夫が不倫をしているようなので、離婚します。もう勝手にすれば?いつか罰が当たるから

hikari

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王宮からの便り

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シャルロッテは一人お茶を嗜んでいた。

ランスロット王子と踊れた事が奇跡だった。


ランスロット王子なら、婚約者が既にいるはずだからだ。


婚約者と踊るはずなのに、なぜシャルロッテを選んだのか?


シャルロッテは疑問が拭えないでいた。


「お姉様」

「ローズ」

「ランスロット王子殿下とお似合いでしたわよ」

「そう……かな」

自分がランスロット王子のダンスパートナーとして相応しいのか小一時間悩んでしまった。

口火を切ったのはローズ・マリーだった。

「私はジョシュア兵士長様と踊れなくても、会えただけで幸せですわ」

相変わらずローズ・マリーは幸せそうだ。


ローズ・マリーはやはり、ジョシュア兵士長が好きなのだろう。


そこへフロリーナがやってきた。

フロリーナは引き続きシャルロッテの侍女を務めている。

「シャルロッテ様。ランスロット王子殿下から手紙を受け取りました」

「え!?」


「そうなんです」

シャルロッテはフロリーナから手紙を受け取った。

「ありがとう」


手紙の宛名書きには


シャルロッテ・フォン・シュペルリンク様

と記されている。


シャルロッテは手紙の封を開けた。


『シャルロッテ・フォン・シュペルリンク様。

この前の舞踏会は楽しかったよ。

きみと踊れて良かった。

きみとはまた会いたい。

良かったらまた王宮に来てくれないか?


そうそう。きみの妹さんも連れて来るのを忘れずに。

ジョシュア兵士長が会いたがっている。


では。

ランスロット・アレクサンドロス・リヴェンキルト』

ローズ・マリーがジョシュア兵士長のお気に入り?


「ねぇねぇローズ。あなたの事も書いてあるわ」

「どういうこと?」


「そう。王宮に連れて来てって。何でもジョシュア兵士長様がお呼びみたいよ」 

「え? ジョシュア兵士長様が!?」 

ローズ・マリーは舞い上がっていた。


「ジョシュア兵士長様が私に会いたい? 嬉しいわ」


ランスロット王子殿下には既に婚約者がいるのでは?


しかし、シャルロッテに会いたがっている。

まさか……。

まさかランスロット王子殿下が……。


シャルロッテは我が目を疑った。

しかし、手紙を何度読んでも、ランスロット王子はシャルロッテに会いたがっているのだ。


「ローズ。やったわね!」

「お姉様こそ」


そこへレイン・ボーがやってきた。


「姉上。小耳に挟んだ情報です」


「どうしたの? レイン」

「なんとね、あのカルロス野郎が盗みを働いて爵位剥奪になったみたいです」


「本当に!?」

まさかカルロスが盗みを働いていたとは知らなかった。

「あのラニーニャ雌豚に貢いでお金がすっからかんになったみたいで。それでも宝石を貢ぐために宝石の採掘場で盗みをしていたらしいですよ」


「カルロスならやりそうだと思ったわ」

と、ローズ・マリー。

「どうしてそう思ったの?」


「ラニーニャに貢いでいたんですよね? ラニーニャに貢いでいたら、それはお金すっからかんになりますわ」

骨までしゃぶりつくす。それがラニーニャという女だった。


カルロスは結婚前はそれほど金遣いは荒くなかった。


大金はたいて買ったものといえば、婚約指輪と結婚指輪だった。


「で、ラニーニャはどうなったんです?」

「ラニーニャも平民に成り下がった。アトポスだけを与えられてね」

「アトポスは結局ラニーニャが持っていったのね?」 


「そう。でも、アトポスは痒みを起こす魔物。ラニーニャは痒みを起こして体中傷だらけって話」


アトポスが痒みを起こすことは知っていた。

「でも、どうしてアトポスの皮で痒くなるの?」

アトポスに睨まれると痒みを起こすのは知っていた。

しかし、なぜラニーニャは痒みを起こしたのか?


「アトポスの呪いかもしれないね」

「アトポスは元々魔物。確かに呪いそうな感じはしますわ」


「アトポスの呪い……」


「聞いた話によると、アトポスの皮でバッグを作った職人が全身に痒みを訴えてみたいです」 


「どうやら、アトポスの皮そのものに痒みを発生させる呪いがありそうね」


「で、ラニーニャ雌豚はスラム街に住んでいるみたいだよ」

「スラム街。随分堕ちたものね」

シャルロッテは笑いをこらえた。


笑ってはいけない。でも、笑ってしまう。


ほらきた! 罰!

神様は見ている!


「で、アトポスを売ろうとしたけど、売れなかったみたいだよ」 


そりゃそうだ。痒みを起こす皮でできたバッグなど買う奇特な人間はいない。

「アトポスが値打ちがつかない。実は街中の商人たちはアトポスの皮で痒みが生じるのを知っていたみたいだ」

「それを知らなかったのがラニーニャただ一人だけだった……というわけですね!?」

「その通りさ」

ラニーニャとは世間知らずのお馬鹿さんだったようだ。

「それでカルロスはどうなったの?」


問題はカルロスだ。


「そう。その後二人は離婚したって話。カルロス野郎はそのまま行方をくらまして、一説によるとまた盗みを繰り返して捕まったみたい」


やはり、罰は当たるのだ。

神様は見ている……。


「お姉様を不幸にした人は皆悲惨な末路を辿るんですね」


「本当だ! だから、姉上には幸せになって欲しいんだ」


「実はね、お姉様、ランスロット王子殿下から手紙が来たんですわよ」

「どんな内容?」

レイン・ボーは興味津々だ。


「会いたい……って」


「姉上。やった!!」

「そうよ。お姉様はしあわせになるんですわ」


シャルロッテには頼りになる妹と弟がいた。


感謝の気持ちでいっぱいだった。
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