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ブルー・ローズ・キャピタル
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「さて、何の話だったっけ?」
社長室のソファに腰掛け、ムーンは実にリラックスした姿勢で正面を見遣る。彼の手にはプラスチックのカップが収まり、備え付けのマシンで抽出したばかりの、ホットコーヒーが湯気を上げていた。
「はぁ……はぁ……君なぁ!」
部屋の主ガイアモンドは、対照的に疲弊した様子で、ぐったりとアームレストに寄りかかっている。彼は血色の悪い顔を片手で覆い、覇気のない声音で文句をこぼした。
「僕は病人だぞ。少しは労われ……」
「おや?さっきと言ってることが違うじゃないか。君はいかにも、“健康的”に振る舞いたかったんだろう?」
「君がその気力を奪ったんだろうが……」
悪戯っぽく反論するムーンを、ガイアモンドは軽く睨む。ムーンはくつくつと喉を鳴らして笑うと、彼に水のペットボトルを手渡した。ガイアモンドがそれを飲んでいる間に、タブレットを取り上げ、もう一度データを確認する。
ガイアモンドの語る通り、確かにセイガという名の投資家は、若くして多くの業績と富を手にした成功者のようだった。彼の会社<ブルー・ローズ・キャピタル>は、社員数二桁という小規模な組織にして、オメガ社に匹敵するほどの資本力を有している。だが、その金のほとんどは、裏の社会や後ろ暗いルートを使って獲得されたものだ。社長のセイガは積極的に犯罪に加担することで、莫大な金と混乱とをもたらしている。カルマの父親メレフもまた、顧客の一人であった。
「おや?」
膨大な書類をスクロールし、流し読みしていたムーンの目に、ふと見慣れぬ表が飛び込んでくる。それは会社や個人の名前が並んだ、名簿のような代物だった。所々、赤い丸で印が付けられている。
「ガイア、これは?」
「最近、アメジストに拠点を置く会社の株を買った者の名簿だ。印が付いているのは主に、ペーパーカンパニーか存在しない人物、名義貸しで食べているゴロツキ共。全て、元を辿ればセイガと<ブルー・ローズ・キャピタル>に繋がっている」
ムーンが尋ねると、ガイアモンドは首を伸ばして確認し解説を加えた。つまりこの表は、セイガがアメジストに及ぼしている影響を測るための記録らしい。ガイアモンドは深刻そうな面持ちでタブレットを一瞥し、続ける。
「同時期に、街を脅かす犯罪組織にも金が流れ込み始めた。今は何とか封じているが、正直なところ、いつまで保つか」
「そうか。だから最近の君は、輪をかけて狙われていたんだな」
この街は長らくヘリオス・ラムダやALPDによって締め付けられ、良質な治安を保持していた。だが、そこへいきなり大金が注がれたのだ。金という自由を得た者たちは、自分を苦しめた街の権力者、ガイアモンドへの復讐を目指すようになる。だから誘拐だの脅迫だの、危険な出来事が頻発し始めたのだろう。ムーンは思わず納得して、ガイアモンドの意見を遮り、ぽんと手を打つ。
「その指示も、セイガが出していた可能性が高い。近い内に本人がアメジストを訪れるという噂もある」
社長は酷く重々しい口調で断言し、顔をかすかに俯かせた。ムーンはしばし無言になり、腕を組んで考え込む。
「本格的にここに進出するつもりなのか。しかし、一体何のために?何故、この街を狙う必要がある?」
「分からない……」
彼の問いに、ガイアモンドは緩慢な仕草で首を左右に振った。彼はいかにも消耗しているらしく、魂まで抜け出そうな溜め息を漏らす。
「セイガの目的も、アデルとの関係性も不明だ。だが、彼がアメジストに来るならば、彼女も必ず同行する」
「何故分かる?」
