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第276話 紅亜さんとデート!
しおりを挟む千代ちゃんのお家にお邪魔して紅亜さんとの爛れた一日を楽しもうと思ったところ、『懺悔エッチするんだから今は我慢ですよ。めっ!』って感じでお預けされてしまったのでした。でもエッチは禁止だけどイチャイチャは禁止されてないからね、今もこうやってスキンシップを楽しんでいます。
「クンカクンカ……紅亜さんの髪、凄くいい匂いがします」
「アナタは長い黒髪が大好きな匂いフェチだと桜先生から聞きました。だから毎週美容室やエステに通って欠かさず手入れをしているのですよ。どうですか、千代よりも綺麗でしょう?」
「綺麗ですー!」
さり気なく千代ちゃんと張り合う紅亜さんを見るのは複雑な心境だけど、今日は千代ちゃんが居ないのでベタ褒めしておきます。つまり紅亜さんアゲアゲキャンペーンってやつです。
愛棒が性の化身とするならば、この紅亜さんは美の化身と言っても過言ではないだろう。清楚な大和撫子を彷彿とさせる艶のある長い黒髪には天使の輪が浮かび上がり、クンカクンカすると甘い花の香りがするのです。大きなお胸にキュっと引き締まった細いクビレ、そして大きなお尻とスラッとした長い脚、まさに完璧な美貌だった。
そんな綺麗なお姉さんがいたら抱き着きたくなるのは自然だと思う。ソファーに座る紅亜さんに抱っこされる感じで甘いひと時を過ごしているのでした。普段のイケメンユウタと違い、今日のボクは昨晩のお嫁さんズからの激しいプレイで疲弊していた。なので癒しを求めて甘えようと思う。いつもの凛々しいボクとは違う情けない姿を見せるのは気が引けるが、幸いな事に今は二人きりなのだ。存分に甘えようと思う。
「アナタとこうして触れ合う事が出来るなんて夢みたい。大好きですよ、アナタ」
「ボクも大好きですー!」
昼下がりの午後に紅亜さんと背徳的なスキンシップを楽しんでいたら、愛棒さんがやる気を出してムクムクと大きくなって来た。ふむ、今のタマタマの具合からして残弾は四発だな……。エッチは夜までお預けだけど、ボクの愛らしい演技でおねだりすれば一発くらいいけるんじゃないかな?
「紅亜さん、あの……おちんちんがおっきくなっちゃいました。だからそのぉ……」
顔を上げて上目遣いでおねだりしてみた。このおねだりは夏子さんにクリティカルヒットするのです。
「ダメですよアナタ、エッチは夜までお預けです。私で興奮してくれるのは嬉しいけど、男性は一回ピュッピュしたらしばらく勃たなくなるのでしょう?」
「そんなー!? ボクは他の男と違って絶倫なので四回くらいピュッピュ出来るんですー!」
「そう言えば桜先生もそんな事を言っていましたね。でも確か……『ユウタさんはテクニックを回数でカバーする早漏なので扱いには注意が必要です。特に紅亜さんのようなユウタ特効に責められたらあっという間に果ててしまいます。夜のイベントまでしっかりと制御してあげて下さい』と言っていました」
「桜さーん!?」
確かにボクはスピードタイプかもしれないけど、それを紅亜さんに教えるのは酷いと思う。紅亜さんは千代ちゃんとの激しいバトルを知らないのか? ……そう言えば性教育の実習をした時、紅亜さんは途中で居なくなったのを思い出した。ボクの絶倫っぷりを知らないのか、ぐぬぬ……。
悔しいからおっぱいモミモミしちゃいますよー。
「あんっ、そんな怒らないでアナタ。それにほら、ここで絶倫なアナタの相手をしたら処女の私じゃ夜まで持たないでしょう? だから夜まで我慢です」
「そ、そうですねっ! ふへへ、夜はアヘアヘになるくらい激しいエッチをしてあげますー」
そうだった、こう見えて紅亜さんは処女なのでした。この場合の処女というのは男性との経験が無いっていう意味だけど、子持ちなのに処女とかバグってるね!
