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ベインハルトと共に

ようこそアルテナ王国へ

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アルテナ王国の晩餐会に招待されたローサ。

「どうも、こんばんは」
実に何日かぶりにソフィアに会う。

「ソフィア、元気にしてた?」
とそこへカタリナ王女がやってきた。

「カタリナ王女こんばんは。晩餐会に招待ありがとうございます」
カタリナ王女は笑顔で
「こちらこそありがとうございます」

ローサは一瞬「何だ?」と思った。なぜこちらがありがとうを言われるのだろう。


「お兄様、このところ元気無かったの。ローサさんが来てやっと笑顔になったわ」
「そうだった……んですか」
と思わず舌を噛んでしまった。

「今宵はずっと楽しんでいて下さいね。勿論席はお兄様の隣」

ベインハルト王太子が現れた。

「いや~っ! ローサちゃんじゃないの」

ベインハルト王太子が屈託の無い笑顔でやって来た。

「王太子殿下。この度は謁見願えて光栄です」

「いや~、ローサちゃん、待っていたよ~」

「王太子殿下はローサの事ずっと待っていたのよ。晩餐会まで日にちのカウントダウンまでしていたんだから」とソフィア。

「お兄様。あまり調子に乗らないで下さいね。いつも調子に乗って王侯貴族の令嬢や近隣諸国の王女様からお断りされちゃうんだから」とミハエルが言う。

「いや~でもローサだけは別格なんだよな~」

と肩まで伸びた髪を指で巻きながら言った。

「お父様もお母様もローサを招待する事を快く受け入れてくれたわ」
と言ってカタリナ王女はウインクしてみせた。


そして晩餐会が始まった。

「今回は特別に隣国の公爵令嬢のローサさんを晩餐会に招待しました」とベインハルト王太子が言った。

すると、周りがどよめいた。

「では紹介します。こちらが父でありら現国王であるクルトでございます」

王太子同様、金髪で目が水色の男性が頭を下げた。

「そしてこちらが母親であり、王妃であるエレナです」

ダイヤの輝きのような銀色の頭の女性が頭を下げた。

「マリソン公爵の長女、ローサです。初めまして。宜しくお願いします。今日はこのような会に参加させて頂き、ありがとうございました」

ローサは立ち上がり、国王と王妃それぞれに一礼し、挨拶をした。

「そしてこちらが第三王子のフレデリクです」

やはり、兄弟同様金髪でブルーの目の男性が頭を下げた。

「そしてこちらが第三王子の妃であるフロリーナです」

若葉を想像させる黄緑色の髪の女性が挨拶をした。



そして、ベインハルトが耳のそばで言った。

「実は話したい事がある」

話とは一体なんだろうか?











晩餐会のあとに、ベインハルトに呼ばれた。


「婚約しよう」
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