唐突な言葉にムーンは驚き、瞼を開けて彼を見た。ガイアモンドは頭をもたげ、おもむろにムーンを凝視する。彼の表情は、まるで心底現実に嫌気が差しているという風に、苦り切っていた。いつもの癖で彼の指先は上唇に触れ、適切な表現を探している。だが、そんなものが出てくるはずもない。彼が目撃した光景は不変であり、口に出そうと出すまいと、覆ることはないのだから。
「気付かなかったのか、ムーン……昨日、僕を攫った奴らの中に、彼女がいた。アデレードだったんだよ」
数分経ってから打ち明けられた真実は、ムーンにも少なからぬ衝撃を与えた。彼は返事もしないまま、無意識的に何度か瞬きコーヒーカップを置く。
「嘘だろう……?まさか、彼女が?」
到底、信じられないことだった。知り合い程度でしかなかった彼でさえ、そうなのだ。ましてや、彼女と結婚の約束まで交わしていたガイアモンドには、もっと強烈な衝撃のはずである。長い間待ち侘びていた、漠然と夢想していた再会。文字としてはロマンチックな雰囲気を持っているはずのそれは、実際に体験してみると、途方もないショックをもたらした。ガイアモンドは探し求めていたかつての恋人に刃物を突き付けられ、拉致されるところだったのである。
「彼女は……アデルは、君や僕と同じ、闇に片足を突っ込んで生きる人物だ」
そのことが、彼の精神に決定的な打撃を加えた。ただでさえ、彼の人生は薄氷の上にあるも等しい状態に置かれている。特に近頃は、セイガという新手が出現したせいで、緊張が高まっていた。いつどこで、誰に狙われていてももおかしくはない。現在の命だって、たまたま助けが間に合ったからという幸運の結果に過ぎないのだ。紙一重で持続する日々は、彼の心に莫大な負荷を生じさせる。そして、ピンと張り詰めた神経の糸が、昨日の出来事によって呆気なく切れてしまった。そういうことだろう。
ムーンはソファの背に体重を預け、長い足を小刻みに揺らす。ガイアモンドの事情は腑に落ちたものの、まだまだ解消しない疑問点は数多く残っていた。
そもそもセイガは何故、テロ活動に傾注するのだろう。どうしてアメジストを標的とするのか。アデレードは何者なのか。
ガイアモンドの見解をぜひ聞きたいところだったが、あいにく闖入者がそれを妨げた。
「失礼しますぞ。坊ちゃん、迎えに参りました」
礼儀正しいノックと共に、社長室の扉が開く。隙間から、同僚のウラヌスが好々爺然とした顔を覗かせた。
「これはこれは、ムーンさん。お久しぶりです」
彼はムーンを発見するなり、至極丁寧に頭を下げる。TPOを意識して着替えたのか、彼は珍しくスーツを着用していた。皺一つない良質なデザインのそれを纏った姿は、ホームレスというより、以前の執事としての時代を彷彿とさせた。
「久しぶりだね、ウラヌス。どうして、君がここに?」
ムーンは驚愕を隠し切れずに、やや弾んだ声音で問う。
若い頃ガイアモンドの実家で働いていたウラヌスは、その反動から、権威や金と結び付く一切を毛嫌いするようになった。故に、定年を迎えた後は川辺の掘立小屋で、わずかな貯金と年金をやりくりして暮らしている。エージェントとしての仕事も趣味程度にしか捉えていない彼が、大都会の中心にあるオメガ社に現れるとは、初めての事態だった。
「レジーナ嬢ちゃんから連絡をもらったんですよ。ガイアモンド坊ちゃんが無理をせぬよう、側できっちり見張っていろと」
「なっ……レジーナの奴、勝手なことを」
「さぁさ、坊ちゃん、行きますよ。お加減が悪いんでしょう?爺やの目は誤魔化せませんぞ」
すらすらと淀みなく応じた彼は、不満げなガイアモンドを軽々とあしらう。教育係も務めていたというウラヌスには、ガイアモンドのどんな我儘も、社長の立場や金を使った命令も効果を及ばさないらしかった。だからこそレジーナも、彼を信頼して託すことにしたのだろう。年寄りにしては意外に強い力で引き立てられ、ガイアモンドは懸命に抵抗を試みるが、ウラヌスが動じることはない。そのまま背中を押され、廊下の先にあるエレベーターに押し込まれていく彼を、ムーンは100%お愛想で作られた笑顔で送り出してやった。
