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新しい愛 ※アンドレイ視点
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窓の外は夏空が広がっている。
暑い。ムシムシしている。
オレは夏が大嫌いだ。
なぜなら、抱き合ったりすると暑苦しいからだ。
オレはむしろ、冬が好きだ。
抱き合えば、ぬくもりを感じられるからだ。
それに、冬の空は美しい。
彼女と二人きりでみる星空はなんとも感慨深いものがある。
オレは特筆つきのロマンチストだ。
そう自負している。
クソ暑い中、オレはオレの部屋でケイトと語りあっている。
オレは今、ケイトを一途に愛している。
そうさ、オレはターニアを本気で愛したことはない。
ターニアのことは確かに好きにはなった。
だけど、本気で愛したわけではない。
そうさ。「好き」と「愛している」は違うんだ。
「ねえ、本当に私でよかったんですか? アンドレイ様」
「勿論だよ」
オレはケイトの顎を持ち上げ、キスをした。
そうさ。偽りの恋ではここまでできない。
ターニアとも確かにキスはした。
しかし、そんなの本気で愛したわけではないから、苦い味しかしない。
しかし、ケイトとのキスはほんのり甘い感じがする……。
ケイトはオレの右手を握ってきた。
「ねえ、アンドレイ様」
「どうしたんだ、ケイト」
「私、アンドレイ様と触れていると安心するの。不思議でしょ?」
「不思議でも何でもないよ、ケイト。これが真実の愛なんだからな」
オレは酒を取り出した。
「この酒、うまいんだぜ」
「どういうことなんですの?」
「熟しすぎたぶどうでできたワインだ」
「え? 熟し過ぎるとワインって美味しいの?」
「それが、有名な魔道士、ゴランが旨くなるように魔法をかけたのさ」
「ゴランは食べ物を何でも美味しくしてくれる魔法を使えるのよね。まさかワインまで手掛けているとは」
そう。熟しすぎたぶどうなど、本来は使い物にならない。
そんなの不味くて飲めたものではない。
しかし、ゴランの手にかかればどんなものでも旨くなるんだ。
ゴラン……魔道士によくあるような名前だよな。
「騙されたと思って飲んでみるといいよ」
「わかったわ!」
ケイトはワイングラスにそっと口をつけ、飲み始めた。
「美味しいわ!!」
「だろ?」
このワインは高い。
やはり、ゴランの魔法がかかっているからだ。
ゴランの魔法がかかれば、どんなに不味いワインも美味しくなる。
それに、どれほど高いワインを飲もうとも、ゴランのワインには勝てない。
「それとな……ケイト」
「はい」
「手を出して」
「ええ」
「右手じゃないよ。左手だよ」
ケイトは左腕を差し出した。
オレはケイトの左手薬指に指輪を嵌めた。
「これは……」
「婚約指輪だ。結婚してくれ」
暑い。ムシムシしている。
オレは夏が大嫌いだ。
なぜなら、抱き合ったりすると暑苦しいからだ。
オレはむしろ、冬が好きだ。
抱き合えば、ぬくもりを感じられるからだ。
それに、冬の空は美しい。
彼女と二人きりでみる星空はなんとも感慨深いものがある。
オレは特筆つきのロマンチストだ。
そう自負している。
クソ暑い中、オレはオレの部屋でケイトと語りあっている。
オレは今、ケイトを一途に愛している。
そうさ、オレはターニアを本気で愛したことはない。
ターニアのことは確かに好きにはなった。
だけど、本気で愛したわけではない。
そうさ。「好き」と「愛している」は違うんだ。
「ねえ、本当に私でよかったんですか? アンドレイ様」
「勿論だよ」
オレはケイトの顎を持ち上げ、キスをした。
そうさ。偽りの恋ではここまでできない。
ターニアとも確かにキスはした。
しかし、そんなの本気で愛したわけではないから、苦い味しかしない。
しかし、ケイトとのキスはほんのり甘い感じがする……。
ケイトはオレの右手を握ってきた。
「ねえ、アンドレイ様」
「どうしたんだ、ケイト」
「私、アンドレイ様と触れていると安心するの。不思議でしょ?」
「不思議でも何でもないよ、ケイト。これが真実の愛なんだからな」
オレは酒を取り出した。
「この酒、うまいんだぜ」
「どういうことなんですの?」
「熟しすぎたぶどうでできたワインだ」
「え? 熟し過ぎるとワインって美味しいの?」
「それが、有名な魔道士、ゴランが旨くなるように魔法をかけたのさ」
「ゴランは食べ物を何でも美味しくしてくれる魔法を使えるのよね。まさかワインまで手掛けているとは」
そう。熟しすぎたぶどうなど、本来は使い物にならない。
そんなの不味くて飲めたものではない。
しかし、ゴランの手にかかればどんなものでも旨くなるんだ。
ゴラン……魔道士によくあるような名前だよな。
「騙されたと思って飲んでみるといいよ」
「わかったわ!」
ケイトはワイングラスにそっと口をつけ、飲み始めた。
「美味しいわ!!」
「だろ?」
このワインは高い。
やはり、ゴランの魔法がかかっているからだ。
ゴランの魔法がかかれば、どんなに不味いワインも美味しくなる。
それに、どれほど高いワインを飲もうとも、ゴランのワインには勝てない。
「それとな……ケイト」
「はい」
「手を出して」
「ええ」
「右手じゃないよ。左手だよ」
ケイトは左腕を差し出した。
オレはケイトの左手薬指に指輪を嵌めた。
「これは……」
「婚約指輪だ。結婚してくれ」
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