ユリクが元王国騎士団団長のレーク・リッドフォードに力を認められたと言ったら怯み始めた。
ユリクが勝てば入団を認める、負けたら二度と来るなという勝負で、ユリクは見事勝利した。
団長は最後まで渋ったが、流血沙汰になることはなく、勝利したユリクに他の団員たちが拍手を送ったらしい。
入団してからすぐ、ユリクは『獣人の最強騎士』として話題になった。
森の魔物を瞬時に倒してしまう獣人騎士という噂が立ち、私の店も手伝ってくれるけど、騎士としての仕事もたくさん増えて大忙しだ。
そして数年後には、王都でも獣人を差別する人はほとんどいなくなり、獣人の居住も認められるようになる。
最初に獣人の革命を起こしたユリクは、獣人を救ったとして国王陛下から勲章を貰った。
そして私は――
「聖女様! チョコレートパフェ一つ!」
「聖女様のスイーツは美味しいなぁ」
「すみません、その呼び方は……」
「聖女様! このクッキーが欲しいんだが……」
ユリクと共に獣人が認められる国を作ったこと、チョコレートをスイーツにするという革命を起こし、さらに『癒しの力』で人々を救うことが王都で営業していればすぐに露呈され、『聖女様』と呼ばれるようになってしまった。
でも私はその呼び名が恥ずかしくてたまらない。
「聖女様の作るガトーショコラは美味しいなぁ」
「だからその呼び方……」
「聖女様、こっちにも水くださーい」
「聖女様~!」
「もぉ~~~~!」
私が困った声を上げていると、ユリクがくすりと笑う声が聞こえた。
ケイとルットに店を手伝ってもらい、一人でご飯を食べて眠って一日が過ぎ、また一日が過ぎ……と淡々と日々を過ごした。
香澄とリリーの声はまだ耳に残ったままで、もう聞くことができないことに胸が締め付けられる。
それでも前に進まなければ、と毎日店の仕事をしているうちに、ユリクが王都に行ってから二週間以上が経っていた。
二週間以上経過したということは、入団試験も受けているし、合格か不合格かの通知もわかっているだろう。
だけど、窓から外を覗いてもこちらに馬車が止まる気配はない。
開店中に庭から何度も確認したけれど、馬車の姿もユリクの姿もなかった。
「……はあぁ」
「カナメ、どうしたんだ? ずいぶん大きなため息だな」
ケイがお客さんの食べ終わった食器をお盆に乗せたまま聞いてくる。
「ユリク、そろそろ帰ってくる頃なんだけど……」
口を尖らせてチョコレートパンケーキを焼く。
その間もちらちらと玄関の方を見たが、カランカランとベルを鳴らしてやってくる人は普通のお客さん。
落ち込む私の様子を見て、ケイがにこにこ笑っていた。
「やっぱり、カナメとユリクは夫婦みたいだな」
「ええ!? 何言ってるの!?」
「いや、だって旦那の帰りを待ってるお嫁さんみたいじゃないか」
私が驚いて叫ぶと、ケイは冷静に返す。
そういえば前にも、ケイに私たちの関係を夫婦だと勘違いされた気がする……。
あのときはユリクと二人で並んでいるだけで言われたけど、今日は私がユリクの帰りを待っていることに対して言われてしまった。
確かに何度も玄関をチラ見して、夫の帰りを妻が待っているみたいだ。
一気に顔に熱が上がる。
カランカランと来店のベルが鳴ったが、そっちを見向きもせずにケイに言い訳を述べた。
「ち、違うの! 一緒に店をやってきたんだから、待つでしょ、普通」
「そうか?」
「そうだよ、違う違う。ユリクと私はただの友人だし……」
「――そうなの?」
聞き覚えのある低くもない高くもない中性的な声に、思わずバッと振り向いた。
少しくせ毛のある銀髪に、きらきらと光る黄金の瞳。
美しい鼻梁と薄い唇。
そして、モフモフの猫耳と尻尾。
「……ユリク!」
紛れもないユリクだった。
その久々に見る顔に、ぼーっと立ち尽くしてしまう。
ユリクの視線は私ではなく、私の少し斜め下に向けられていた。
「パンケーキ、焦げちゃうよ」
「あ……!」
ユリクの忠告に急いで火を止める。
すっかり忘れていた、パンケーキを焼いていたんだった。
お客さんも待ちくたびれているだろう。
すぐにパンケーキを皿に乗せ、生クリームや果物を盛り付ける。
持っていこうとすると、ユリクが「俺が持っていくよ。どこのテーブル?」と私からすんなりお盆を取って、私の指示通りのテーブルに持っていった。
「あれ、ユリクじゃないかい!」
「帰って来たの!?」
常連客たちが驚いてユリクの方に振り向く。
ユリクもにっこりと笑って会釈していた。
