女性だらけの世界に迷い込んだショタが、年上のお姉さん達に色々されてドロドロに溶かされるまで

番外編 ―前― オスガキ先輩

　スミレさんにレイプされて千代ちゃんと知り合ってしばらくした頃、とある出来事イベントが起こった。




「ふんふん、ふふ～ん♪」

　のんびりと平和な日常を謳歌していたある日の午後、ボクはのんびりと掃除機を掛けながら考えていた。午後は何をして暇つぶししようかなーと。

　双子ちゃんを誘ってゲームをするか、メイドさんのいる喫茶店に行って読書でもするか、それとも配信か……。

　そう言えば前にエゴサした事があったけど楽しかったのを思い出した。たまにはボクとは違う配信者とかを見て勉強するのもいいかも。ユウタの話題が出るかもしれない。


　お掃除が終わりフリータイムがやって来た。ボクは自分のパソコンを立ち上げ、ネットサーフィンを始めた。

　最近はボクの知名度が上がって来たから、検索エンジンで『ユウタ』と入力するとユウタの後にいろんなサジェストが表示されるようになりました。

　試しに『ユウタ』に続くサジェストを見ると、『カッコいい男性』とか、『イケメン？』とか『アホな子』とか『わからせたい』、『オスガキ』っていう検索が続いていたのです。…………むむっ、何か変ですね。バグかな？

「それにしても……オスガキ？」

　オスガキってアレでしょ、メスガキの反対語。恵美さんがメスガキムーブでエッチしてくれた事があるけどあれは最高でしたね。ロリな女の子が男をバカにしたような感じでエチエチに責めて、最後に逆転されちゃうまでが大好きです。逆転無しが良いって人もいるけど、ボクは逆転もイケちゃいますよ。

　つまりオスガキとは、女の人をエチエチな言葉責めして調子に乗った男の子が最後にアヘアヘにされちゃうんでしょ？　検索結果を見るとボクとそういうエッチがしてみたいと思っている人がいるって事だ。ボク、気になります！！

「今日のテーマはこれに決めた！　ポチっとな」

　検索エンジン『グルグール』に『ユウタ　オスガキ』と入力してポチっとしたところ、凄い数の検索結果が出て来ました。どれどれ……。






【搾精者になろう！　止めてって言ってももう遅い、オスガキユウタをグチョグチョにアナル責めして１滴残らず搾り取る！】

【転生してユウタになりましたが、どうやらオスガキなのは変わらないようです】

【オスガキユウタの大冒険　転生したのにスキル貰えなかったから自力で覚える ～レッツ、アナルラーニング♪～】

【モンスターが溢れる世界になったので、オスガキ調教して楽しもうと思います。ユウタですか？　隣で寝てますが何か？】






「……」

　ボクはどう反応して良いのか分からなかった。何故かネット小説がいっぱい表示されたのです。しかもボクが喜ぶエチエチ成分が少なそうな話ばかりである。もしかしてオスガキユウタを題材にした小説がトレンドですか……？

　何ですかアナル責めって？　転生してユウタになるのは良いと思いますけど、オスガキなのは変わらないって酷いですよね。まるでボクが今もオスガキみたいじゃないですか！　

　それにレッツアナルラーニング？　お尻でどうやって学習出来るんですか！？　それにモンスターが溢れる世界になったら何でオスガキ調教するの！？　あっ、人間がモンスターなのか……。カオスだ。

「ボクには理解しがたい世界だった」

　検索ワードを変更しようかな。いや、ボクの好きなエチエチな感じのやつがあるかもしれない。そう思って画面をどんどんスクロールしたところ、随分と後ろのページに気になる表示を見つけた。


【『新任』オスガキ懺悔室管理人シスター・エクレア『個人Ｖ』】


「シスター・エクレア？」

　どうやら個人Vtuberというものらしい。ブイチューバーってアレでしょ、ボクのようなリアルな人間じゃなくてＣＧキャラクターを使って『見て見てTube』で配信するやつ。

　オスガキ懺悔室管理人というのは不気味だけど気になったのでポチっとしちゃいました。

　ポチった先は『見て見てTube』のチャンネルページだった。ふむ、新人さんというのは本当らしく、まだ動画が３つしかありませんね。しかも何故か低評価なのである。チャンネル登録数も一桁です。

　キャラクターを見た感じ、シスター服を着た清楚なお姉さんキャラです。フードを被っているので髪型は分かりませんが、おっぱいが大きいですねぇ。個人なのに３Ｄモデルがあるって事は本気ですね。なのになぜ低評価なんだ？

　コンセプトを見ると、オスガキにハマる女性を改心させるためにシスターになったという設定です。むむ？　オスガキを調教するエチエチシスターさんじゃなくてオスガキにハマる女性を改心させるの？

