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戦争の収束
戦争は収束したようだ。
やはり、トールの言う通り、ヴァレンティ王国の勝利で幕を閉じた。
いつもの学園。
いつもの朝。
「トールの言う通りだったよ!」
と言おうと思ったが、トールがいない。
(遅刻してくるのかしら?)
しかし、トールは滅多に遅刻をする人ではない。
遅刻する理由も思い至らない。
どうしたのだろう?
(もしや、トールの身に何かあったのでは?)
嫌な予感が過ぎった。
「おはよ!!」
笑顔でマリーがやってきた。
「おはよう、マリー」
「あれ? 今日はトールと一緒じゃないの?」
「それが……」
待て! 原作ではガミゴン王国の名前は出てこなかった。
それに、ガミゴン王国とヴァレンティ王国が戦争していることも出てこなかった。
それに、忽然と姿を隠したトール。
もっともトールルートでは幸せに平民生活をエンジョイする話ではなかったか。
おかしい。原作と違う。
ここに来て松田樹里亜の世界は破られた。
『今宵は誰と睦まじく』。
そして、視線を右側に移すと、ヴァネッサに異変は見られない。
相変わらず、左手に婚約指輪を身に着けている。
それどころか、二人の結婚式の日取りも決まっている。
(皮肉な話)。
しかし、クララはハッサンとヴァネッサの二人には必ず天罰が下ると信じている。
(結婚するならすれば? 子供ができたと思えば流産とかありうる話だからね)。
「正直な話、クララはトールの事が好きだったの?」
「うん。もう、貴族は懲り懲りだと思って平民の彼にお近づきになりたかったの」
「辛いね」
「うん」
涙が出そうだった。
落胆の至りだった。
☆★☆★
結局この日はトールが来ることは無かった。
「トール……」
悲しみに暮れながら邸へと戻った。
すると……侍女のカーリナが書類を持って現れた。
カーリナは完全に息が切れていた。
「実はですね、クララ様。大変な話なんです」
「どうしたの?」
「まさか……です。亡くなられたと思われていたヴァレンティ王国のヴィクトール王子殿下から手紙を預かりました」
「え!?」
驚きが隠せなかった。
そもそも、ヴィクトールとは何の接点も持たないし、それに、ヴィクトールは死んだと聞かされていたからだ。
何かの悪戯ではないか? と思いながら手紙を受け取った。
手紙にはこう書かれていた。
『親愛なるクララ様
誰だか覚えていますか? クラスメイトのトールです。黙っていてごめんなさい。僕はヴァレンティ王国の第一王子、ヴィクトールです。きみにはもう一度会いたい。王宮に来てくれるかな? トールことヴィクトールより』
え!? と思った。
原作にこんな設定はなかった。
トールはトール。平民では無かったのか?
やはり、トールの言う通り、ヴァレンティ王国の勝利で幕を閉じた。
いつもの学園。
いつもの朝。
「トールの言う通りだったよ!」
と言おうと思ったが、トールがいない。
(遅刻してくるのかしら?)
しかし、トールは滅多に遅刻をする人ではない。
遅刻する理由も思い至らない。
どうしたのだろう?
(もしや、トールの身に何かあったのでは?)
嫌な予感が過ぎった。
「おはよ!!」
笑顔でマリーがやってきた。
「おはよう、マリー」
「あれ? 今日はトールと一緒じゃないの?」
「それが……」
待て! 原作ではガミゴン王国の名前は出てこなかった。
それに、ガミゴン王国とヴァレンティ王国が戦争していることも出てこなかった。
それに、忽然と姿を隠したトール。
もっともトールルートでは幸せに平民生活をエンジョイする話ではなかったか。
おかしい。原作と違う。
ここに来て松田樹里亜の世界は破られた。
『今宵は誰と睦まじく』。
そして、視線を右側に移すと、ヴァネッサに異変は見られない。
相変わらず、左手に婚約指輪を身に着けている。
それどころか、二人の結婚式の日取りも決まっている。
(皮肉な話)。
しかし、クララはハッサンとヴァネッサの二人には必ず天罰が下ると信じている。
(結婚するならすれば? 子供ができたと思えば流産とかありうる話だからね)。
「正直な話、クララはトールの事が好きだったの?」
「うん。もう、貴族は懲り懲りだと思って平民の彼にお近づきになりたかったの」
「辛いね」
「うん」
涙が出そうだった。
落胆の至りだった。
☆★☆★
結局この日はトールが来ることは無かった。
「トール……」
悲しみに暮れながら邸へと戻った。
すると……侍女のカーリナが書類を持って現れた。
カーリナは完全に息が切れていた。
「実はですね、クララ様。大変な話なんです」
「どうしたの?」
「まさか……です。亡くなられたと思われていたヴァレンティ王国のヴィクトール王子殿下から手紙を預かりました」
「え!?」
驚きが隠せなかった。
そもそも、ヴィクトールとは何の接点も持たないし、それに、ヴィクトールは死んだと聞かされていたからだ。
何かの悪戯ではないか? と思いながら手紙を受け取った。
手紙にはこう書かれていた。
『親愛なるクララ様
誰だか覚えていますか? クラスメイトのトールです。黙っていてごめんなさい。僕はヴァレンティ王国の第一王子、ヴィクトールです。きみにはもう一度会いたい。王宮に来てくれるかな? トールことヴィクトールより』
え!? と思った。
原作にこんな設定はなかった。
トールはトール。平民では無かったのか?
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