夫が不倫をしているようなので、離婚します。もう勝手にすれば?いつか罰が当たるから

hikari

文字の大きさ
16 / 18

いつの間に?

しおりを挟む
再びシャルロッテはランスロット王子から呼ばれた。

なんでも、大切なことを伝えたいから……だそう。



よく晴れた空。入道雲がもくもくと湧いている。

夏の日差しは容赦が無い。

しかし、シャルロッテは暑いのは我慢ができた。






馬車の中で馬主のトレインと話していた。


そう言えば、最近フロリーナの姿が見当たらない。

「ねぇ、トレイン」

「どうしたのです、シャルロッテ様」

「最近、フロリーナの姿を見ないけど、何かあったの?」

「はい。フロリーナ嬢は王宮へ行っております」

「何でまた?」

「王宮の近衛兵と恋愛をしているようです」

そんな事は聞いていなかった。


寝耳に水だった。

フロリーナがまさか王宮へ行っただなんて。


「そうだったんですか」


トレインは頭を縦に振った。


「さあ、シャルロッテ様。王宮に着きましたぞ」

「ありがとう、トレイン」


そう言うと、シャルロッテは王宮の門番に挨拶をした。


「シャルロッテ・フォン・シュペルリンクです。ランスロット王子殿下に謁見に来ました」


「はい。話は聞いています。どうぞ中へお入り下さい」

と、中に入りたいところだったが、この門番も何かを知っているかもしれない。

「あのー」

「何でしょう?」

まだあどけなさの残る少年兵だ。

「私の侍女、フロリーナと近衛兵の誰かが交際しているというのは本当なんですか?」


「あい、すみません。その話は私どもにはわかりかねます」

もう一人の門番が言った。

「そうですか……ありがとう」

そうだよね。

門番が知るわけないよね。


ランスロット王子殿下なら何かわかるかもしれない。

シャルロッテは城の敷地内へ入った。


敷地内には四季折々の花が植えられている。

今は夏が見頃の花が植えられている。



そして城内へ入った。

王宮はとてつもなく広い。

城の入口には見るからに高価そうな壷が並んでいる。












☆★☆★


ランスロット王子の書斎の前に着いた。

シャルロッテはドアをノックした。


「どうぞ」

中からランスロット王子の声がした。


シャルロッテはドアノブを回し、書斎に入った。


「ランスロット王子殿下。この度は失礼致します」

ランスロット王子はにこやかに微笑んだ。


と……そこにフロリーナと見知らぬ男性がいた。


「フ……フロリーナ、どうしてここにいるの?」

「シャルロッテ。実は話したいことがあったんだ。まあ、座ってよ」

シャルロッテは促されるままソファーに腰掛けた。


「実はフロリーナさんは近衛兵のアッシュと婚約したんだ」


え!?


驚きを隠せなかった。


「シャルロッテ様、黙っていて申し訳ありませんでした」

いやいやいや。

王宮にいたことに驚いた。

今までは行方不明という事になっていたからだ。

「いいのよ、フロリーナ。でもね、心配したのよ」

「ごめんなさい」

「でも、おめでとう。婚約したのね」

「はい」

「アッシュ様ですか?」

「はい」

恰幅の良い男性がテノールの声で答えた。


「アッシュ様。フロリーナをよろしく頼みますわ」

「はい」

「フロリーナ。これで申し訳ないけど……私との雇用契約は切れてしまいますわね」

「そうならなくて良いんだ」

ランスロット王子が間に入った。

「引き続ききみの侍女になってもらうよ」

え!?

どういうこと!?


「どういう話なんでしょうか、ランスロット王子殿下」

「詳しいことは後で話すよ」


「あ……はい」

ここはひとまず引き下がる。

しかし、フロリーナはシュペルリンク家の使用人。

それを再雇用?


「引き続き宜しくお願いしますわ、シャルロッテ様」


「そして、私がシャルロッテ様の護衛を務めるよう、人事が動きました」

何が何だかよくわからない。


「あ……はい」

としか言いようが無い。


「詳しくはランスロット王子殿下から聞いてもらって下さい。では私達はここでお暇させてもらいます。行くぞ、フロリーナ」

「はい」


二人は書斎から出ていった。


「どういうことなんでしょうか? 私には全く理解に及ばないのですが」

「それも無理もない。僕が一番伝えたかったのはこれから言うことだよ」


ランスロットは小さな箱を取り出した。

「手を出して」

シャルロッテは両手を差出した。

「いや、左手だよ」

右腕を引っ込めた。

すると、ランスロットはシャルロッテの左手薬指に指輪をはめた。

「こういう話さ」

これは明らかに婚約指輪。もしかしてプロポーズ!?


