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潜入任務開始
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アレキサ地区は、アメジストで最も広い地区であった。電車の駅はサファイア地区に次ぐ規模を持ち、数々の有名な商業施設や企業のビルが所狭しと林立している。一方で、キャバクラやホスト、風俗等の怪しげな店が連なる、巨大な繁華街も存在した。
グシオンが話したハプニングバーは、アレキサ地区のど真ん中に居を構える店舗だった。警察の目を逃れるためか、看板らしきものはなく、営業中の印もない。大通りを外れた裏路地の片隅に、一見は小さな雑居ビルにしか思えない、地味な姿で佇んでいた。ただ一階の窓に掲げられたイルカの絵柄のネオンサインだけが、合図の役目を果たしている。グシオンのメモ書きによると、ライトが灯っていれば営業中、且つイルカの頭が右を向いていれば貸切、左なら誰でも歓迎という意味らしい。幸いにして、今夜は誰でも入れる日のようだ。
ムーンは店の前に立つと、靴の紐を結び直すふりをして逡巡した。彼はハプニングバーとやらの実態をよく分かっていなかったが、とりあえず物は試しと入ってみることにする。そうすれば、少なくとも調査を試みたという事実だけは作ることが出来るだろう。
短い階段を降り、ぽっかりと開いた半地下の入口から、薄暗い通路に踏み込む。そのまま突き当たりまで進んだが、階段は見つからず、代わりにエレベーターホールに行き着いた。かごの中には階数表示のボタンもなく、乗り込むと勝手に地下階へと降下が始まる。グシオンの言う通り、上の階へ行くには“別のエレベーター”とやらを使う必要があるのだろう。VIP専用特別室、という単語がムーンの脳裏を過ぎる。
しかし、どうやってそこに入るべきか、思案する前にエレベーターの電子音が鳴った。金属製の自動ドアの奥から、店内に響くダンスミュージックの、煩いリズムが漏れてくる。それはかつてメレフが主催していたパーティーを彷彿とさせ、ムーンに早くもげんなりした気分を抱かせた。だが、せっかくここまで来たというのに、些細な事柄で引き返すのも情けない。趣味のゲーム配信の予定を一つ潰したのだから、その分の収穫は得たいところであった。彼は覚悟を決めてエレベーターを降りる。そして、即座に己の決断を後悔した。
ドアの向こうにあったのは、彼が想像していたよりも遥かに広大な空間だった。地下三階まで続くフロアは、円形の吹き抜けによって繋がっており、どこにいても全体を見渡すことが出来る。それぞれフロアごとに用途が違うらしく、ムーンの今いる地下一階には、軽食を楽しむためのテーブルや椅子が備え付けられていた。とはいっても、メニューにある料理は数種類のホットスナックの他、ポテトチップスとグミしか提供していないらしい。下の階には主に一人の客をもてなすバーが設置されていたが、並み居る客たちは誰も大人しく酒を飲んではいなかった。大抵は安いカクテルで泥酔し、でなければボンテージ衣装を着た店員に、“追加サービス”を頼んでは悦に入っている。しかも、それらに輪をかけて酷い有様なのが、一番下のダンスフロアであった。原色に光るタイルを敷き詰めた床の上で、露出の多い服を纏った男女が密集して踊っている。彼らは皆上から覗かれているとも知らず、あるいは分かっているからこそ止めないのか、キスやその他淫猥な行いに熱中するばかりだった。
自由奔放な性、第三者のプライバシーにズカズカと踏み込む低俗さ、そこから得る下等で卑劣な興奮。何もかもが、ムーンの心にさざなみを立て、出来ればこのまま踵を返したい気持ちにさせる。無論、職業柄こういった場に混じることも経験してはいたのだが、かといって抵抗なく馴染めるほど毒されてもいなかった。