チョコレートパンケーキをお客さんに渡し、軽く会話をしたあと私たちのところへ戻ってくる。
戻ってきたときの優しい笑顔を見て、私は涙が零れそうになった。
……本当にユリクだ。
目を細めて唇に弧を描くユリクの表情が、いつもの日常に戻ってきたんだと安心させる。
そうだ。この優しい笑顔を見るために、ずっと待っていたんだ。
「ユリクがいない間、大変だったんだからな?」
しばらく二人で見つめ合っていたら、ケイが元気な声を出した。
ケイたちのことを説明するために、私も口を開く。
「ユリクがいない間、ルットとケイが手伝ってくれてたの」
「……そうだったんだ。ありがとう」
ユリクは二人に向かって微笑んだ。
ルットとケイとユリクの三人で会話をしているところに、一番気になっていることをおずおずと聞き出す。
「それで、ユリク。騎士団は、どうだったの……?」
「……カナメ」
三人の会話を中断し、私の方に向き直った。
緊張気味に結果を待っていると、ユリクが優しい声音で一言、言う。
「受かったよ」
「……!」
「王国騎士団第一班隊長になれた。団長とも実際に手合わせしたら、認めてくれたよ」
やった……! と言おうとしたら、ふいにユリクに引き寄せられた。
そのままふわりとユリクの胸板に当たり、ぎゅっと優しく抱きしめられる。
……へ?
え? 今、私は、え……?
ユリクに、抱きしめられている……?
ふっと柑橘系の香りがするし、ユリクの吐息が耳にかかってくすぐったいしで恥ずかしい。
私があたふた狼狽えていると、耳元でユリクの声がした。
「これからは騎士として、君を守るから」
その囁きに私は顔から首にかけてぶわっと真っ赤になる。
身体も熱くてどうにか離れようともがくけど、ユリクの抱擁が強くなるだけだ。
一部始終を見ていたお客さんやルットたちが、「ヒュー! 熱いねぇ!」「ラブラブじゃないかい!」と冷やかしてくる。
私は恥ずかしくてたまらず、ユリクの胸板に顔をうずめたのだった……。
◇◇◇
後日、私たちの店は王都に移転することになる。
ユリクが王国騎士団に入団したためだ。
ケイたちや常連客と離れ離れになるのは寂しかったけど、みんな王都に遊びに行くと言ってくれた。
王国騎士団に入団したら、店を王都に移転したいという旨をユリクはお父様に伝えていたらしい。
そのときに変な目で見られないよう、カナメの店がルッカ村で大人気の店であること、獣人と人間が分け隔てなくお茶を楽しめるカフェであることを王都の人たちに広めて欲しいと頼んだそうだ。
そのおかげか、問題なく『カナメ喫茶』を始めることができた。
普通獣人が王都に居住することは認められていないが、ユリクは王国騎士団に入ることができたため、最初の王都に住む獣人として許可が下った。
後から聞いたことだが、ユリクは入団試験の際団長と真剣で勝負し合ったらしい。
獣人を王国騎士団に受け入れることを団長は断固として拒否していたが、ユリクが元王国騎士団団長のレーク・リッドフォードに力を認められたと言ったら怯み始めた。
ユリクが勝てば入団を認める、負けたら二度と来るなという勝負で、ユリクは見事勝利した。
団長は最後まで渋ったが、流血沙汰になることはなく、勝利したユリクに他の団員たちが拍手を送ったらしい。
入団してからすぐ、ユリクは『獣人の最強騎士』として話題になった。
森の魔物を瞬時に倒してしまう獣人騎士という噂が立ち、私の店も手伝ってくれるけど、騎士としての仕事もたくさん増えて大忙しだ。
そして数年後には、王都でも獣人を差別する人はほとんどいなくなり、獣人の居住も認められるようになる。
最初に獣人の革命を起こしたユリクは、獣人を救ったとして国王陛下から勲章を貰った。
そして私は――
「聖女様! チョコレートパフェ一つ!」
「聖女様のスイーツは美味しいなぁ」
「すみません、その呼び方は……」
「聖女様! このクッキーが欲しいんだが……」
ユリクと共に獣人が認められる国を作ったこと、チョコレートをスイーツにするという革命を起こし、さらに『癒しの力』で人々を救うことが王都で営業していればすぐに露呈され、『聖女様』と呼ばれるようになってしまった。
でも私はその呼び名が恥ずかしくてたまらない。
「聖女様の作るガトーショコラは美味しいなぁ」
「だからその呼び方……」
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