社長室のソファに腰掛け、ムーンは実にリラックスした姿勢で正面を見遣る。彼の手にはプラスチックのカップが収まり、備え付けのマシンで抽出したばかりの、ホットコーヒーが湯気を上げていた。
「はぁ……はぁ……君なぁ!」
部屋の主ガイアモンドは、対照的に疲弊した様子で、ぐったりとアームレストに寄りかかっている。彼は血色の悪い顔を片手で覆い、覇気のない声音で文句をこぼした。
「僕は病人だぞ。少しは労われ……」
「おや?さっきと言ってることが違うじゃないか。君はいかにも、“健康的”に振る舞いたかったんだろう?」
「君がその気力を奪ったんだろうが……」
悪戯っぽく反論するムーンを、ガイアモンドは軽く睨む。ムーンはくつくつと喉を鳴らして笑うと、彼に水のペットボトルを手渡した。ガイアモンドがそれを飲んでいる間に、タブレットを取り上げ、もう一度データを確認する。
ガイアモンドの語る通り、確かにセイガという名の投資家は、若くして多くの業績と富を手にした成功者のようだった。彼の会社<ブルー・ローズ・キャピタル>は、社員数二桁という小規模な組織にして、オメガ社に匹敵するほどの資本力を有している。だが、その金のほとんどは、裏の社会や後ろ暗いルートを使って獲得されたものだ。社長のセイガは積極的に犯罪に加担することで、莫大な金と混乱とをもたらしている。カルマの父親メレフもまた、顧客の一人であった。
「おや?」
膨大な書類をスクロールし、流し読みしていたムーンの目に、ふと見慣れぬ表が飛び込んでくる。それは会社や個人の名前が並んだ、名簿のような代物だった。所々、赤い丸で印が付けられている。
「ガイア、これは?」
「最近、アメジストに拠点を置く会社の株を買った者の名簿だ。印が付いているのは主に、ペーパーカンパニーか存在しない人物、名義貸しで食べているゴロツキ共。全て、元を辿ればセイガと<ブルー・ローズ・キャピタル>に繋がっている」
ムーンが尋ねると、ガイアモンドは首を伸ばして確認し解説を加えた。つまりこの表は、セイガがアメジストに及ぼしている影響を測るための記録らしい。ガイアモンドは深刻そうな面持ちでタブレットを一瞥し、続ける。
「同時期に、街を脅かす犯罪組織にも金が流れ込み始めた。今は何とか封じているが、正直なところ、いつまで保つか」
「そうか。だから最近の君は、輪をかけて狙われていたんだな」
この街は長らくヘリオス・ラムダやALPDによって締め付けられ、良質な治安を保持していた。だが、そこへいきなり大金が注がれたのだ。金という自由を得た者たちは、自分を苦しめた街の権力者、ガイアモンドへの復讐を目指すようになる。だから誘拐だの脅迫だの、危険な出来事が頻発し始めたのだろう。ムーンは思わず納得して、ガイアモンドの意見を遮り、ぽんと手を打つ。
「その指示も、セイガが出していた可能性が高い。近い内に本人がアメジストを訪れるという噂もある」
社長は酷く重々しい口調で断言し、顔をかすかに俯かせた。ムーンはしばし無言になり、腕を組んで考え込む。
「本格的にここに進出するつもりなのか。しかし、一体何のために?何故、この街を狙う必要がある?」
「分からない……」
彼の問いに、ガイアモンドは緩慢な仕草で首を左右に振った。彼はいかにも消耗しているらしく、魂まで抜け出そうな溜め息を漏らす。
「セイガの目的も、アデルとの関係性も不明だ。だが、彼がアメジストに来るならば、彼女も必ず同行する」
「何故分かる?」
唐突な言葉にムーンは驚き、瞼を開けて彼を見た。ガイアモンドは頭をもたげ、おもむろにムーンを凝視する。彼の表情は、まるで心底現実に嫌気が差しているという風に、苦り切っていた。いつもの癖で彼の指先は上唇に触れ、適切な表現を探している。だが、そんなものが出てくるはずもない。彼が目撃した光景は不変であり、口に出そうと出すまいと、覆ることはないのだから。
