【完結】ニセ聖女と呼ばれ、婚約破棄されました。しかし、若い宰相さんが私を拾ってくれました

hikari

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「大変よ、ターニア。ナポレオン様から手紙が来ていますわよ」

え!? と思いました。

ナポレオン様が? なぜわたくしに? 手紙?


「は……はい」

わたくしは手紙を受け取りました。

わたくしは手紙を読みました。


『親愛なるターニア・ウラ様。ターニア。きみは素晴らしい。孤児たちのために全身全霊で取り組んでいる。親のいない子供たちの心はきっと寂しいものだろう。子供たちに尽くしているあなたの笑顔にも癒やされた。きみさえ良ければ、私の執務室に来てもらえないかな? きみの活躍を祈る。ナポレオン・ガラード』


ガラード邸への招待状?

わたくしは手が震えてしまいました。


「どうしたんだい、ターニア」

「あの……実は……ナポレオン様に呼ばれたんです」

「そうか。なら、行くと良いだろう」


ナポレオン様。

たった一度会っただけなのに。


確かにウラ家にいたときは何度か夜会などでナポレオン様に会うことはありました。

だから、「初めまして」ではない。

でも、孤児院の見学で来てわたくしに……。


「はい。ジョナサン先生」

「ナポレオン様は度々当孤児院を訪問なさいます。ナポレオン様自体が早くにお母様を亡くされましたからね」

「そうらしいですが……」


ガラード伯爵夫人が亡くなっていた事は知っていました。

だから、ガラード伯爵はいつもナポレオン様と二人で夜会に参加していました。


「どうしたんですか? ターニア先生」

「ナポレオン様からラブレターだって」

横で丸刈りの少年が茶化す。


丸刈りの少年の名前はピエール。

ピエールは生まれた時に両親が離婚。

母親に付いていったけれど、その母親も亡くなってしまった。


そんな生い立ちだった。


「あははは。何だろうね、ピエール」


「先生」と呼ばれるのも何だか違和感があります。

なぜなら、わたくしが今まで孤児院の先生方を「先生」と呼んでいたのだから。

そして、診療所の医師を「先生」と呼んでいたのだから。


「ターニア先生」

マリアが笑顔を見せた。


「ナポレオン様は度々この孤児院に来るんですよ。そして、たま~におやつをくれるんです」

そうだったのね。

子供たちにおやつをあげるだなんて……おやさしい方。


わたくしは益々、ナポレオン様に惚れました。

ナポレオン様は宰相にまで登りつめた方。

婚約者がいてもおかしくないというのに……。


「ナポレオン様は『握手して』と言うと、握手してくれるんだぜ」

と、ピエール。


何て気さくな方なんだろう……と思いました。


「明日にでも行くと良いよ、ターニア」

「はい、ジョナサン先生」
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