　まあこの世界にオスガキなんて存在しないだろうし、正しいと言えば正しいのか。

　でもこういう色物系は大好物ですよ。企業に所属していない個人勢だし、ボクは応援の意味を込めてチャンネル登録をポチポチしようとしてハッとなった。

「ユウタのアカウントでチャンネル登録したら迷惑になるんじゃ……？」

　既にユウタというブランドが成立している今、拗らせファンが存在するかもしれない。ボクみたいなイケメンが清楚なシスターとイチャイチャしたら…………大炎上間違いなし！　しかもボクがオスガキ否定派シスター・エクレアに加勢したら戦争やー。

　ボクは考えた。ユウタブレインをギュインギュインと回して知恵を絞った。すると、とても素敵なワードが浮かんで来たのです。

「裏垢男子」

　ボクは急いでアカウントを作って登録しました。するとボクでちょうどチャンネル登録数が１０人となったのです。そして何やら都合の良いことに４回目の生放送をするという告知が浮かんでいたのでした。

　このタイミングで生放送、きっとこれは運命だったのだろう。この新人Ｖを推せって事ですね。ふぅ、これは生放送に乗り込んで応援するしかないですねぇ。だってこれ以上オスガキが流行したら大変な事になる。特にボクのお尻が！！



　　　◇　【悔い改めよ】シスター・エクレアの懺悔室　　待機者：１◇



　生配信のページに入ったら待機者が１と表示されていました。そして凝った待機画面が表示されているのです。エチエチなシスター服のお姉さんがおっぱいにロザリオを挟み、頬を赤くして発情している絵です。かわいい。

　そう言えばボクの待機画面はまだ準備中の文字が出るだけだった。くっ、ボクは新人さんよりも格下って事か！？　これは先輩としてわからせる必要がありそうですねぇ。

『オスガキ先輩：初コメ！　ワクワク～』

　ふふふ、この名前ならユウタってバレないでしょ。しかもオスガキ趣味な女性が来ると思ったらオスガキ本人が来ちゃったという設定です。ワクワクドキドキ。

　しばらく待っても待機者は増えませんでした。まあボクが居るから大丈夫ですよ。しっかりと盛り上げてみせます！

　お、画面が切り替わりました。シスター服を着た優しそうな清楚なお姉さんです。これは期待出来そうだぞ。

『あら、遂に私のところに迷える子羊が来ましたか。しかもオスガキ先輩とは見下げた名前をしていますね。悔い改めよオスガキ』

　おお、このシスターさんの声はスッと耳に抜ける清らかなアニメ声をしている。しかもボクの初コメントを見つけてくれましたよ。ノリの良いシスターさんだからボクもノリノリでオスガキを演じてあげよう。

『オスガキ先輩：うへへ、おねーさんが可愛いね！　でもどうせ処女なんでしょ？　ボク知ってるんだから！！』

『…………しょ、処女な訳ないでしょう？　何を言っているのですかこのオスガキは』

　この反応、きっと処女ですね！　きっとエッチに不慣れな若い子ですね。ふふ、セクハラしたくなっちゃいました。

『オスガキ先輩：えー、ほんとにぃ？　ボク、シスターさんって懺悔室の中で男を見ながらクチュクチュオナニーするものだと思ってました～』

『淑女シスターたるもの自慰行為なんていう低俗な行為は禁止です。そもそも自慰行為をすると頭がバカになりますからね。…………それよりも貴方、荒らしですか？』

　や、ヤバイ。初めてなのにオスガキが強すぎた！　ボクの応援したいという気持ちが前のめりしてしまったのだ。これじゃ荒らしと思われてもしょうがないですね。ユウタ反省。

　どうせボクしか視聴者がいないし、謝罪の意味を込めてサービスしちゃおうかな！

『オスガキ先輩：わー、ごめんなさいーそんなつもりは無かったんですぅ。良かったらボクの懺悔を聞いて貰えませんか？　デスコ通話したいですー！』

『…………良いでしょう。貴方の懺悔を聞いてあげます』

　ふふふ、オスガキっぽい声で喋ればユウタだってバレないはずだ。処女で初心なシスターさんを揶揄っちゃいますよー！



　メッセージでデスコＩＤを交換して通話スタートです。もちろんデスコＩＤも新規で登録しました。

「ぐへへ、オスガキ先輩ですよー！　おねーさん宜しくお願いしますー！」

『…………』

　あれ、繋がってないのかな？

「もしもーし？　あれ、繋がってるよね。シスター、シスター・エクレアさん？　処女のおねーさん～」

『……………………貴方、ユウタですね？』

　もしかして炎上決定ですか？


※あとがき※
気分転換に番外編です。
作者の大好きなVtuberで似てる名前のお方がいますけど、全くの別人なので勘違いしちゃダメですよ？
エクレアです！