「気付かなかったのか、ムーン……昨日、僕を攫った奴らの中に、彼女がいた。アデレードだったんだよ」
数分経ってから打ち明けられた真実は、ムーンにも少なからぬ衝撃を与えた。彼は返事もしないまま、無意識的に何度か瞬きコーヒーカップを置く。
「嘘だろう……?まさか、彼女が?」
到底、信じられないことだった。知り合い程度でしかなかった彼でさえ、そうなのだ。ましてや、彼女と結婚の約束まで交わしていたガイアモンドには、もっと強烈な衝撃のはずである。長い間待ち侘びていた、漠然と夢想していた再会。文字としてはロマンチックな雰囲気を持っているはずのそれは、実際に体験してみると、途方もないショックをもたらした。ガイアモンドは探し求めていたかつての恋人に刃物を突き付けられ、拉致されるところだったのである。
「彼女は……アデルは、君や僕と同じ、闇に片足を突っ込んで生きる人物だ」
そのことが、彼の精神に決定的な打撃を加えた。ただでさえ、彼の人生は薄氷の上にあるも等しい状態に置かれている。特に近頃は、セイガという新手が出現したせいで、緊張が高まっていた。いつどこで、誰に狙われていてももおかしくはない。現在の命だって、たまたま助けが間に合ったからという幸運の結果に過ぎないのだ。紙一重で持続する日々は、彼の心に莫大な負荷を生じさせる。そして、ピンと張り詰めた神経の糸が、昨日の出来事によって呆気なく切れてしまった。そういうことだろう。
ムーンはソファの背に体重を預け、長い足を小刻みに揺らす。ガイアモンドの事情は腑に落ちたものの、まだまだ解消しない疑問点は数多く残っていた。
そもそもセイガは何故、テロ活動に傾注するのだろう。どうしてアメジストを標的とするのか。アデレードは何者なのか。
ガイアモンドの見解をぜひ聞きたいところだったが、あいにく闖入者がそれを妨げた。
「失礼しますぞ。坊ちゃん、迎えに参りました」
礼儀正しいノックと共に、社長室の扉が開く。隙間から、同僚のウラヌスが好々爺然とした顔を覗かせた。
「これはこれは、ムーンさん。お久しぶりです」
彼はムーンを発見するなり、至極丁寧に頭を下げる。TPOを意識して着替えたのか、彼は珍しくスーツを着用していた。皺一つない良質なデザインのそれを纏った姿は、ホームレスというより、以前の執事としての時代を彷彿とさせた。
「久しぶりだね、ウラヌス。どうして、君がここに?」
ムーンは驚愕を隠し切れずに、やや弾んだ声音で問う。
若い頃ガイアモンドの実家で働いていたウラヌスは、その反動から、権威や金と結び付く一切を毛嫌いするようになった。故に、定年を迎えた後は川辺の掘立小屋で、わずかな貯金と年金をやりくりして暮らしている。エージェントとしての仕事も趣味程度にしか捉えていない彼が、大都会の中心にあるオメガ社に現れるとは、初めての事態だった。
「レジーナ嬢ちゃんから連絡をもらったんですよ。ガイアモンド坊ちゃんが無理をせぬよう、側できっちり見張っていろと」
「なっ……レジーナの奴、勝手なことを」
「さぁさ、坊ちゃん、行きますよ。お加減が悪いんでしょう?爺やの目は誤魔化せませんぞ」
すらすらと淀みなく応じた彼は、不満げなガイアモンドを軽々とあしらう。教育係も務めていたというウラヌスには、ガイアモンドのどんな我儘も、社長の立場や金を使った命令も効果を及ばさないらしかった。だからこそレジーナも、彼を信頼して託すことにしたのだろう。年寄りにしては意外に強い力で引き立てられ、ガイアモンドは懸命に抵抗を試みるが、ウラヌスが動じることはない。そのまま背中を押され、廊下の先にあるエレベーターに押し込まれていく彼を、ムーンは100%お愛想で作られた笑顔で送り出してやった。
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