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クリストフ先生の正体
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翌日学園ではクリストフ先生が隣国、ヌヴェール王国の第一王子ヴィクトルではないか? という事で持ち切りになった。
「クリストフ先生の実柄は隣国ヌヴェール王国へ引き渡されたみたいよ」
教室に入ると、開口一番にカミーユが言ってきた。
「えー!?」
サーラはやはり、と思った。
探し人の人物はやはりクリストフ先生だったのだ。
「でも、クリストフ先生はクリストフ先生よ。ヴィクトル王子なわけ……」
「それがそうみたいなんだ。ヌヴェール王国の探し人とクリストフ先生の顔があまりにも似ていたんだ」
アドンが言った。
「アドン。やっぱりアドンもクリストフ先生がヴィクトル王子だと思うの?」
「勿論さ。あれだけ共通点があればヴィクトル王子と同一と見做すのが普通だろ?」
「そうよ。私もそう思うわ」
レニエ夫妻の言う事には間違いない。
――クリストフ先生。やっぱりヴィクトル王子だったのか。
「ねーねー。サーラってばさ。クリストフ先生がヴィクトル王子だと知っていて、わざと魔法できないフリをしたんじゃないの?」
また意地悪そうに聞こえよがしにブリジットが言った。
「そうよね。不思議な釜が上手く扱えるのに、エレメント魔法ができないなんてありえな~い。補習してもらってクリストフ先生に取り入ろうとしたのよ」
コレットもまた聞こえよがしに言う。
やはり、ブリジットは悪役だ、と思った。
「でもさ~、あんなブスにクリストフ先生が惚れると思う?」
「まさか!」
「「あははははは」」
そんな訳が無い!!
ヴィクトル王子だと知っているなどそんな情報をどこで掴むのか。
「気にしないの! 相変わらず変なこと言うわ。ブリジット」
「あんな奴とは婚約破棄して良かったよ。俺の性格まで悪くなるところだった」
確かに。アドンは確かに太ってはいるけれど、誠実で聡明で好青年だ。
そんなアドンがブリジットと結婚していたら、悪人になっていただろう。
盗人になっていた可能性もある。
「ヌヴェール王国の次期王妃になりたいんでしょ~」
ブリジットがまた大声で言う。
「そうね~。あの性格だもん」
「それに。レニエ夫妻と一緒にいる自体で終わってる!」
「ねぇ、このクラスの人たち! クリストフ先生がヴィクトル王子だと思う人、手を上げて!」
ブリジットがそう言うとクラスの大半の人が手を挙げた。
「サーラとクリストフ先生の結婚反対だと思う人」
とコレット。
――何て事を言うの?
サーラは息を飲んだ。
なんと、クラスの大半が挙手したのだ。
サーラは頭を抱えた。
「気にしないで!」
「気にするなよ」
やはりいつだってレニエ夫妻だけが味方だった。
「クリストフ先生の実柄は隣国ヌヴェール王国へ引き渡されたみたいよ」
教室に入ると、開口一番にカミーユが言ってきた。
「えー!?」
サーラはやはり、と思った。
探し人の人物はやはりクリストフ先生だったのだ。
「でも、クリストフ先生はクリストフ先生よ。ヴィクトル王子なわけ……」
「それがそうみたいなんだ。ヌヴェール王国の探し人とクリストフ先生の顔があまりにも似ていたんだ」
アドンが言った。
「アドン。やっぱりアドンもクリストフ先生がヴィクトル王子だと思うの?」
「勿論さ。あれだけ共通点があればヴィクトル王子と同一と見做すのが普通だろ?」
「そうよ。私もそう思うわ」
レニエ夫妻の言う事には間違いない。
――クリストフ先生。やっぱりヴィクトル王子だったのか。
「ねーねー。サーラってばさ。クリストフ先生がヴィクトル王子だと知っていて、わざと魔法できないフリをしたんじゃないの?」
また意地悪そうに聞こえよがしにブリジットが言った。
「そうよね。不思議な釜が上手く扱えるのに、エレメント魔法ができないなんてありえな~い。補習してもらってクリストフ先生に取り入ろうとしたのよ」
コレットもまた聞こえよがしに言う。
やはり、ブリジットは悪役だ、と思った。
「でもさ~、あんなブスにクリストフ先生が惚れると思う?」
「まさか!」
「「あははははは」」
そんな訳が無い!!
ヴィクトル王子だと知っているなどそんな情報をどこで掴むのか。
「気にしないの! 相変わらず変なこと言うわ。ブリジット」
「あんな奴とは婚約破棄して良かったよ。俺の性格まで悪くなるところだった」
確かに。アドンは確かに太ってはいるけれど、誠実で聡明で好青年だ。
そんなアドンがブリジットと結婚していたら、悪人になっていただろう。
盗人になっていた可能性もある。
「ヌヴェール王国の次期王妃になりたいんでしょ~」
ブリジットがまた大声で言う。
「そうね~。あの性格だもん」
「それに。レニエ夫妻と一緒にいる自体で終わってる!」
「ねぇ、このクラスの人たち! クリストフ先生がヴィクトル王子だと思う人、手を上げて!」
ブリジットがそう言うとクラスの大半の人が手を挙げた。
「サーラとクリストフ先生の結婚反対だと思う人」
とコレット。
――何て事を言うの?
サーラは息を飲んだ。
なんと、クラスの大半が挙手したのだ。
サーラは頭を抱えた。
「気にしないで!」
「気にするなよ」
やはりいつだってレニエ夫妻だけが味方だった。
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