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父の怒り
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「大学とか、試験とか、どうだっていい!楽になりたい!だって今のままじゃ、SNS見るのも、友達と遊ぶのも、何にも楽しくないから!!誰かのこと羨むのも、妬むのも、もう嫌なの……!!」
陽が落ちると共に、店内は更に騒がしくなっていった。客たちは賑やかに会話をし、爆笑を弾けさせ、グラスのぶつかる音が不規則に響く。アスカの発した叫びは、彼らの織りなす喧騒の中に吸収されて消えていった。
「勉強さえしなければ、こういうの全部から解放されるんでしょ!?だったら、家族と縁を切ってでも、自由になりたいって思うよ!ママはあたしに、勉強させたいみたいだけどさ」
彼女はカウンターに手を置き、切実な眼差しを父に送る。しかし、ムーンは決して同意することも、躍起になって否定することもしなかった。
「……本当に、ここにいれば、君は幸せになれるのかい?」
「そうだよ」
言葉を選びながら尋ねると、アスカはわずかに目を泳がせたものの、首を振って答える。
「こんな小汚い、豚小屋が腐ったような場所なのに?」
「馬鹿にしないでよ!!父さんに何が分かるの!?」
わざと意地悪く問うた途端、彼女はいきなり立ち上がってムーンを睨み付けた。だが、彼はあくまで冷静さを保ったまま、淡々と反論する。
「最初に馬鹿みたいと言ったのは、君だよ、アスカ」
「あ、あれは……っ!」
アスカはたちまち口ごもり、俯いてしまった。ムーンは彼女の顔を眺めると、容赦なく畳みかける。
「本当は、違うんじゃないか?自分の居場所はここではないと、君はとっくに、気付いているように見える。少なくとも、父親にはね」
「何それ……意味分かんない」
アスカは思わず突き放すようなことを呟いたが、内心ではどこかで納得する気持ちもあった。けれど、まだ若く意固地な彼女が、己の過ちを認めるのは簡単なことではない。結局、無理矢理はぐらかそうと努めて、父から視線を逸らすのが精一杯だった。その直後。
「あっれ~?アシュじゃん。何、どしたー?オッサンに絡まれてっけど、もしかしてナンパの最中?うはは!面白ぇ~。俺が助けてあげよっかぁ?」
新しく店に入ってきた人物が、アスカの姿を認めるなり大股に近寄ってくる。黒髪にメッシュを入れ、派手な蝶の柄のシャツを着た男は、ヘラヘラと笑って彼女の肩を叩いた。
「待って、違うよ」
「いや~、オッサン、見る目ないねぇ!もしくは、中々の特殊性癖?アシュみたいな女を口説くとか、マジあり得ないって!」
彼は引き攣ったような笑い声を上げつつ、今度はムーンの肩に手を伸ばす。制止するアスカの声など耳にも入っていないらしい。無意識なのか、彼の体は小刻みに揺れて、その度にズボンに下げたウォレットチェーンが耳障りな音を立てた。
「違うから……!」
「彼女があり得ないって、どういう意味だい?」
二人の間に割り込もうとする娘を押し留め、ムーンは横目で男を見遣ると、ゆっくりと残りのビールを飲み下す。彼は相変わらず野卑な笑顔を保って、アスカの尻をパンと叩いた。
「ちょっと!」
「ほらな?こいつ、俺が尻とか揉んでやっても、一言も」
調子に乗った男の言い分は、最後まで紡がれることなく途切れた。何故なら、ムーンが空のグラスを振り下ろし、彼の額に叩き付けたからである。物理的に黙らされた男は砕けたグラスの破片と共に、その場に昏倒した。大の字に倒れた彼に驚愕して、周囲の客たちが悲鳴を上げる。
「不快だな。僕の娘に、気軽に触れるとは」
ムーンはぐったりと伸びた男を無感動に見下ろし、例の冷たい表情で言い放った。彼の赤い瞳は鋭く、微塵の動揺も示していない。まるで、暴力による解決に何らの抵抗も抱いていないかのようだ。
「と、父さん!何てことしたの!!」
父の突然の乱暴に、しばし呆気に取られていたアスカが、ようやく我に返って絶叫する。だがムーンは何食わぬ顔をして、男を手で指した。
「見ろ、アスカ。君が執着する場所には、こんな男が蔓延っているんだぞ。奴らは君を、正当な仲間とは思っていない。君を手頃なカモとして、欺き利用しているだけだ」
「ち、違う……っ!そんなんじゃ」