このままセクハラしてムラムラが続くのか……。
「んっ、このままだと私まで我慢出来なくなってしまいそう……。ねぇアナタ、一緒にお買い物に行きましょう? それで夕飯を食べて教会へ行くの。どうですか?」
「お買い物ですかー。でもボク、今日は女装してないからファンに囲まれちゃうかもしれません」
ボクのファンが増えるのは嬉しい事だけど、自由気ままにお散歩出来ないのは寂しいです。最近は女装していても鋭い視線を向けられることがあるし、新しい変装を考えないと一人で喫茶店に行くことも出来ないかもしれない。
「大丈夫、私に任せて」
自信満々な紅亜さんの言葉を受けてコクンと首を縦に振るのでした。
◇
コートにマフラー、マスクにニット帽という妖しさ満点の装備で紅亜さんとお出掛けです。夏と違って着込めばある程度誤魔化せるのはいいですね。
手を繋いでマンションのエントランスを抜けると真っ黒な乗用車が待っていました。紅亜さんが率先して乗り込むと、目的地を言っていないのに運転手さんがスイスイと車を発進させた。そしてあっという間に目的地に着きました。そこは巨大な百貨店の地下駐車場です。
「さぁアナタ、中は暖かいからコートは脱いで行きましょう」
「えっ、でもでも……」
「大丈夫です、今日は貸切ですから」
「か、貸切!?」
エレベーターで地下駐車場からエントランスホールに出ると、そこでは従業員がお辞儀をしてボク達をお出迎えしてくれていた。この巨大な百貨店をまるまる貸し切りに出来るなんて、紅亜さんは一体何者ですか!?
高級百貨店なだけあって店員さんのレベルも高いのか、お辞儀の後はボク達を必要以上に見て来る人は少なかった。でもあのおっぱいが大きいお姉さんはボクのファンだと思う。コッソリと手をボクに向けて振ってくれていた。ふふふ、ファンサの鬼と呼ばれたボクは笑顔をプレゼントです。
「…………アナタ? 何か欲しいものでもあったのですか? もちろん店員さん以外ですよ」
「ぴゃわー!? えっとぉ、あのぉ、あっ! あの手袋見たいですー」
「ふふ、分かりました。でもアナタ、今日は私とのデートなんですから私だけを見てくれないと泣いちゃいますよ?」
「もちろんですー!」
ファンサに夢中になって危うく紅亜さんとの懺悔エッチが無くなってしまうところでした。今は全力で紅亜さんとのデートを楽しもうと思います。
店内をウロウロと進んでいると、一際豪華な売り場があった。夜のお姉さんが着るようなドレスやエッチな下着が大量にあるお店です。ここはお宝がいっぱいあるに違いない。冒険者の血が騒ぐぞ、いそげー!
こんな女性用のお店にボクが率先してここに入るとは思わなかった紅亜さんと店員さんが驚いていた。ふへへ、スタイル抜群な紅亜さんにピッタリなやつを見つけてしまったのです。
「これ、これ買いましょう! 紅亜さんにピッタリですー!」
「アナタが言うのなら買いますけど…………似合いますか?」
黒いスケスケのブラとショーツのセットです。紅亜さんのような透明感のある白い肌は黒い下着が映えるのだ。しかも清楚系なお姉さんがスリットの入ったエッチな下着を装備するとか最高だよね!
店員さんはボクの味方らしく、紅亜さんを連れて試着室に入って行った。そして待つこと数分……。
「ど、どうですかアナタ……? ちょっと恥ずかしいです」
「はぁはぁ、最高ですー!! 買いです、買い! 爆買いですよぉー!」
両手を後ろに回して恥ずかしそうにポージングする紅亜さんはまさに美の化身、女神様が降臨なされた。やはり紅亜さんは黒い下着が似合う。白い肌と艶やかな黒髪が織りなす魅惑のボディにエッチな下着ですよ。ブラのスリットから小さな乳首がポロリンしちゃってるし、パンツは大事なところが隠せてないですよ? もう最強かよっ!
ここがお店じゃなくて二人きりだったら押し倒している。正直に言おう、ボクの好みがギュっと凝縮された女性が紅亜さんなのです。千代ちゃんとは違った魅力が素敵だと思います。他の女性には内緒だよ?
「そこまで喜んでくれるなら買いますね。アナタ、他にも選んで下さい」
「お任せあれー」
それからボク達はお店の隅から隅まで時間を忘れて買い物を楽しんだ。途中でカフェでお茶を楽しんだり、本屋さんで漫画を物色したり、周りを気にせずお買い物できるっていいですね。本屋さんにはアリスさんが夢中になってた『俺様ハーレム』の最新刊発売日だったのでお土産にゲットしました。20巻まで続くなんてヒットしてるんだねー。
そして最後に向かったのは……宝石店だった。
「ここって……」
煌びやかな店内には指輪やネックレスをはじめとしたアクセサリーが並んでいた。高級百貨店というだけあってそのどれもが一級品に見える。巨大な宝石が散りばめられた指輪とかめっちゃ重そう!
