【完結】義理の妹のために婚約破棄になりましたが、なぜか王太子に愛されました。

hikari

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落書き

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翌日。

修道院の階段付近の壁に落書きがあるのを発見した。

落書きはこう書かれていた。


『サリサ死ね』

(一体誰がこのような事を?)


ステファニーは辺りを見回した。

誰もいない。


そこに、クレアとカリナが現れた。


「あ! 落書き!!」

カリナが響くソプラノの声で言った。

「落書き、あんたでしょ?」

「い、いえ、違います」

ステファニーは両手を振って否定した。

「でも、ここにいるのはあんたしかいないのよね?」


しかし、ステファニーはペンを持っていない。

落書きをしていないのは見ればわかるはず。

「いえ、断じて」

「あなたが魔法で書いたんでしょ?」

カリナが攻めてくる。


確かに魔法で落書きはできる。


思った言葉を文字にする魔法だ。

しかし、そんな魔法を使うはずがない。

「それはありませんわ」


「修道女長に言いつけるわよ!」

「本当に違いますわ」

「『私がやりました』と言えば見逃してやっても良いんだけどなァ」

依然としてカリナが意地悪く言う。


ここで魔法で消しても良いのだけれど、消せばステファニーが悪くなる。

「落書きなんて……」

「だってここには今、私達とあなたしかいないじゃない」

「白状しちゃいなさいよ」

すると、クレアが走り出した。

サリサのところへ行くのだろう。


しかし、やっていないものはやっていない。


間もなくしてカリナとサリサがやってきた。


「ステファニー・アルバラード。あなたは壁に落書きをしたそうね」

「していません!! したというなら、証拠をお願いしますわ」

そこへミトが現れた。

「私が見ましたわ。ステファニーが魔法で壁に落書きをしていましたわ」 

「やはり……。ステファニー・アルバラード。証人がいます。それでもしらを切るつもりですか?」

なぜ!?

なぜ見てもいないのに。


もはやここまでくればいじめだ。

先輩後輩関係が強いという場所でこのようないじめがあるだなんて。

(わたくしは陥れられているんだわ。修道院クビになるように仕組まれているのよに)

「でっち上げですわ」

しかし、味方は誰一人いない。


「わたしに恨みがあるのですか? アルバラードさん」

「いいえ、決して」


「これは縁起が悪いですから、私が魔法で消しておきます。二度とこのような事をしないように!!」

(何故かわたくしが犯人という事になってしまった……)


サリサはフッと息を吐き、落書きを消した。

「では」

サリサは踵を返した。


カリナとクレアとミトの3人はクスクスと笑っている。


(そうよね。わたくしを陥れる事ができれば達成感を感じるわね)
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