「シャルロッテ。結婚して欲しい」

「え!? でも……」

「僕にはきみしかいない」

「そう……なんですか?」

「にわかには受け入れがたいよね。離婚してまだ間もないから」


「カルロスにひどい目に遭わされたよね。そんなきみがあまりにも不憫だった」


「あ……はい」

「大丈夫だよ。僕は不倫なんてしないから」

ランスロットはシャルロッテの両腕を掴んだ。

「ランスロット王子殿下。私なんかで良いんですか?」


「何でそんなこと言うのかな? 僕はきみを愛している」

ランスロットは唇にキスをした。


「本物の愛だよ」


確かにカルロスとは違う……。

カルロスには無かった愛が感じられる。

「僕と結婚するからフロリーナはきみの侍女を引き続き務めてもらうんだよ。わかったかな?」


帰結はこれだったのか……と思った。


「ありがとうございます。ランスロット王子殿下」


「それと」

「それと?」

「きみの妹のローズ・マリーもジョシュアとの結婚が決まった」

そう言えばローズ・マリーも家に戻らない……。

「みんなきみの周りはしあわせになったね」


ランスロットと婚約を交わしたシャルロッテは王宮で一夜を過ごすのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました

よどら文鳥
恋愛
 ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。  ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。  ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。  更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。  再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。  ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。  後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。  ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。

【完結】私よりも、病気(睡眠不足)になった幼馴染のことを大事にしている旦那が、嘘をついてまで居候させたいと言い出してきた件

よどら文鳥
恋愛
※あらすじにややネタバレ含みます 「ジューリア。そろそろ我が家にも執事が必要だと思うんだが」 旦那のダルムはそのように言っているが、本当の目的は執事を雇いたいわけではなかった。 彼の幼馴染のフェンフェンを家に招き入れたかっただけだったのだ。 しかし、ダルムのズル賢い喋りによって、『幼馴染は病気にかかってしまい助けてあげたい』という意味で捉えてしまう。 フェンフェンが家にやってきた時は確かに顔色が悪くてすぐにでも倒れそうな状態だった。 だが、彼女がこのような状況になってしまっていたのは理由があって……。 私は全てを知ったので、ダメな旦那とついに離婚をしたいと思うようになってしまった。 さて……誰に相談したら良いだろうか。

いつまでも変わらない愛情を与えてもらえるのだと思っていた

奏千歌
恋愛
 [ディエム家の双子姉妹]  どうして、こんな事になってしまったのか。  妻から向けられる愛情を、どうして疎ましいと思ってしまっていたのか。

元婚約者からの嫌がらせでわたくしと結婚させられた彼が、ざまぁしたら優しくなりました。ですが新婚時代に受けた扱いを忘れてはおりませんよ?

3333(トリささみ)
恋愛
貴族令嬢だが自他ともに認める醜女のマルフィナは、あるとき王命により結婚することになった。 相手は王女エンジェに婚約破棄をされたことで有名な、若き公爵テオバルト。 あまりにも不釣り合いなその結婚は、エンジェによるテオバルトへの嫌がらせだった。 それを知ったマルフィナはテオバルトに同情し、少しでも彼が報われるよう努力する。 だがテオバルトはそんなマルフィナを、徹底的に冷たくあしらった。 その後あるキッカケで美しくなったマルフィナによりエンジェは自滅。 その日からテオバルトは手のひらを返したように優しくなる。 だがマルフィナが新婚時代に受けた仕打ちを、忘れることはなかった。

花嫁に「君を愛することはできない」と伝えた結果

藍田ひびき
恋愛
「アンジェリカ、君を愛することはできない」 結婚式の後、侯爵家の騎士のレナード・フォーブズは妻へそう告げた。彼は主君の娘、キャロライン・リンスコット侯爵令嬢を愛していたのだ。 アンジェリカの言葉には耳を貸さず、キャロラインへの『真実の愛』を貫こうとするレナードだったが――。 ※ 他サイトにも投稿しています。

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

もうあなた達を愛する心はありません

佐藤 美奈
恋愛
セラフィーナ・リヒテンベルクは、公爵家の長女として王立学園の寮で生活している。ある午後、届いた手紙が彼女の世界を揺るがす。 差出人は兄ジョージで、内容は母イリスが兄の妻エレーヌをいびっているというものだった。最初は信じられなかったが、手紙の中で兄は母の嫉妬に苦しむエレーヌを心配し、セラフィーナに助けを求めていた。 理知的で優しい公爵夫人の母が信じられなかったが、兄の必死な頼みに胸が痛む。 セラフィーナは、一年ぶりに実家に帰ると、母が物置に閉じ込められていた。幸せだった家族の日常が壊れていく。魔法やファンタジー異世界系は、途中からあるかもしれません。

処理中です...