夫が不倫をしているようなので、離婚します。もう勝手にすれば?いつか罰が当たるから

hikari

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舞踏会への招待状

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シャルロッテは王室主催の舞踏会に招待されていた。

今、ドレスコーデを考えているところだ。


妹のローズは既に決まっているという。



勿論、今回の舞踏会にはカルロスたちも招待されている。


「ねぇ、お姉様。カルロス様とラニーニャは来るんですの?」

「来るみたいだわ」

「なんか最低ですね」

「カルロスより最低な男はこの世にはいないわ。もし舞踏会に来たら、神経疑ってやる。不倫しておいて他の女と結婚する。そして、舞踏会には堂々と出て国王陛下、王妃陛下の前に現れようとしているのだから」

カルロスが招待されていることは容易に想像はつく。

なぜなら、カルロスはストーム公爵家の後継なのだから。

そして、ラニーニャは派手なドレスを着て王侯貴族の視線の的になる。


そう。王侯貴族の間からもラニーニャの派手な服装は有名だったからだ。


地味なシャルロッテが醜いのか派手なラニーニャが醜いのか。

ジャッジするのは他の王侯貴族たちだ。


「お姉様。もしかしてランスロット王子殿下を狙っているんですか?」

「まさか!」


もう、結婚など懲り懲りだった。


「ローズこそランスロット王子殿下が狙い?」


「いいえ。わたくしはランスロット王子殿下よりジョシュア兵士長が好みですわ。ここだけの話ですけどね」

ローズ・マリーはそう言ってウインクした。


ローズ・マリーがジョシュア兵士長が好みだなんて驚いた。


ジョシュア兵士長は若き兵士長で剣の腕はリヴェンキルト王国1とも言われている。

さらには、その剣の腕に隣国ナルミンナ王国も注目していた。  

ジョシュア兵士長は幼少の頃より剣術に長けていて、ナルミンナ王国から「将来我が国の兵士にならないか」と声をかけられていた。 

ローズ・マリーがジョシュア兵士長に憧れるのもわかる気がする。


「ああ、ジョシュア様~、会いたい」

ローズ・マリーは完全に浮かれてしまっているようだ。

「ランスロット王子殿下か。ランスロット王子殿下はどんな人が好きなのかしら」

「ま~。間違ってでもラニーニャみたいな女ではないわね」


「姉上!」

弟のレイン・ボーが来た。

「姉上。カルロス野郎は来るのでしょうか?」


もはや、カルロスを野郎呼ばわり。思わず笑ってしまう。


「レイン。カルロス憎しなのはわかるけれど、野郎づけはよくないわ」

「しかし……カルロス野郎はあっさりと姉上を裏切りました。カルロス野郎とラニーニャ毒蛇は許さない!」


ラニーニャは毒蛇呼ばわり。

「そうよ。ラニーニャは毒蛇だわ。あの厚化粧に派手な服装に派手なアクセサリー。本当に毒々しいわ」


言われてみれば確かに毒々しい。

「ラニーニャって毒蛇の生き血をワインに入れて飲んでいたり、毒蛇の皮でかばんを作ったりしているみたいですわよ」

本当かどうかわからないけど、ローズ・マリーもラニーニャの事をある程度知っている。


ラニーニャが毒蛇の生き血をワインに入れて飲むなら……でシャルロッテは思い出した。

「ローズ。カルロスは毒蛇を酒につけて飲んでいたわ」

何でも精力をつけるためだという。

「何のためですの?」

「決まっているだろ、勃たせるためさ」

レインは知っていた。

レイン・ボーも漢だな……と思った。


「カルロス野郎とラニーニャ毒蛇は姉上に悲しませた。いつか罰が当たるな!」

「そうね。そうよ。あの二人はお姉様に酷い仕打ちをしたのだから、罰が当たらないのが不思議よ」




「姉上! 僕はランスロット王子殿下と出会わせてみせる!」


「えっ!? やめてよレイン。私はランスロット王子殿下に興味はあるけれど、ランスロット王子殿下には既に婚約相手がいるはずよ。私がいったら迷惑だわ」

本音だ。

婚約者のいる人に近づくのはご法度だ。


自分が不倫されたから、婚約者のいる人から婚約者を奪うなど言語道断だからだ。


「姉上! ランスロット王子殿下は婚約者なんかいません。いたら既に結婚しています」

「……」

絶句した。

それでも、ランスロット王子殿下との恋愛など考えられない。


「ランスロット王子殿下はカルロス野郎とは大違いだ!」

「まあ、レインお兄様。ランスロット王子殿下とカルロスを比較するなんてランスロット王子殿下に失礼だわ」

カルロスのような最低な男はこの世にはいない。


世間体を考えず、堂々と不倫。


そして、不倫相手と再婚。


あれで、次期ストーム公爵家は成り立つのか?


「カルロス野郎はいずれにせよ最低な男だ。ストーム公爵家もカルロス野郎の代で潰れるな」


確かに潰れるかもしれない。


なんせ、あの金遣いの荒さ。

いつか経済破綻するに決まっている。


「カルロス野郎! ぜーったいに許さないからな!」

と言ってレイン・ボーは踵を返した。


「ところでお姉様。ドレスは決まったのです?」

「まだだわ」

「じゃあ、わたくしが選んであげますわ」


「あり……がとう。ローズ」


ローズ・マリーはクローゼットの奥に行き、水色の花柄のドレスを手にとった。


「これなんかどうかしら?」

「そうね。悪くはないわ」

「じゃあ、これにしましょ。他の貴族の男性を釘付けにしましょ」


「そうね。ありがとう、ローズ」


カルロスに地味だの女子力が無いだの言われようと関係ない。


人は人。自分は自分。

シャルロッテが幼い頃、祖母から聞かされていた言葉だ。
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