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食事と入浴
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「そうだ、ディアナ。今日はきみの来客を祝って、とても豪華な食事を用意したよ」
「ありがとうございます」
「ディアナ。きみは何が好きかな? お肉とか好きか?」
勿論、肉は好きだ。
「あ……はい、勿論です」
でも、本当は肉よりも魚の方が好きだが。
「今晩は熊肉のステーキさ。領地内で捕れる熊さ。それがとっても旨いんだ。ぜひ堪能して欲しい」
「ありがとうございます」
ここまで良くしてくれる。
やはり、ヴィルヘルムは良い人だ……と確信した。
本当に暴君なら?
本当に使用人に対してマウントを取るのなら?
これは間違いなくヴィルヘルムの言うように、ジョージの逆だ。
ジョージは世間の評判が良い。
しかし、その裏で堂々と浮気。
「そしてな」
「あ……はい」
「お風呂にも入ると良いよ」
ヴィルヘルムはにっこりと微笑んだ。
「お風呂はね、薔薇の芳香がかおる最高の風呂さ」
「ありがとうございます」
ディアナはお手洗いに行きたくなった。
「あの~」
「なんだね、ディアナ。何か困りごとか?」
「困り事ではないんです。お手洗いはどこにあるんですか?」
「ああ、お手洗いか。今、メイドを呼ぶな」
ヴィルヘルムは部屋の外に出た。
「サリサ~」
「はい! ヴィルヘルム様」
サリサが部屋に入ってきた。
どうやら、サリサは部屋の外で待機しているようだ。
「サリサ。ディアナがお手洗いに行きたいらしい。良かったら、連れて行ってやって欲しい」
「わかりました」
ディアナはすっくと立ち上がった。
「サリサさん、お願いしますわ」
「はい。ご案内致します」
ディアナはサリサに付いて行った。
ヴィルヘルムとは本当に暴君なのか?
知っているのは間違いなく使用人のサリサだ。
ディアナはサリサに訊ねる事にした。
「あの~」
「はい」
「ヴィルヘルム様ってお優しい方ですね」
「はい。ヴィルヘルム様は噂では散々な言われようですが、実際に謁見すると、皆『事実とは異なっている』と口々に言います」
「そうですよね。私もこんなに良くしていただいて、本当に噂通りの人ではないなって思いました」
やはりそうだった。
噂と事実は異なっていた。
もし、ヴィルヘルムが暴君で使用人をこき使うような人ならば、サリサは愚痴っぽく言うはずだからだ。
「ここです」
サリサは足を止めた。
「ここですね。ありがとうございます」
デイケアはトイレに入った。
「ありがとう、サリサ」
「いいえ。これからお風呂にしますか? このままお風呂にご案内致します」
ディアナは再びサリサに付いて行った。
それにしても、広いお屋敷だ。
これがグラント家の富の象徴なのだろう。
辺境伯とはいえ、それなりの権力があるのがわかる。
「お風呂場はこちらです」
サリサが指差した。
「ありがとう、サリサ」
「お風呂はグラント家の自慢でもあります」
ディアナは服を脱ぎ、お風呂に入った。
お風呂場にはバラの花びらが浮かべられている。
ローズの香り。
ヴィルヘルムはまるでディアナの好きな匂いをあらかじめ知っていたかのようだ。
サリサは外で待っている。
風呂は熱くもなく冷たくも無く、丁度良かった。
「熱くないですか?」
サリサの声。
「大丈夫よ!!」
声を返す。
風呂は気持ちが良い。
長旅の疲れを癒やしていた。
ディアナは風呂を出た。
サリサは外にいた。
「では、次は食堂にご案内いたします」
再び、広い廊下を歩く。
そこへ、派手なつくりの扉が現れた。
「ここです」
と、サリサ。
「さあ、中へ入って下さい」
ディアナは促されるまま中に入った。
中には10人以上が座れるテーブルと10脚以上の椅子が置かれていた。
天井にはシャンデリアがある。
奥には窓があった。
窓の外は真っ暗だ。
「ディアナ様の席はこちらでございます」
サリサはテーブルの奥を指差した。
「そして、お隣はヴィルヘルム様の席です。そして、その手前はグラント様、その隣に奥様です。それと、ヴィルヘルム様には二人の弟がおります」
サリサは椅子を引いた。
「ここにお座り下さいませ。まもなくヴィルヘルム様もいらっしゃいます」
小一時間妄想にふけていた。
それはジョージの占い屋がかなりブラックで実は怪しい商売をして、捕まらないかな? と。
そして、バス家から追放されてパトシリア共々侯爵の爵位を剥奪されないか? と。
まさかね。
そして、ヴィルヘルムがやってきた。
「ディアナ。待たせた」
「いいえ。私はそんなに待ってはいませんわ」
つとめて、ヴィルヘルムに気を使った。
「我が家の料理はとっても美味しい。そうだ。バス家と比べてみてもいい。きっと満足いくはずだ」
そして、家族もやってきた。
そこへ、メイドが現れた。
「これから、お料理を運んできますわ。まずはディアナ様のから運んで参ります」
そう言って、メイドは踵を返した。
再びメイドが現れ、料理を運んできた。
サラダだった。
「このサラダは我が家の庭で採れた野菜だ。うまいぞ~、なぁ、アリーナ」
「あ~、はい」
先程のメイドが返事をした。
やはり、気さくに話しかけていた。
どこが暴君なのか。
そして、次々と料理が運ばれてくる。
「この熊肉のステーキは自慢の一品だ」
ディアナはステーキに手を付けた。
美味しい。
流石は森の近くに屋敷があるだけに、熊肉は美味しい。
「美味しいですね」
「旨いだろ? 旨いだろ? 旨いだろ? さあさ、もっと食べると良いよ」
ディアナは料理を堪能した。
「ありがとうございます」
「ディアナ。きみは何が好きかな? お肉とか好きか?」
勿論、肉は好きだ。
「あ……はい、勿論です」
でも、本当は肉よりも魚の方が好きだが。
「今晩は熊肉のステーキさ。領地内で捕れる熊さ。それがとっても旨いんだ。ぜひ堪能して欲しい」
「ありがとうございます」
ここまで良くしてくれる。
やはり、ヴィルヘルムは良い人だ……と確信した。
本当に暴君なら?
