夫が不倫をしているようなので、離婚します。もう勝手にすれば?いつか罰が当たるから

hikari

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成金女 ※ラニーニャ視点

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ラニーニャは雪の降る外を見ながらソファーにふんぞり返り、足を組み、パイプを吸っている。

カルロスに妻がいる事を知っていて、付き合っていた。

でも、そんな事は別にお構いなしだった。


カルロスも彼女に飽きが来ていたようだし、肖像画を見るからにも、その女は魅力的に思えなかったからだ。

えくぼがある?

しかし、カルロスはラニーニャの八重歯の方が魅力的だと言ってくれた。


ラニーニャにとって八重歯はコンプレックスだった。

なぜならば、歯並びが悪く見えるからだ。


カルロスはこの八重歯を魅力的だと言ってくれたのだ。


奥さんはダンスがうまい?


確かに王室主催の舞踏会では奥さんはダンスが上手いと好評。

しかし、カルロスはダンスが上手いだけではダメだと言っている。


そうよ。わたくしのこの美貌が大事なわけ。



この寒い冬には毛皮は必要だった。

王侯貴族は皆、毛皮を身に着けてはいたが、自分より着こなしの上手い人はいないと思っていた。


毛皮は領地内でとれる希少な動物の毛皮。



ラニーニャにとって動物の命などどうでも良かった。

そうよ。この世の中は食物連鎖よ。

人間様が頂点にいるのだから、動物は大人しく毛皮になるのよ。


いつか、アトポスを捕まえて、アトポスの皮をカバンにしようと思っていた。

アトポスは他の領地だけれど、そこの領地とタイアップすれば良い。

そして、アトポスを捕える。


人々を石化している謎の魔物を捕える事でわたくしは英雄よ♡


都合が良いことに、アトポスが出る領地で取れるオレンジの実を香水にしている。

きっとアトポスも譲ってもらえるに違いない。



カバンは領地内で捕れる蛇の皮を使っている。

それがまた高級で良いのだ。


「うふふふ」

ラニーニャは立ち上がり、パイプを脇へどかした。


そして、鏡の前に立った。

緑の腰までかかる髪、切れ長の吊り目の女性が映っている。


「わたくしってば綺麗よね。もしわたくしが男だったら、こんな女性と結婚したいわ」

「カルロスってば女見る目あるのね」

ラニーニャは鏡に映る自分に向かって投げキッスをした。


そうよ。毛皮が似合うのもわたくしのような女性よ。



ラニーニャは魚よりも肉派だった。

それで、カルロスもラニーニャに心移りしたのだ。


「奥さん。確か魚派だったっけ? 魚なんて生臭いわ。あんなもの食べるなんておかしいわ。カルロスが嫌気が差すのもわかるような気がするわ。ふっ」

ラニーニャは再びソファーにふんぞり返り、足を組み、パイプを吸い出した。


ラニーニャはヘビースモーカーだった。

パイプが切れると、とにかくイライラする。

1日に20回はパイプを吸っている。


「カルロスはパイプを認めてくださる」


ラニーニャは不倫を何とも思っていない。

不倫も恋愛形態の1つだと思っている。

それに、カルロスは奥さんと一緒にいる事に限界を感じている。

奥さんはカルロスを癒せない。

カルロスを癒せるのはラニーニャだけだった。


たまたま奥さんがいただけよ。

出会うのが一足遅かっただけ。


もし、わたくしの方が先に出会っていたら、カルロスは間違いなくわたくしを選んでくれていたわ。


それに、子供がいないのだから、夜の営みもないんでしょ?

カルロスも欲求不満になっちゃう。



ラニーニャは淫売をしていた。

そう。淫売をすれば、男は高価なものを何でもおごってくれたからだった。


宝石もドレスも皆わたくしのもの。


わたくしは無機物と会話ができる。



無機物と会話ができるというと、周りは皆訝しく思う。

しかし、物にも気持ちはある……と思っている。

物にも所有者を選ぶ権利がある……とラニーニャは思っている。


と、そこへ。

ドアをノックする音がする。


「どうぞ」

ラニーニャがそう言うと、侍女のナタリーが来た。

「ラニーニャ様。また毛皮が入りましたわ」

「ありがとう、ナタリー」

そう言うとナタリーは踵を返した。


やった!

また毛皮が手に入った!!


ラニーニャは毛皮が大好き。

毛皮が着られる冬が大好き。


夏は夏で肩出しの上に下はミニ・スカートになれる。


しかし、それでも毛皮には及ばなかった。


「動物もしあわせだわ。わたくしのところに来られるんだもの」



そして、再びドアをノックする音がした。

「はい」


緑髪の長身、痩せ型の男と緑髪の女性が現れた。

兄のエルニーニョと妹のクレアだった。


エルニーニョの顔は憤怒に溢れていた。

「なっ、何よエルニーニョ」

兄とはいえ、ラニーニャはエルニーニョを呼び捨てしている。


「ラニーニャ。絶滅しそうな動物がいるんだ。毛皮はやめろ」

「嫌よ。そんなの受け入れないわ」

「お姉様。動物にも命があるのよ」

「なっ! 妹の癖に生意気よ、クレア。姉に意見するなど1000年早いわ」

「お前がおかしいからだ」

「何よ。エルニーニョ。動物にも命ってあるってあなただって肉たべるじゃないにの!」


「それとこれとは違いわ」

「黙れ! クレア! 妹の分際で」

「絶滅しそうな動物は守らないといけない。そのうちタイパン領から野生の動物がいなくなる」

「エルニーニョ! 黙りなさいよ。動物より人間様の方が大切なのよ」

「ラニーニャ、お前な。なぜお前は素直ではない?」

「素直も何もありませんわ」

「お姉様……」

「クレア! あんたわたくしの美貌に嫉妬しているの?」


「違うだろうが!」

やはり、エルニーニョは怒っている。


エルニーニョはラニーニャを目の敵にしている。

そう。ラニーニャがエルニーニョをはめて失脚させたのだから。


兄のエルニーニョはタイパン家の後継になれない。


タイパン家はストーム家と統合する……。

タイパン家の財産はすべてラニーニャのものだった。
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