眩い光や大音量のBGMから逃れるように、彼は必死に落ち着ける場所を探す。否、たとえ騒がしくても構わないから、VIPルームに入るための策を練る時間を確保しなければならなかった。要するに、単独でいても怪しまれたり絡まれたりすることのない空間が。
彼は身軽に通行人を避け、チップ欲しさに媚びてくる店員をかわし、店の中を移動する。ところが、これが中々上手くいかなかった。一歩踏み出すごとにどこからか発情した女の手や、無骨な男の手、変態的な玩具やら何やらが出現して道を塞いでしまう。どんなに硬質な声と態度で断っても、彼らは果敢に詰め寄ってきて、巧妙な方法でムーンの肉体を求めた。一度なぞ、いきなり背後から派手に抱きつかれたほどだ。
「おっと、すまない、やめてくれ」
慌てて振り払った直後、伸びてきた腕が彼の腰に巻き付いた。
「いやぁね、気にしてなんかいないわよぅ。ここではみ~んな、好き放題出来るんだから♡」
肉付きのいい色黒の女が、ぎゅっとムーンを抱き寄せて分かりやすくアピールする。掠れ気味の声は熱っぽく、内奥から迸る欲望のエネルギーに満ちていた。洗濯して縮んだのか元々のデザインなのか、身動ぐ度に丈の短いタンクトップが捲れ上がり、ピアスのついた臍が覗く。彼女はわざとムーンにもたれかかり、胸を密着させながら続けた。
「でもおじさん、わざわざ謝ってくれるなんて紳士ね♡ね、あっちで一緒に楽しみましょう……?」
「いや、悪いんだが僕は」
拒絶の言葉を告げようにも、絶えず蛇のように纏わりつかれていては、話すことに集中出来ない。何とか距離を置こうともがくムーンの耳に、突然誰かの声が流れ込んだ。
「あたしのお客、取んないでくれる?ロッコ」
険のある物言いによって、正体を察したのだろう。ロッコと呼ばれた女は素早く身を引き、ムーンから離れる。解放された彼が急いで振り返ると、そこには妙に眼力の強い女性が毅然として立っていた。
「いやぁね、ちょっとお話ししてただけじゃないの。シツレイしちゃう……」
ロッコは彼女の迫力に負けたらしく、言い訳めいた文句を残してそそくさと消えていった。女はロッコの後ろ姿を目で辿った後、胸の前で気怠げに腕を組む。ムーンは内心で警戒を強めながらも、慎重に彼女に近付いた。
「こんなとこで一人は無謀だよ、オジサン」
礼を言おうとしたのだが、女は彼のことなど完全に無視して、正面から相手を見上げる。機先を制された彼は、苦々しい思いを咳払いで誤魔化した。
「あぁ、そのようだね」
ついでにスーツの皺を伸ばし、尤もらしく頷いてみせる。すると、女はいきなり吹き出して、彼の言動を揶揄った。
「ぷっ、何その返し方。真面目か!」
彼女の笑いは明らかに無礼だったが、無邪気な破顔には子供じみた愛らしさがある。ムーンはふとアイディアを思い付いて、彼女に合わせた微笑みを浮かべた。
「さぁね。真面目かどうかは分からないけど、堅物なのは確かだ。こういうところは、あまり慣れていなくてね……君さえ良ければ、少し話し相手になってくれないか?何でも、好きなものをご馳走するよ。先程の礼も兼ねて」
彼としてはごく自然に、丁重な親しみを示したつもりだったが、女は何故か瞠目し固まっている。もしや、何か間違いを犯したのだろうか。この店特有の、状況に応じた誘い方でもあったのかと、ムーンは不安な気持ちを堪えて首を捻る。
「……何か失敗でもあったかな?」
その時、ようやく相手が声を発した。彼女の顔付きは未だ呆然としたままだ。
「……逆だよ、逆。オジサン、ナンパ上手いんじゃん」
「え?」