酷く軽蔑の滲んだ語調に、アスカは反射的に反発しかけ、失敗する。父の指摘も、ある種真実だと分かっていたからだ。特にこの、チンピラ崩れの下半身脳みそ男には、何度も困らされてきた。利用されていることも、咄嗟には否定出来なかった。だから、こうして白目を剥いて気絶している様を目の当たりにしても、快感さえ覚えてしまいそうになっている。
確かに、最初の頃はこの店での時間が一番に感じられた。孤独に追い詰められ、勉強に押し潰された彼女にとって、ここは格好の逃げ場だった。勇気を出して連絡した、かつてのクラスメイトが連れて行ってくれた楽園。そこで出会った人々は皆明るく、様々な遊びに通じていた。酒、賭け事、ダンスクラブなど打ち込んだ娯楽は数えきれない。元々話し好きで活発な性格だったアスカは、瞬く間に彼らのコミュニティーに馴染んだ。そして、これまでが苦しかった分、糸が切れたような放蕩三昧を開始したのである。
無論、一日の勉強量は減った。帰りが遅くなることも、一度もテキストを開かない日もあった。成績も横ばいを続けたが、かつてのように辛い思いをすることはないのだから、平気だと考えていた。ところが、母は違った。段々と小言を言われる機会が多くなり、面白かったはずの外出もつまらなくなっていった。唯一だったストレスの発散方法を、奪われてしまったのだ。そのダメージは、想像以上に凄まじかった。家に帰りたくなくなって、友人が全員帰った後もぐずぐず店に居残ることが増えた。翌日また叱られると分かっていても、家で過ごす時間を少しでも短くしたかった。
そんな彼女に虫たちが寄ってくるのは、当たり前のことだった。楽しく遊ぶのにも金が要るだろうと、見知らぬ男や商売女らしい相手に話しかけられる機会が多くなった。内容はどれも、似たり寄ったりの怪しげなオファーばかり。荷物を運ぶだけとか、異性と賑やかにお喋りをするとか、口先だけは聞こえのいい、しかし明らかに非合法な仕事だ。何とか理由をつけて断ってきたが、そろそろ危機感を覚えてもいた。一方で、せっかく見つけた安全地帯を失うのも、恐ろしくて堪らなかった。家にだって居たくはなかった。だから、ずるずると関係を続けてしまった。
本当は、分かっている。止めるべきは家族との付き合いではなく、遊びの方だと。大学に行くという夢も、諦めきれてはいない。努力をするべきだった。けれどもあの辛い日々と、これ以上一人で向き合うのも怖い。アスカは迷っていた。だからこそ、店に居座る下劣な者共に付け込まれ、謎の葉っぱの試供品を受け取ってしまったのだ。
陽が落ちると共に、店内は更に騒がしくなっていった。客たちは賑やかに会話をし、爆笑を弾けさせ、グラスのぶつかる音が不規則に響く。アスカの発した叫びは、彼らの織りなす喧騒の中に吸収されて消えていった。
「勉強さえしなければ、こういうの全部から解放されるんでしょ!?だったら、家族と縁を切ってでも、自由になりたいって思うよ!ママはあたしに、勉強させたいみたいだけどさ」
彼女はカウンターに手を置き、切実な眼差しを父に送る。しかし、ムーンは決して同意することも、躍起になって否定することもしなかった。
「……本当に、ここにいれば、君は幸せになれるのかい?」
「そうだよ」
言葉を選びながら尋ねると、アスカはわずかに目を泳がせたものの、首を振って答える。
「こんな小汚い、豚小屋が腐ったような場所なのに?」
「馬鹿にしないでよ!!父さんに何が分かるの!?」
わざと意地悪く問うた途端、彼女はいきなり立ち上がってムーンを睨み付けた。だが、彼はあくまで冷静さを保ったまま、淡々と反論する。
「最初に馬鹿みたいと言ったのは、君だよ、アスカ」
「あ、あれは……っ!」
アスカはたちまち口ごもり、俯いてしまった。ムーンは彼女の顔を眺めると、容赦なく畳みかける。
「本当は、違うんじゃないか?自分の居場所はここではないと、君はとっくに、気付いているように見える。少なくとも、父親にはね」
「何それ……意味分かんない」
アスカは思わず突き放すようなことを呟いたが、内心ではどこかで納得する気持ちもあった。けれど、まだ若く意固地な彼女が、己の過ちを認めるのは簡単なことではない。結局、無理矢理はぐらかそうと努めて、父から視線を逸らすのが精一杯だった。その直後。
「あっれ~?アシュじゃん。何、どしたー?オッサンに絡まれてっけど、もしかしてナンパの最中?うはは!面白ぇ~。俺が助けてあげよっかぁ?」
新しく店に入ってきた人物が、アスカの姿を認めるなり大股に近寄ってくる。黒髪にメッシュを入れ、派手な蝶の柄のシャツを着た男は、ヘラヘラと笑って彼女の肩を叩いた。
