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4話 取り戻せない過ち
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次の日、自分ではわかっていたものの、わずかな希望をもって、いつも仲良くしていた人に美香の存在を聞いてみた。
「それ誰?」
「そんな人いた?」
「その名前聞いたことないよ。」
こんな返答ばかりだった、頭の中ではわかっていたがその事実を認めたくない自分がいた。
俺の心の中にはまだ希望があった。そう、美香と生活を共にしていた家族だ。
綾斗「こんばんわ。」
美香の母「あ、はーい。あら。綾斗君じゃない。久しぶりどうしたの?」
綾斗「えーと、美香いますか?」
俺は、願っていた。ただただ、願っていた。「あ、ちょっと待ててね」と言ってくれるのを、願うことしかできなかった。
美香の母「えっ、?美香?その子誰?うちには子供はいないわよ。どこかの子と勘違いしてるんじゃない?」
世界は残酷だった。俺にはもう、希望など残されてはいなかった。
けれども、俺は考えた。考え続けた。考えることを諦めなかった。美香の存在を証明できる方法があるはずだと。
そこで、ふと思いついた。今のこの現在では、存在がないだけで過去には存在があったのではないかと。そう、写真なら写っているのではないかと。
そこで、俺はすべての希望を込めて、幼稚園、小学校、中学校の卒業アルバムを探し確認した。
俺は、言葉を失った。たくさんある写真の中に美香が写っている写真は一つもなかった。クラス写真も、学年で撮った写真も、卒業式で撮った記念写真も。面影すらなかった。
心の中にあった、わずかな希望も打ち砕かれて、絶望へと変わってしまった。
しかし、そのつかのま、不幸ごとは続いた。
そう。彼女であった。いや、俺が彼女だと思っていた。愛衣ちゃんに別れを告げられた。
綾斗「愛衣ちゃん呼び出して何かな?」
愛衣「きっも。その呼び方で呼ばないで。」
綾斗「えっ、どうこと?愛衣ちゃん。」
愛衣「だから、その呼び方で呼ばないで、吐き気がする。」
愛衣「単刀直入に言うけど。」
俺はその時、わかっていた。この後に出る言葉を。
愛衣「もう、飽きたから別れて。」
綾斗「えっ、まってよ。なんで、いきなり。」
愛衣「いや、なんでって飽きたからって言ってるでしょ」
綾斗「どこが嫌だったの?言われたとこ直すから、」
愛衣「きもい。ほんとっうざい男ってきもい。もう顔を見たくない。」
綾斗「冗談だよね?いつもの愛衣ちゃんに戻ってよ。」
愛衣「あーー、もうこれ以上無理。これが本当の私。これ以上話しかけないで。さようなら。あー、あと最後に、いままでいろいろ、私のために買ってくれて、ありがとう。」
その場に泣き崩れた俺は、自分を殺したくなるほど、悔やんでいた。決して、騙した愛衣ちゃんを悔やんだわけではなく、この事に気づいていた美香の存在を消してしまったということ。そして、幼馴染の言葉を信じることができなかったことを。
この時、佐倉綾斗は佐倉綾斗のなかの美香という存在の大きさを、身に染みて感じた。
「それ誰?」
「そんな人いた?」
「その名前聞いたことないよ。」
こんな返答ばかりだった、頭の中ではわかっていたがその事実を認めたくない自分がいた。
俺の心の中にはまだ希望があった。そう、美香と生活を共にしていた家族だ。
綾斗「こんばんわ。」
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綾斗「えーと、美香いますか?」
俺は、願っていた。ただただ、願っていた。「あ、ちょっと待ててね」と言ってくれるのを、願うことしかできなかった。
美香の母「えっ、?美香?その子誰?うちには子供はいないわよ。どこかの子と勘違いしてるんじゃない?」
世界は残酷だった。俺にはもう、希望など残されてはいなかった。
けれども、俺は考えた。考え続けた。考えることを諦めなかった。美香の存在を証明できる方法があるはずだと。
そこで、ふと思いついた。今のこの現在では、存在がないだけで過去には存在があったのではないかと。そう、写真なら写っているのではないかと。
そこで、俺はすべての希望を込めて、幼稚園、小学校、中学校の卒業アルバムを探し確認した。
俺は、言葉を失った。たくさんある写真の中に美香が写っている写真は一つもなかった。クラス写真も、学年で撮った写真も、卒業式で撮った記念写真も。面影すらなかった。
心の中にあった、わずかな希望も打ち砕かれて、絶望へと変わってしまった。
しかし、そのつかのま、不幸ごとは続いた。
そう。彼女であった。いや、俺が彼女だと思っていた。愛衣ちゃんに別れを告げられた。
綾斗「愛衣ちゃん呼び出して何かな?」
愛衣「きっも。その呼び方で呼ばないで。」
綾斗「えっ、どうこと?愛衣ちゃん。」
愛衣「だから、その呼び方で呼ばないで、吐き気がする。」
愛衣「単刀直入に言うけど。」
俺はその時、わかっていた。この後に出る言葉を。
愛衣「もう、飽きたから別れて。」
綾斗「えっ、まってよ。なんで、いきなり。」
愛衣「いや、なんでって飽きたからって言ってるでしょ」
綾斗「どこが嫌だったの?言われたとこ直すから、」
愛衣「きもい。ほんとっうざい男ってきもい。もう顔を見たくない。」
綾斗「冗談だよね?いつもの愛衣ちゃんに戻ってよ。」
愛衣「あーー、もうこれ以上無理。これが本当の私。これ以上話しかけないで。さようなら。あー、あと最後に、いままでいろいろ、私のために買ってくれて、ありがとう。」
その場に泣き崩れた俺は、自分を殺したくなるほど、悔やんでいた。決して、騙した愛衣ちゃんを悔やんだわけではなく、この事に気づいていた美香の存在を消してしまったということ。そして、幼馴染の言葉を信じることができなかったことを。
この時、佐倉綾斗は佐倉綾斗のなかの美香という存在の大きさを、身に染みて感じた。
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