ムーンが当惑している内に、彼女は笑みを取り戻すと握手を求めてきた。細い腕にいくつもつけられたブレスレットが、ぶつかり合ってカチカチと音を立てる。
「いいよ、付き合ってあげる。あたし、フェンリルって言うんだ。よろしくね、オジサン」
グシオンが話したハプニングバーは、アレキサ地区のど真ん中に居を構える店舗だった。警察の目を逃れるためか、看板らしきものはなく、営業中の印もない。大通りを外れた裏路地の片隅に、一見は小さな雑居ビルにしか思えない、地味な姿で佇んでいた。ただ一階の窓に掲げられたイルカの絵柄のネオンサインだけが、合図の役目を果たしている。グシオンのメモ書きによると、ライトが灯っていれば営業中、且つイルカの頭が右を向いていれば貸切、左なら誰でも歓迎という意味らしい。幸いにして、今夜は誰でも入れる日のようだ。
ムーンは店の前に立つと、靴の紐を結び直すふりをして逡巡した。彼はハプニングバーとやらの実態をよく分かっていなかったが、とりあえず物は試しと入ってみることにする。そうすれば、少なくとも調査を試みたという事実だけは作ることが出来るだろう。
短い階段を降り、ぽっかりと開いた半地下の入口から、薄暗い通路に踏み込む。そのまま突き当たりまで進んだが、階段は見つからず、代わりにエレベーターホールに行き着いた。かごの中には階数表示のボタンもなく、乗り込むと勝手に地下階へと降下が始まる。グシオンの言う通り、上の階へ行くには“別のエレベーター”とやらを使う必要があるのだろう。VIP専用特別室、という単語がムーンの脳裏を過ぎる。
しかし、どうやってそこに入るべきか、思案する前にエレベーターの電子音が鳴った。金属製の自動ドアの奥から、店内に響くダンスミュージックの、煩いリズムが漏れてくる。それはかつてメレフが主催していたパーティーを彷彿とさせ、ムーンに早くもげんなりした気分を抱かせた。だが、せっかくここまで来たというのに、些細な事柄で引き返すのも情けない。趣味のゲーム配信の予定を一つ潰したのだから、その分の収穫は得たいところであった。彼は覚悟を決めてエレベーターを降りる。そして、即座に己の決断を後悔した。
ドアの向こうにあったのは、彼が想像していたよりも遥かに広大な空間だった。地下三階まで続くフロアは、円形の吹き抜けによって繋がっており、どこにいても全体を見渡すことが出来る。それぞれフロアごとに用途が違うらしく、ムーンの今いる地下一階には、軽食を楽しむためのテーブルや椅子が備え付けられていた。とはいっても、メニューにある料理は数種類のホットスナックの他、ポテトチップスとグミしか提供していないらしい。下の階には主に一人の客をもてなすバーが設置されていたが、並み居る客たちは誰も大人しく酒を飲んではいなかった。大抵は安いカクテルで泥酔し、でなければボンテージ衣装を着た店員に、“追加サービス”を頼んでは悦に入っている。しかも、それらに輪をかけて酷い有様なのが、一番下のダンスフロアであった。原色に光るタイルを敷き詰めた床の上で、露出の多い服を纏った男女が密集して踊っている。彼らは皆上から覗かれているとも知らず、あるいは分かっているからこそ止めないのか、キスやその他淫猥な行いに熱中するばかりだった。
自由奔放な性、第三者のプライバシーにズカズカと踏み込む低俗さ、そこから得る下等で卑劣な興奮。何もかもが、ムーンの心にさざなみを立て、出来ればこのまま踵を返したい気持ちにさせる。無論、職業柄こういった場に混じることも経験してはいたのだが、かといって抵抗なく馴染めるほど毒されてもいなかった。
