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寄り道

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わたくしは自分が育った孤児院を運営する修道院へ行く事にしました。


と、その前に、忌まわしいものを処分することにしました。

忌まわしいものとは婚約指輪です。

婚約指輪は今はもう無用の長物。

こんなものは早く処分した方が良いに決まってますわ!!

それと、もう二度とドレスなんか着ないのだから、ドレスも売り払いたいですわね。


道中、わたくしは婚約指輪とドレスを買い取ってくれるお店を探すことにしました。

わたくしは大荷物で街中に繰り出しています。


真夏の日差しは容赦なく照りつけてきます。

わたくしは汗っかきなので、夏は苦手。

また汗が出てきました。

その度にハンカチで拭いています。


風が少しあるものの、日差しには負けます。

暑い……とにかく暑い。


でも、婚約指輪は売りたい。

そして、この婚約指輪は修道院に寄付をしたい。

わたくしはそのつもりでいます。


わたくしは久々に街中を徘徊しています。

レンガ造りの建物が広がります。

人々が行き交う街なみ。

それが市井というやつなんですね。


街中には様々なお店があって楽しいですわ。

気分は上り調子です。


と、そこに肉を焼く匂いがしてきました。

なんか……お腹がすいてきたわ。

お昼ごはん……食べてなかったんだっけ?


わたくしは肉屋さんに行くことにしました。

「はい」

太っちょな中年の男性が肉を焼いていました。

「お肉、もらえますか?」

「あいよ、お嬢ちゃん。100ソトだ」

わたくしは肉屋の主人から肉を受け取り、お金を払った。

「ありがとうよ。また来ておくれ」

肉屋の主人の笑顔に励まされた。


と、そこでふと思った。

さっきの肉屋で質屋を教えて貰えばよかったかも? と。

しかし、街中を徘徊するのも楽しいので、自分でお店を見つけることにしました。


わたくしは肉に口をつけました。

美味しい。とってもジューシー。

貴族令嬢が街中で食べ歩きなんて恥ずかしいけれど、もうわたくしは貴族令嬢なんかじゃありませんわ。

これからは平民として生きていくのよ。

もしかしたら、わたくしの両親も平民かもしれないのだから。


と、そこでようやく質屋を見つけた。

『宝石等高価買取』という看板が目立つ。

わたくしは躊躇することなくお店に入ることにしました。


そこには初老の男性がいました。

「お嬢ちゃん、なんの御用かね?」

「はい。これらを売りたいいんです」

わたくしは婚約指輪とドレスを男性に渡した。

男性は品定めをした。

「これは5万ソトだな。で、これらのドレス合わせて12万ソトだな。よし、買い取った」

わたくしは17万ソトを受け取りました。

そして、店を出ました。

と、そこへ店主が追ってきた。

「お嬢ちゃん。こんな大金もっていては追い剥ぎに襲われてしまう。馬車を手配する。どこまで行くのかな?」

「フレア修道院です」

「よし、わかった」

わたくしは馬車の到着を待つことにしました。
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