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愛する女 ジョージ視点

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秋雨降る中、ジョージとエカテリーナの二人はジョージの部屋にいる。

「ねえ、本当に私で良かったの? ヴァレンティーナに未練、無い?」

「無いよ。俺はエカテリーナ一筋だ。それに、ヴァレンティーナは鼻の穴がでかくて豚みたいだ。ブヒブヒ」

ジョージは鼻を持ち上げた。

「「あはははははは」」


「でも、本当ですの? 嬉しいですわ!!」


エカテリーナはジョージの頬にキスをした。

エカテリーナはヴァレンティーナと違って受動的ではない。

積極的に迫ってくる。

ジョージがエカテリーナにキスをしようとすると、なぜかエカテリーナの方がキスが早かったりする。

そんな積極的なエカテリーナもまた好きだった。


コンコン。

ドアをノックする音がした。

「何だ? セーラか?」

「失礼致します」

メイドのセーラだった。

「コップと茶葉お持ち致しました」

「ありがとう!」

ジョージはセーラからコップと茶葉を受け取った。

「失礼致しました」

セーラは踵を返した。


「さあ、飲もうか」

「はい」

ジョージはコップに茶葉を入れ、コップに向かって魔法を唱えた。

「ほい」

コップにお湯を注いだ。


水には困らない。

ハムネット家は水魔法使い。

水を調達するには魔法を使うのが一番。


「わあい! さっすがジョージ様。素晴らしい水魔法使いですわ」

このようにして、いつもエカテリーナを喜ばしていた。

エカテリーナはお茶を口に含んだ。

「わあ、美味しい。さすがジョージ様のお水ですわ!!」

「うん。エカテリーナがそう言ってくれると、俺は嬉しいよ♡」


「ジョージ様」

エカテリーナは抱きついてきた。

「あ~ん、もうエカテリーナ」

こんなところもまた可愛い。


「エカテリーナ。今日呼び出した理由だけどな。俺たち、婚約しているのに、まだまだ渡していなかったものがある」

「何ですの? またピアスをくれるんですか?」

誕生日は勿論、サプライズでも宝石のピアスをプレゼントしていた。

エカテリーナはピアスが大好き。

ピアスと言えば、かれこれ20個以上は所持しているのではないか?


「ピアスじゃないよ。特別なものだ」

「ピアスじゃない、特別なもの?」

「そうだ」

ジョージは小さな箱を取り出し、中を開けた。

「わあ! 指輪」

「これは婚約指輪だ」

「わあい! ありがとう、ジョージ様」

そう言ってエカテリーナは再び頬にキスをしてきた。

「さあ、手を出して!」

「はい!! 喜んで~」

ジョージはエカテリーナの左手薬指に指輪をはめた。


(こんな出来事、前にもあったけ? でも、俺は間違いなくエカテリーナを将来の伴侶として選んだ。エカテリーナこそ、俺の本当の婚約者だ)。
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