眩い光や大音量のBGMから逃れるように、彼は必死に落ち着ける場所を探す。否、たとえ騒がしくても構わないから、VIPルームに入るための策を練る時間を確保しなければならなかった。要するに、単独でいても怪しまれたり絡まれたりすることのない空間が。
彼は身軽に通行人を避け、チップ欲しさに媚びてくる店員をかわし、店の中を移動する。ところが、これが中々上手くいかなかった。一歩踏み出すごとにどこからか発情した女の手や、無骨な男の手、変態的な玩具やら何やらが出現して道を塞いでしまう。どんなに硬質な声と態度で断っても、彼らは果敢に詰め寄ってきて、巧妙な方法でムーンの肉体を求めた。一度なぞ、いきなり背後から派手に抱きつかれたほどだ。
「おっと、すまない、やめてくれ」
慌てて振り払った直後、伸びてきた腕が彼の腰に巻き付いた。
「いやぁね、気にしてなんかいないわよぅ。ここではみ~んな、好き放題出来るんだから♡」
肉付きのいい色黒の女が、ぎゅっとムーンを抱き寄せて分かりやすくアピールする。掠れ気味の声は熱っぽく、内奥から迸る欲望のエネルギーに満ちていた。洗濯して縮んだのか元々のデザインなのか、身動ぐ度に丈の短いタンクトップが捲れ上がり、ピアスのついた臍が覗く。彼女はわざとムーンにもたれかかり、胸を密着させながら続けた。
「でもおじさん、わざわざ謝ってくれるなんて紳士ね♡ね、あっちで一緒に楽しみましょう……?」
「いや、悪いんだが僕は」
拒絶の言葉を告げようにも、絶えず蛇のように纏わりつかれていては、話すことに集中出来ない。何とか距離を置こうともがくムーンの耳に、突然誰かの声が流れ込んだ。
「あたしのお客、取んないでくれる?ロッコ」
険のある物言いによって、正体を察したのだろう。ロッコと呼ばれた女は素早く身を引き、ムーンから離れる。解放された彼が急いで振り返ると、そこには妙に眼力の強い女性が毅然として立っていた。
「いやぁね、ちょっとお話ししてただけじゃないの。シツレイしちゃう……」
ロッコは彼女の迫力に負けたらしく、言い訳めいた文句を残してそそくさと消えていった。女はロッコの後ろ姿を目で辿った後、胸の前で気怠げに腕を組む。ムーンは内心で警戒を強めながらも、慎重に彼女に近付いた。
「こんなとこで一人は無謀だよ、オジサン」
礼を言おうとしたのだが、女は彼のことなど完全に無視して、正面から相手を見上げる。機先を制された彼は、苦々しい思いを咳払いで誤魔化した。
「あぁ、そのようだね」
ついでにスーツの皺を伸ばし、尤もらしく頷いてみせる。すると、女はいきなり吹き出して、彼の言動を揶揄った。
「ぷっ、何その返し方。真面目か!」
彼女の笑いは明らかに無礼だったが、無邪気な破顔には子供じみた愛らしさがある。ムーンはふとアイディアを思い付いて、彼女に合わせた微笑みを浮かべた。
「さぁね。真面目かどうかは分からないけど、堅物なのは確かだ。こういうところは、あまり慣れていなくてね……君さえ良ければ、少し話し相手になってくれないか?何でも、好きなものをご馳走するよ。先程の礼も兼ねて」
彼としてはごく自然に、丁重な親しみを示したつもりだったが、女は何故か瞠目し固まっている。もしや、何か間違いを犯したのだろうか。この店特有の、状況に応じた誘い方でもあったのかと、ムーンは不安な気持ちを堪えて首を捻る。
「……何か失敗でもあったかな?」
その時、ようやく相手が声を発した。彼女の顔付きは未だ呆然としたままだ。
「……逆だよ、逆。オジサン、ナンパ上手いんじゃん」
「え?」
ムーンが当惑している内に、彼女は笑みを取り戻すと握手を求めてきた。細い腕にいくつもつけられたブレスレットが、ぶつかり合ってカチカチと音を立てる。
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