本当に使用人に対してマウントを取るのなら?
これは間違いなくヴィルヘルムの言うように、ジョージの逆だ。
ジョージは世間の評判が良い。
しかし、その裏で堂々と浮気。
「そしてな」
「あ……はい」
「お風呂にも入ると良いよ」
ヴィルヘルムはにっこりと微笑んだ。
「お風呂はね、薔薇の芳香がかおる最高の風呂さ」
「ありがとうございます」
ディアナはお手洗いに行きたくなった。
「あの~」
「なんだね、ディアナ。何か困りごとか?」
「困り事ではないんです。お手洗いはどこにあるんですか?」
「ああ、お手洗いか。今、メイドを呼ぶな」
ヴィルヘルムは部屋の外に出た。
「サリサ~」
「はい! ヴィルヘルム様」
サリサが部屋に入ってきた。
どうやら、サリサは部屋の外で待機しているようだ。
「サリサ。ディアナがお手洗いに行きたいらしい。良かったら、連れて行ってやって欲しい」
「わかりました」
ディアナはすっくと立ち上がった。
「サリサさん、お願いしますわ」
「はい。ご案内致します」
ディアナはサリサに付いて行った。
ヴィルヘルムとは本当に暴君なのか?
知っているのは間違いなく使用人のサリサだ。
ディアナはサリサに訊ねる事にした。
「あの~」
「はい」
「ヴィルヘルム様ってお優しい方ですね」
「はい。ヴィルヘルム様は噂では散々な言われようですが、実際に謁見すると、皆『事実とは異なっている』と口々に言います」
「そうですよね。私もこんなに良くしていただいて、本当に噂通りの人ではないなって思いました」
やはりそうだった。
噂と事実は異なっていた。
もし、ヴィルヘルムが暴君で使用人をこき使うような人ならば、サリサは愚痴っぽく言うはずだからだ。
「ここです」
サリサは足を止めた。
「ここですね。ありがとうございます」
デイケアはトイレに入った。
「ありがとう、サリサ」
「いいえ。これからお風呂にしますか? このままお風呂にご案内致します」
ディアナは再びサリサに付いて行った。
それにしても、広いお屋敷だ。
これがグラント家の富の象徴なのだろう。
辺境伯とはいえ、それなりの権力があるのがわかる。
「お風呂場はこちらです」
サリサが指差した。
「ありがとう、サリサ」
「お風呂はグラント家の自慢でもあります」
ディアナは服を脱ぎ、お風呂に入った。
お風呂場にはバラの花びらが浮かべられている。
ローズの香り。
ヴィルヘルムはまるでディアナの好きな匂いをあらかじめ知っていたかのようだ。
サリサは外で待っている。
風呂は熱くもなく冷たくも無く、丁度良かった。
「熱くないですか?」
サリサの声。
「大丈夫よ!!」
声を返す。
風呂は気持ちが良い。
長旅の疲れを癒やしていた。
ディアナは風呂を出た。
サリサは外にいた。
「では、次は食堂にご案内いたします」
再び、広い廊下を歩く。
そこへ、派手なつくりの扉が現れた。
「ここです」
と、サリサ。
「さあ、中へ入って下さい」
ディアナは促されるまま中に入った。
中には10人以上が座れるテーブルと10脚以上の椅子が置かれていた。
天井にはシャンデリアがある。
奥には窓があった。
窓の外は真っ暗だ。
「ディアナ様の席はこちらでございます」
サリサはテーブルの奥を指差した。
「そして、お隣はヴィルヘルム様の席です。そして、その手前はグラント様、その隣に奥様です。それと、ヴィルヘルム様には二人の弟がおります」
サリサは椅子を引いた。
「ここにお座り下さいませ。まもなくヴィルヘルム様もいらっしゃいます」
小一時間妄想にふけていた。
それはジョージの占い屋がかなりブラックで実は怪しい商売をして、捕まらないかな? と。
そして、バス家から追放されてパトシリア共々侯爵の爵位を剥奪されないか? と。
まさかね。
そして、ヴィルヘルムがやってきた。
「ディアナ。待たせた」
「いいえ。私はそんなに待ってはいませんわ」
つとめて、ヴィルヘルムに気を使った。
「我が家の料理はとっても美味しい。そうだ。バス家と比べてみてもいい。きっと満足いくはずだ」
そして、家族もやってきた。
そこへ、メイドが現れた。
「これから、お料理を運んできますわ。まずはディアナ様のから運んで参ります」
そう言って、メイドは踵を返した。
再びメイドが現れ、料理を運んできた。
サラダだった。
「このサラダは我が家の庭で採れた野菜だ。うまいぞ~、なぁ、アリーナ」
「あ~、はい」
先程のメイドが返事をした。
やはり、気さくに話しかけていた。
どこが暴君なのか。
そして、次々と料理が運ばれてくる。
「この熊肉のステーキは自慢の一品だ」
ディアナはステーキに手を付けた。
美味しい。
流石は森の近くに屋敷があるだけに、熊肉は美味しい。
「美味しいですね」
「旨いだろ? 旨いだろ? 旨いだろ? さあさ、もっと食べると良いよ」
ディアナは料理を堪能した。
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