ボクはキュピーンと閃いた。つまり紅亜さんに似合うアクセサリーを選んでプレゼントしろって事ですね? 最近は配信で稼いだお金が貯まって来たから自腹で買えます。
紅亜さんには赤い宝石のネックレスがいいかなって考えていたら、店員さんが何かを持ってきた。オススメアイテムですか?
「アナタのためにプレゼントを用意しました。貰ってくれますか……?」
「ぼ、ボクにプレゼントですか!?」
店員さんが持ってきたもの、それは宝石の付いたチョーカーだった。黒いベルトにピンク色に輝く大きな宝石が嵌め込まれていた。この世界では女性からプレゼントされたチョーカーを首に着けた男性というのは、『この男は私のモノ』というアピールであると聞いた。ボクもお家では夏子さんと桜さんからプレゼントされたチョーカーを身に着けているのです。ミウちゃんとアリスさんは準備中って聞きました。
紅亜さんと結婚している訳でもないのにチョーカーを貰っていいのかな? しかも千代ちゃんのお母さんです。これから一年掛けて千代ちゃんを堕とそうというところで紅亜さんルートを進むのは大丈夫なのか!?
脳内に選択肢が浮かんできた。
【ボクは千代ちゃんを愛しているので受け取れません!】
【え、えっとぉ、お嫁さん達に怒られちゃうので、そのぉ、相談させてくださいー】
【はい、喜んでー!】
これが恋愛ゲームだったらどの選択肢を選んでも新たなシーンを回収出来るに違いない。この状態をセーブしてやり直せば万事解決だ。でもこれはゲームじゃなくて現実なのです。選択を間違ったら即バッドエンドですよ。
確かにボクは千代ちゃんを愛している……と思う。千代ちゃんとエッチしてから、前みたいなガッツキ感が無くなったのは確かだけど、愛しているのだ。桜さんが言っていたように性欲じゃないと思いたい……。
それにお嫁さん達を一番に考えるという思いは変わらない。
だからボクは――!
「はい、喜んでー!」
「嬉しい! 愛してるわ、アナタ~♡」
ボクの回答を聞いた紅亜さんが胸に飛び込んで来た。まるで映画のワンシーンのような美女とイケメンの抱擁に店内の至る所から拍手が沸き上がった。ギュッと熱い抱擁とキスで店内のボルテージは最高潮になったのです。
千代ちゃんやお嫁さんの事を考えたら断ろうと思った。でもさ、不安そうな顔でボクを見つめる紅亜さんを見たら断る事なんて不可能です。それにボクのお嫁さん達は優しいからね、ボクがビシィっと説明したら分かってくれますよ。最悪の場合は亭主関白な感じでゴリ押ししたいと思います。
拍手が鳴り止んだ後、紅亜さんがチョーカーを着けてくれました。どうやって測ったのか知らないけどボクの首周りにピッタリです。カチっという心地良い音と共に、ボクは紅亜さんのモノとなった。
「愛しています、アナタ♡」
「えへへ、ボクも愛してますー!」
ふふふ、モテ過ぎるのも困っちゃいますね。
◇
イチャラブムードが最高潮に達した後、ボクと紅亜さんは最上階のレストランで夕食を食べた。綺麗な夜景をバックに生演奏が流れるレストランでステーキを食べちゃいました。めっちゃ柔らかくておいしいやつね?
もう早くエッチしたくてウズウズする中、ボク達が仲良く手を繋いで向かったのは小さな教会です。てっきり特殊なラブホテルかと思いきや、本格的な教会だったのです。純白の外壁に漆黒の扉、まるで結婚式を上げる教会みたいだと思ったのは内緒です。
ギギギ……と音を立てて開く扉を通り抜けて進んで行くと、見覚えのある女性が居ました。
「遅かったですね、ユウタさん」
「どうしてここに桜さんが!?」
不敵な笑みを浮かべる桜さんがそこにいました。もしかしてこれ、桜さんが関わってるんですか!?
「ごめんなさい桜先生。時間を忘れて楽しんでしまいました」
「いえ、大丈夫です。では紅亜さんはシスター・エクレアの衣装に着替えて来て下さい。奥の部屋に用意してあります」
「ちょっと着替えて来ますね、アナタ♡」
「あ、はい……」
理解の追い付かないボクは、嬉しそうにスキップしながら去っていく紅亜さんを見ている事しか出来なかったのである。
そんなボクに向けてビデオカメラを構える桜さん。
「さぁユウタさん、『シスター・エクレアの懺悔室』第一回の収録が始まりますよ。張り切って行きましょう」
どうやら二人きりのイチャラブエッチはお預けらしいですよ?
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