「待って、違うよ」
「いや~、オッサン、見る目ないねぇ!もしくは、中々の特殊性癖?アシュみたいな女を口説くとか、マジあり得ないって!」
彼は引き攣ったような笑い声を上げつつ、今度はムーンの肩に手を伸ばす。制止するアスカの声など耳にも入っていないらしい。無意識なのか、彼の体は小刻みに揺れて、その度にズボンに下げたウォレットチェーンが耳障りな音を立てた。
「違うから……!」
「彼女があり得ないって、どういう意味だい?」
二人の間に割り込もうとする娘を押し留め、ムーンは横目で男を見遣ると、ゆっくりと残りのビールを飲み下す。彼は相変わらず野卑な笑顔を保って、アスカの尻をパンと叩いた。
「ちょっと!」
「ほらな?こいつ、俺が尻とか揉んでやっても、一言も」
調子に乗った男の言い分は、最後まで紡がれることなく途切れた。何故なら、ムーンが空のグラスを振り下ろし、彼の額に叩き付けたからである。物理的に黙らされた男は砕けたグラスの破片と共に、その場に昏倒した。大の字に倒れた彼に驚愕して、周囲の客たちが悲鳴を上げる。
「不快だな。僕の娘に、気軽に触れるとは」
ムーンはぐったりと伸びた男を無感動に見下ろし、例の冷たい表情で言い放った。彼の赤い瞳は鋭く、微塵の動揺も示していない。まるで、暴力による解決に何らの抵抗も抱いていないかのようだ。
「と、父さん!何てことしたの!!」
父の突然の乱暴に、しばし呆気に取られていたアスカが、ようやく我に返って絶叫する。だがムーンは何食わぬ顔をして、男を手で指した。
「見ろ、アスカ。君が執着する場所には、こんな男が蔓延っているんだぞ。奴らは君を、正当な仲間とは思っていない。君を手頃なカモとして、欺き利用しているだけだ」
「ち、違う……っ!そんなんじゃ」
酷く軽蔑の滲んだ語調に、アスカは反射的に反発しかけ、失敗する。父の指摘も、ある種真実だと分かっていたからだ。特にこの、チンピラ崩れの下半身脳みそ男には、何度も困らされてきた。利用されていることも、咄嗟には否定出来なかった。だから、こうして白目を剥いて気絶している様を目の当たりにしても、快感さえ覚えてしまいそうになっている。
確かに、最初の頃はこの店での時間が一番に感じられた。孤独に追い詰められ、勉強に押し潰された彼女にとって、ここは格好の逃げ場だった。勇気を出して連絡した、かつてのクラスメイトが連れて行ってくれた楽園。そこで出会った人々は皆明るく、様々な遊びに通じていた。酒、賭け事、ダンスクラブなど打ち込んだ娯楽は数えきれない。元々話し好きで活発な性格だったアスカは、瞬く間に彼らのコミュニティーに馴染んだ。そして、これまでが苦しかった分、糸が切れたような放蕩三昧を開始したのである。
無論、一日の勉強量は減った。帰りが遅くなることも、一度もテキストを開かない日もあった。成績も横ばいを続けたが、かつてのように辛い思いをすることはないのだから、平気だと考えていた。ところが、母は違った。段々と小言を言われる機会が多くなり、面白かったはずの外出もつまらなくなっていった。唯一だったストレスの発散方法を、奪われてしまったのだ。そのダメージは、想像以上に凄まじかった。家に帰りたくなくなって、友人が全員帰った後もぐずぐず店に居残ることが増えた。翌日また叱られると分かっていても、家で過ごす時間を少しでも短くしたかった。
そんな彼女に虫たちが寄ってくるのは、当たり前のことだった。楽しく遊ぶのにも金が要るだろうと、見知らぬ男や商売女らしい相手に話しかけられる機会が多くなった。内容はどれも、似たり寄ったりの怪しげなオファーばかり。荷物を運ぶだけとか、異性と賑やかにお喋りをするとか、口先だけは聞こえのいい、しかし明らかに非合法な仕事だ。何とか理由をつけて断ってきたが、そろそろ危機感を覚えてもいた。一方で、せっかく見つけた安全地帯を失うのも、恐ろしくて堪らなかった。家にだって居たくはなかった。だから、ずるずると関係を続けてしまった。
本当は、分かっている。止めるべきは家族との付き合いではなく、遊びの方だと。大学に行くという夢も、諦めきれてはいない。努力をするべきだった。けれどもあの辛い日々と、これ以上一人で向き合うのも怖い。アスカは迷っていた。だからこそ、店に居座る下劣な者共に付け込まれ、謎の葉っぱの試供品を受け取ってしまったのだ。
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